伝説の歌番組・夜のヒットスタジオを語る

伝説の音楽番組「夜のヒットスタジオ」の22年間の足跡を通じて、日本の歌謡界が最も輝いていた時代を振り返ります。

夜のヒットスタジオ・歌手別出演履歴<26> シブがき隊

2007-08-24 | 夜のヒットスタジオ/歌手別出演履歴
「夜ヒット・出演履歴」シリーズ、今回は、田原俊彦、近藤真彦、少年隊と並び、80年代の夜ヒットにおける「ジャニーズ枠」の一画を成したシブがき隊の出演履歴を振り返ります。

◆シブがき隊-初出演:1982年5月3日(第703回)/最終出演:1988年10月26日(第1037回)/出演回数:68回
01 1982/05/03(0703) NAI NAI 16
02 1982/06/07(0708) NAI NAI 16
03 1982/09/27(0724) 100%…SOかもね!
04 1982/11/01(0729) ZIGZAGセブンティーン 
05 1982/12/20(0736) ZIGZAGセブンティーン
06 1983/01/24(0740) 処女的衝撃!(バージンショック)
07 1983/02/28(0745) 処女的衝撃!(バージンショック)
08 1983/03/14(0747) 処女的衝撃!(バージンショック)
09 1983/04/25(0753) Zokkon命(ラブ)
10 1983/05/16(0756) Zokkon命(ラブ)
11 1983/06/20(0761) Zokkon命(ラブ)
12 1983/07/18(0765) Hey! Bep-pin
13 1983/08/15(0769) Hey! Bep-pin
14 1983/09/19(0774) Hey! Bep-pin
15 1983/10/10(0777) 挑発∞(無限大)
16 1983/10/31(0780) 挑発∞(無限大)
17 1983/11/21(0783) 挑発∞(無限大)
18 1983/12/19(0787) 挑発∞(無限大)
19 1984/01/09(0789) サムライ・ニッポン
20 1984/02/13(0794) サムライ・ニッポン
21 1984/03/19(0799) 喝!
22 1984/04/16(0803) 喝!
23 1984/05/21(0808) キャッツ&ドッグ
24 1984/06/25(0813) アッパレ!フジヤマ
25 1984/07/09(0815) アッパレ!フジヤマ
26 1984/08/20(0821) アッパレ!フジヤマ
27 1984/09/17(0825) べらんめぇ!伊達男
28 1984/10/08(0828) <不詳>
29 1984/10/22(0830) べらんめぇ!伊達男
30 1984/11/12(0833) べらんめぇ!伊達男
31 1984/12/03(0836) べらんめぇ!伊達男
32 1985/01/21(0842) 男意ッ気
33 1985/02/11(0845) 男意ッ気
34 1985/03/04(0848) 男意ッ気
35 1985/04/24(0855) DJ in My Life
36 1985/05/29(0860) DJ in My Life
37 1985/06/26(0864) 月光淑女!
38 1985/07/17(0867) 月光淑女!
39 1985/08/21(0872) 月光淑女!
40 1985/09/11(0875) 月光淑女!
41 1985/10/09(0879) KILL
42 1985/11/20(0885) KILL
43 1985/12/18(0889) KILL
44 1986/01/15(0892) トラ!トラ!トラ!
45 1986/02/05(0895) スシ食いねェ!
46 1986/03/12(0900) スシ食いねェ!
47 1986/05/07(0908) 飛んで火に入る夏の令嬢
48 1986/06/11(0913) 飛んで火に入る夏の令嬢
49 1986/08/13(0922) 飛んで火に入る夏の令嬢
50 1986/09/17(0927) 千夜一夜キッス倶楽部
51 1986/10/22(0932) 千夜一夜キッス倶楽部
52 1986/11/26(0937) 恋人達のBlvd.
53 1986/12/24(0941) 恋人達のBlvd.
54 1987/01/21(0945) 恋人達のBlvd.
55 1987/03/11(0952) ドリーム・ラッシュ.
56 1987/04/08(0956) ドリーム・ラッシュ
57 1987/05/06(0960) ドリーム・ラッシュ
58 1987/07/08(0969) 反逆のアジテイション
59 1987/08/26(0976) 反逆のアジテイション
60 1987/09/16(0979) 反逆のアジテイション
61 1987/11/04(0986) 演歌なんて歌えない
62 1987/12/02(0990) 演歌なんて歌えない
63 1988/03/02(1003) PSST PSST
64 1988/03/30(1007) PSST PSST
65 1988/07/06(1021) 恋するような友情を
66 1988/08/10(1026) 恋するような友情を
67 1988/09/21(1032) 恋するような友情を
68 1988/10/26(1037) 君を忘れない<「サヨナラシブがき隊」>

