Still Creek のほとりで

Still Creek(静寂なる小川)は裏庭を流れる小川の名前。といっても Windows からは騒音もきこえてきます。

カナディアン・ロッキーの旅 (38)

2006-07-25 12:09:41 | 
ややくたびれた旅装を気にしながら、でもご馳走も魅力に感じながら
私たち7人は、ダイニングルームのある建物に向いました。

途中、左手に見えるオカナガン湖との間にゴルフコースの緑の芝が
拡がっています。 ゴルファーの影はみえません。 小道に沿って
あちこちに置いてあるベンチの周りには花壇が設えてあります。
敷地の中には、個人所有になっている分譲別荘らしい一戸建も並んで
おり、どの家の庭もきれいに手入れされて花が飾ってあります。

ふと右手にある建物にゴルフ場の「プロショップ」の小さな看板が
下がっているのに気が付きました。 ひと気はありません。

ガラス・ドア越しに中を覗くと、ゴルフ用品の他、スェターなどの
洋品に雑誌なども売っている売り場があり、若い女性がカウンターの
向こうに独り雑誌を眺めています。客はいません。
中に入って尋ねてみました。

「カバナスという食堂はまだ開いていると思いますか?」
「残念。4時までですから、もう閉まっていますワ」
「ではダイニングルームに、こんな格好で入れるでしょうか?」
「大丈夫ですよ。 でも、どうしても気になるなら、ラウンジの方に
座って、食事を取り寄せて召し上がったら如何ですか」
と答えてくれました。

「ところで、こちらの水道の水は飲んでも大丈夫ですか?」
「問題ありませんヨ。で、どちらからお出でですか?」
「私たちはバンクーバーからです」
「私もそうですよ。夏休みのサマー・ジョッブで来ているのです」
とニッコリ笑います。

二言・三言、たあいもない話をしながら、ふと売り場の奥まった方を
見ると、5畳ほどのスペースに食料品が並んでいます。

「これはイイ。今夜は最後の夜だから、ここで手に入るものを買って、
皆で一緒に調理してパーティーを開きましょう」

よく見ると、アルコール類はありませんが、ポップ飲料、ピザ各種、
缶詰類、それにインスタント・ラーメン類まで売っていました。

ラーメン、それも激辛のキムチラーメンまで売っているところをみると、
やはり日本や韓国からの滞在客があるからに違いありません。

辺りには東洋系の人影はまったく見当たらないし、フォーマルな服も
着ずに高級ダイニングルームに行かなければならないというのは、少々
気が重いな・・・・と気になっていた私たちは、少しホットした気分です。

各自、翌朝の朝食分まで調達して外へ出ると、通りかかった年配の白人の
ご夫婦が、「日本からですか?」と話しかけてきます。
お二人ともポロシャツにベスト姿、恐らく夕食後の散歩でしょう。
この広い敷地内で、初めて見かけた宿泊客です。 今はオーストラリアに
住んでいる娘さんが、日本で英語を教えていたが、同時に日本語も学んで
とても上手に話すようになったと、嬉しそうに話してくれます。
奥さんが私たちの買った食料品を見て、「これからお食事よ」と囁かれた
みたいで、「おお、そうだね。 では良い滞在をお楽しみください」
とご主人が云って、立ち話は終わりました。

「滞在といっても、一晩寝るだけです」とはとても云えず、「サンキュウ」
とだけ云って別れました。 この初老のご夫妻はもう一週間ここで休暇を
過ごしているようです。 このご夫妻に較べると、カメラを持って駆け足
旅行の私共は人生のリフレッシュには程遠いものです。

06-07-24 (月)快晴 17~28度