伝説の歌番組・夜のヒットスタジオを語る

伝説の音楽番組「夜のヒットスタジオ」の22年間の足跡を通じて、日本の歌謡界が最も輝いていた時代を振り返ります。

夜ヒットを彩った俳優たち<7> 1968年-1970年

2007-03-11 | 夜のヒットスタジオ/番組史
1970/12/21(0112) 那智わたる/ためらいながら
1970/12/14(0111) 北大路欣也/矢は放たれた
1970/11/30(0109) 高岡健二/つらい別れさ
1970/11/23(0108) 松山英太郎<特別ゲスト>
1970/11/23(0108) 吉沢京子/そっとしといてネ
1970/11/16(0107) 長沢純/川口晶夫妻<特別ゲスト>
1970/11/02(0105) 朝丘雪路/雨がやんだら
1970/11/02(0105) 和田浩治/小さなあやまち
1970/10/26(0104) 上月晃/(不詳) 
1970/10/19(0103) 加山雄三/追いつめられて
1970/10/12(0102) 前田美波里/いいことばかりないわ
1970/10/12(0102) 岡田可愛/小さな日記
1970/10/05(0101) 藤岡琢也/人生わらべ唄
1970/10/05(0101) 酒井和歌子/瀬戸の夕焼け
1970/09/14(0098) 倍賞千恵子/私をどうするの
1970/09/07(0097) 藤(富司)純子/おんなの命
1970/09/07(0097) 丸山(美輪)明宏/(不詳)
1970/08/17(0094) 吉沢京子/すっ跳べ青春
1970/07/27(0091) 岡田可愛/わたし、癖になってしまったの
1970/07/13(0089) 由美かおる/(不詳)
1970/06/29(0087) 加山雄三/美しいヴィーナス
1970/06/15(0085) 黒沢年男/明日にいのちを
1970/06/08(0084) 左ト全(とひまわりキティーズ)/老人と子供のボルカ
1970/05/11(0080) 桜木健一/恋はうそつき
1970/05/04(0079) 岡田可愛/わたし、癖になってしまったの
1970/04/27(0078) 千葉真一/一匹狼
1970/04/20(0077) 吉永小百合/人生の夜明け
1970/03/23(0073) 団次郎(時朗)/甘い予感
1970/03/16(0072) 上月晃/夜明けの砂丘
1970/03/09(0071) 吉沢京子/幸せってなに?
1970/03/02(0070) 中山千夏/止まらない汽車
1970/02/16(0068) 三田佳子/ごめんあそばせ あなた
1970/02/09(0067) 大谷直子/(不詳)
1970/01/12(0063) 松方弘樹/同期の桜
1970/01/05(0062) 勝新太郎/(不詳)
1969/12/29(0061) 津川雅彦/(不詳)
1969/12/22(0060) 高岡健二/北国は孤独な春
1969/12/15(0059) 岡田眞澄/(不詳)
1969/12/01(0057) 森田健作/あの時君は天使だった
1969/11/24(0056) 竹脇無我/(不詳)
1969/11/24(0056) 高岡健二/北国は孤独な春
1969/11/10(0054) 加山雄三/俺たち
1969/11/03(0053) 山口崇/(不詳)
1969/10/27(0052) 石原裕次郎/白樺の湖
1969/10/27(0052) 中山千夏/あなたの心に
1969/10/20(0051) 藤巻潤/ポルトガルはヨーロッパの果て
1969/10/20(0051) 高岡健二/あの日渚で
1969/10/13(0050) 渡哲也/ギターと旅びと
1969/09/29(0048) 大原麗子/(不詳)
1969/09/15(0046) 浅丘ルリ子/愛の化石
1969/09/08(0045) 小川ローザ/風がくれた涙
1969/09/01(0044) 谷隼人/薔薇と皮ジャン
1969/08/25(0043) 高岡健二/あの日渚で
1969/08/04(0040) 勝新太郎/座頭市物語
1969/08/04(0040) 吉永小百合/もうすぐ陽がのぼる
1969/07/14(0037) 上月晃/ク・クル・ク・ク・パロマ
1969/03/31(0022) 吉永小百合/愛ある限り
1969/03/03(0018) 倍賞美津子/(不詳)
1969/01/06(0010) 松原智恵子<特別ゲスト>
1968/11/11(0002) 加山雄三/めぐり逢い

