今日も、「Bending the Willow」の概略です。
178ページ後半から179ページ前半を中心にご紹介しています。
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ジェレミーとの最後の会合は、あまり幸せなものではなかった。ジェレミーは、話し出しても、どこか悲しげで、話の途中でも遠くを見つめて、それからまたこちらを向くというような具合だった。その日、健康状態のフラストレーションから、彼は怒っていたのだ。意図したことではないが、不適切なことを言っていた。それは、私に対してではなく、一緒に働いてきた人や、彼の愛した人や親切にしてくれた人に対してだった。帰宅すると、留守番電話には5件のメッセージが入っていた。全てジェレミーからで、発言に対しての謝罪であった。
「僕は、僕でないんだ。」
誰が、彼を責められよう。私には、無理だ。ジェレミーのコメントは、無かったことにした。
1995年4月、ジェレミーに電話をした時は、もっと陽気な会話が出来た。基本的に、健康状態は同じだったが、気持ちが晴れていた。
「僕は、シャーロックに挑戦していたにすぎない。貴方も知っての通り、僕は彼に実際に会うことはできなかった。シャーロックはいつも数歩前を歩き、決して追いつくことは出来なかったんだ。シャーロックは捕らえどころがなく、彼になりきるのは難しい。多分、少しは正しく演じられただろう、でも彼はいつまでも新鮮なままなんだ。彼は文学史上、もっとも理解しがたい、知力の天才なのだから。
男性は、ホームズが完全に自己完結し、自分を支配しているところに、魅力を感じている。一方、女性は挑戦対象として彼を見ている。氷の仮面を剥がし、その下にある彼の本当の姿を見たいんだ。もちろん、ホームズは、直感的で女性らしい側面も持ち合わせていて、そこが彼の不思議なとこなのさ。」
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ジェレミーが亡くなる年の2月に、この本の作者と最後に会い、当時は精神的に荒れていたジェレミー。
でも、4月に電話をした時は、明るいジェレミーで良かったですね。
いつも誰にでも優しく気を遣っていたジェレミー。
そんな彼が、仲間や愛してくれる人のことで、不適切な発言なんて、どんなに苦しい状態だったんだろうと、胸が痛いです。
その後、「自分じゃないだ」と言って謝罪の電話をいれていました。
病気のせいで、本当に辛い日々を過ごしていたんですね。
でも、4月に電話をした時は、明るいジェレミーで良かった。
ホームズをことを、こんなに快活に話してくれて。
ジェレミーがホームズのことを話していますが、これは以前にも訳した気がします。
ジェレミーが言うとおり、確かに女性にとっては、「おとし甲斐のある」男性かもしれませんね。
あの気難しそうなホームズの本当の姿を、私にだけ見せて、って女性なら思うことでしょう。
それに、グラナダ・ホームズは、ジェレミーが演じるホームズ。
容姿が魅力的な上、性格もミステリアスですものね。
これは恋せざる得ませんよね
今週は、更新が遅れて、すいませんでした。
遅れた分、来週火曜日に、こちらの続きを更新予定です。
次で、この章は終わります。
更新できるうちに、しておかないと、今年の夏から秋はかなり更新の頻度が減りそうです。
まず、7月にイギリスに引っ越しの荷物を出します。
で、8月中旬に夫をイギリスに送り出し、8月末には家財道具を実家に運び、マンション解約。(うちは賃貸ですから)
それからしばらく、私は息子と実家で準備をし、9月下旬に渡英予定です。
9月下旬からイギリス生活の予定です♪
生活が始まれば、落ち着くまでごちゃごちゃしそうですし。
そうそう、イギリス生活が始まれば、もう一つイギリス生活ブログを立ち上げようと思っています!