彼らのデビューの契機となったのは1981年のTBS金曜夜8時枠の人気シリーズであった「桜中学シリーズ」第4作にあたる『2年B組仙八先生』への出演からでした。
グループ編成当初は「シブがきトリオ」という仮のグループ名でジャニーズの先輩歌手のバックダンサーや、単独での番組出演をこなしており、しかもグループの構成人数も初期は4人編成だったそうですが、程なく一人のメンバーが脱退、薬丸裕英、布川敏和、本木雅弘の3人編成で定着。そして、1982年5月5日に「NAI NAI 16」でレコードデビューしました。

夜のヒットスタジオにはレコードデビューの3日前の1982年5月3日放送で初登場。以後、田原俊彦、近藤真彦、レコードデビュー前だった少年隊と並び、いわゆる「ジャニーズ枠」として原則月1回のイレギュラーで出演を重ね、人気を獲得してゆきました。

当時のジャニーズの所属タレントの系譜からみても、彼らの存在は「異質」でした。

まず第一に一風変わったタイトル・内容の曲が数多く発売されたこと。とくに1984年に出された一連の作品群(「サムライ・ニッポン」、「アッパレ!フジヤマ」など)では「大和魂」をテーマにしたような楽曲を発表したほか、1986年にはNHK「みんなのうた」から派生した「スシ食いねェ!」なる珍曲も発売、これも当時結構ヒットしました。
第二に、デビュー早々から、バラエティー番組やドラマに積極的に参加し、いわゆる「汚れ役」「色物」と通常ならばアイドル歌手では回避されるような役回りに回ることも多かったこと。これはSMAP、TOKIO、Kinki Kidsなど、後年のジャニーズタレントの売り出し戦略にも大きく影響を及ぼしており、その大元を築いた功績というのは看過できないと思います。

ただ、歌手としてのシングルセールスという点では、1987年に発売した「反逆のアジテイション」まではオリコンのヒットチャートでも上位10位圏内に入るヒットを記録したものの、1位獲得曲は意外にも1984年3月に発売した「喝!」の1曲のみであり、1985年辺りからは、後輩であり、レコードデビュー前から世間の高い期待を集めていた少年隊が正式デビューしたことも相俟って、売り上げ枚数も10万枚の大台に乗せることが難しくなり始め、曲のコンセプトも1曲1曲で大きな大きな開きが生じるなど後期は低迷状態にあったようで、特に活動後期における彼らの支持の背景には、やはりバラエティー番組など「タレント」としての活躍がその基盤にあったという感は否めないと思います。

1980年代後半に入ると、それぞれ個人での活動が目立ち始めるようになり、徐々にメンバー間の仕事に対する考え方にも齟齬が生じ、1988年秋に約7年間のグループとしての活動に終止符を打ちます。
解散日(1988年11月2日)の1週間前である同10月26日放送では、これまでの番組への寄与度に配慮して、恒例となった「サヨナラ」企画が用意され、同期の中森明菜や先輩の田原俊彦らが見守る中、最終シングル曲「君を忘れない」を披露し、颯爽とスタジオを後にしました(因みに彼らの解散特集が番組内で「サヨナラ」企画が組まれた最後のケースであったようです)。

解散後、本木は主に俳優業、薬丸・布川はタレント業を軸にそれぞれソロ活動を開始。それぞれの個性をグループ在籍時以上に前面に打ち出し、現在も第一線で活躍を続けています。