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アメリカン・コミックス大全

2017-07-18 | 
日本における海外コミックス評論の第一人者、小野耕世氏。
昨年秋刊行の「アメコミフロントライン」の序文では
あまりにも薄っぺらい日本ヒーローとアメコミヒーローの比較でがっかりしたものですが
図書館で2005年刊行のここ30年分の原稿やインタビューをまとめたこの本を見つけて
ちゃんと読んでみないとな、と思って手に取ったわけです。
(昔の「バットマンになりたい」とかが読めていなかったし)

「月刊スーパーマン」や光文社のマーベルコミックス邦訳シリーズ、
池上遼一「スパイダーマン」への原案参加などを行い、
70年代から海外コミックを紹介してきた氏が
「コミックブック」「新聞コミック」「オルタナティブコミック」という
アメリカン・コミックスの持つ3つの側面について
これまでの取材やインタビューを中心にまとめた1冊であり
スタン・リーやジャック・カービイへのインタビューも収録されているほか
いくつもの企画倒れで終わった映画化などへの言及、
ヒーローの誕生に纏わるさまざまなエピソードを読むことができます。

しかしこの本の本題は、どちらかといえば新聞コミック(コミックストリップ)や
オルタナティブコミック、そして911とコミックの関係について述べた後半部分であり
小野さんの「本領」はそっちであって今現在のヒーローコミックについては
ほぼ外野でしかないんだろうな・・・という思いも深まる結果に。
(そちらの分野はどんどん新しい人が出てきているわけなので、それはそれでいいのでしょうけど)

小野さんが幼い頃に触れた日本語版「スーパーマン」(1949年創刊の月刊誌)や
数々の「月刊スーパーマン」以前の邦訳海外コミック誌の存在を知ることができたのが
一番の収穫だったかもしれません。
(まったく存在を知らなかったもんなぁ・・・)
コメント
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