貴重なイギリス生活を記録して、思い出にしようと思っています♪
そちらは非ジェレミーで、備忘録的にイギリスでの生活をただ綴ろうかと。
もちろん、こちらのブログは、変わらずジェレミーの記事で埋めますからね
ではでは、また来週火曜日に♪
りえ(rie_002@goo.jp)
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ところで、りえさんはいよいよ忙しくなりそうですね。 イギリスで暮らせるなんてうらやましいです。
イギリス生活のブログも心待ちにしています。
父は、あったかく穏やかな人で、いつもユーモアがありましたが、
病気が重くなって一進一退を繰り返すようになると、
ある日は気難しく、ある日は希望を持って、というふうになりました。
だからジェレミーの最期の日々のようす、なんとなくわかります。
まわりの人間も辛いし、疲れてもきます。
わたしは父が大好きだったんだけど、正直もうかんべんして、って思うこともありました。
リンダさんていうひとは、なんていう大きな愛を持った人なんでしょうね。
主に a dedication to JB と Front からジェレミーがどんな人なのか読み取ろうとしていたころ、
「立場が人を作る」ということをよく考えました。
末っ子の甘えん坊だったにちがいないジェレミーだけど
「彼の父親的存在が撮影現場を暖かく包んだ」みたいなことになったのは、
やはり、立場と、それから年齢を重ねたことにもよるのかなと思ったものです。
でも最後にもういちど甘えられるひとにそばにいてもらえてほんとによかったですね。
シャーロックはいつも数歩前を歩き、決して追いつくことはできなかった。シャーロックは捕らえどころがなく、彼になりきるのは難しい。
いつもそんなふうに思って精進していたからこそ、ホームズの化身になったのよ、きっと。
「シャーロックに挑戦していたにすぎない」?
とんでもない!あなたはたったひとりの、わたしのホームズさまそのひとです。
動いてしゃべる、血肉を具えたたったひとりの本物のホームズ!
氷の表面を溶かし、熱いハートに触れてみたいとどんなに願ったことか!
何度ロンドンへ行っても、何度ベイカー街へ脚をはこんでも、あなたには決して会えないと思うと!
ああ、なんだか話がどんどんそれて、暴走しちゃった。
そうですよね、きこさんも現在闘病中ですもの、ジェレミーの気持は痛いほど理解されていますよね。
もう病気が治らない・・・本当に「死」を意識というか、覚悟するのは、やりたいことが多いジェレミーにとって辛かったでしょうね
でも、一度は凄く落ち込んでいたみたいですが、また精神的に持ち直してくれて良かったと思います。
また、最後まで、一緒に本を読んで下さいね。
イギリスも近づいてきて、準備もままならず、嬉しいですが焦ります
ジェレミーの生家なんかも訪ねられたらなぁ、と思っています。
またイギリスブログも読んでやって下さいね♪
新インフルは、きっと今のきこさんには脅威だと思います。
かからないように、ご注意下さいませね。
>Erikaさんへ
そうですか、Erikaさんもお父様の最期を見ていられて、ジェレミーの状態をよく理解されているんですね。
亡くなる前は、本当に誰もが辛い状態ですよね。
20代には思わなかったことですが、死ぬときは楽に死にたいなぁと、最近願うことがあります。
そんな中でも、リンダさんが支えてくれて、本当に良かったと思います。
その分、リンダさんが書かれた本の中では、辛いことが多く、読んでいて心に刺さります。
仕事仲間には、やはり一線があったようですが、リンダさんには本音で語っていて、だからこそ辛いんですよね。
でも、死ぬ最期の夜も、リンダさんは何かを感じて、同じ家にいてくれたんですよね。
もちろん寝室は別でしたが、最期まで側に付き添ってくれる彼女がいて、ジェレミーも救われたことだと思います。
ジェレミーは、いつもホームズのことでは、「決して追いつくことができない」と、表現していますが、
その厳しい目があったからこそ、ホームズになれたんですよね。
ホームズを追究したいという鋭い視点があって、ジェレミーが突き詰めていったからこそ、ホームズになったんですよね。
>氷の表面を溶かし、熱いハートに触れてみたいとどんなに願ったことか!
いつもながら熱いトークですね、Erikaさん!
大丈夫、私も同じです!!
私たち人妻なのに、こうしていつもお互いの想い人で熱くトークしてしまいますね。
まぁ、夫も公認なので、良しでしょうが(笑)
また、コメントお待ちしています♪