(注釈)
◆いしだあゆみ、小川知子については1977年以降の出演分、木の実ナナについては1976年以降の出演分について「俳優」扱いとしています(夜ヒットへの出演頻度の減少、ドラマ・映画出演機会の増加等の理由により)。
◆朝丘雪路出演分については、1974年4月の司会就任時以前のみに限り記載しています。
◆世良公則出演分については、1982年のソロ初出演以降につき「俳優」扱いでリスト内に記載しています。

夜ヒットにおける「歌う俳優シリーズ」第1号の出演者は、放送第2回目、1968年11月11日放送に出演をした加山雄三。
彼も1988年9月28日放送の「旅人よ」「ちょっとだけストレンジャー」まで幾度も夜ヒットに顔を出した大御所俳優の一人ですが、特に初代の男性司会者である前田武彦とは船やヨットなどといった共通の趣味を持っており、私的にも親交が深かったこともあってか、初期の頃に多数番組に出演しています。

当時の加山は「若大将シリーズ」という東宝の看板映画シリーズを担うスター俳優であったわけですが、彼に限らず、石原裕次郎・勝新太郎・渡哲也・浅丘ルリ子・藤純子・吉永小百合といった各映画会社の看板スターも早々に夜ヒットには出演しています。

以前にも申し上げた通り、番組がスタートした頃の夜22時台というのは限りなく深夜に近い感覚であり、映画界の看板スターがこの時間の生放送に出演し、しかも歌を披露する、というのは当時の映画界・放送界の常識から言っても異例なことでもありました。スター俳優たちが初期のころから番組への参加を応じていた、その最大の要素はやはり番組の持ち味でもあった「フレンドリーさ」「アットホームさ」というところに拠るものがかなり大きかったようです。

スター俳優への出演交渉の際には、一旦は返答を保留し、半年~1年近く掛けて熟慮に熟慮を重ねた上で、最終的には「歌番組だと変に気構える必要もない」として、番組への出演を受諾するというケースが多かったらしいですが、この頃映画人気が下降線を辿り、テレビ界・演劇界へと活躍の場を移すスター俳優が多くなってきていたことも少なからず影響していたと思いますし、上記の加山雄三の場合もそうですが、司会者との私的に親しいという理由から出演を快諾するケース(たとえば、上記のリストでも津川雅彦や倍賞千恵子は芳村真理がかつて女優時代に松竹に在籍していたことから、いわば「同僚」ともいえる間柄でありましたし、岡田眞澄はモデル時代から芳村と親交がありました)も結構あったようです。また俳優出演時に大物が応援で駆けつけて、華やかさをより際立たせるということも結構あったようで、特に石原裕次郎初出演のときには、勝新太郎が応援で出演し、夜深い生番組で豪華な2ショットが実現した、というエピソードが残されています。

夜ヒットを彩った俳優たち<6> 1971年-1973年

2007-03-11 | 夜のヒットスタジオ/番組史
1973/11/26(0265) 大信田礼子/(不詳)
1973/11/05(0262) 梶芽衣子/怨み節
1973/10/01(0257) 森田健作/青春のバラード
1973/09/03(0253) 朝丘雪路/終わりなき冬の旅
1973/08/06(0249) 石橋正次/雨あがりの出発
1973/07/02(0244) 森田健作/さらば愛の日々
1973/06/25(0243) 石橋正次/雨あがりの出発
1973/06/25(0243) 大信田礼子/愛のくらし
1973/03/19(0229) 石橋正次/お嫁にもらおう
1973/03/19(0229) 山口いづみ/小さな秘密
1973/01/15(0220) 朝丘雪路/さよならの季節
1973/01/15(0220) 山口いづみ/小さな秘密
1972/12/18(0216) 大信田礼子/同棲時代
1972/11/27(0213) 森田健作/若者たち
1972/11/27(0213) 山口いづみ/緑の太陽
1972/10/23(0208) 沖雅也/君と二人で
1972/10/02(0205) 大和田伸也/友よ
1972/09/18(0203) 紀比呂子/(不詳)
1972/09/04(0201) 石橋正次/鉄橋をわたると涙がはじまる
1972/08/21(0199) 朝丘雪路/朝まで待って
1972/08/07(0197) 萩原健一/ブルージンの子守唄
1972/07/31(0196) 大信田礼子/何がどうしてこうなった
1972/07/24(0195) 岸部シロー/バタフライ
1972/07/17(0194) 森田健作/涙によろしく
1972/07/03(0192) 加山雄三/男ひとり
1972/05/29(0187) 石坂浩二/浅丘ルリ子夫妻<特別ゲスト>
1972/05/01(0183) あおい輝彦/夜霧のかなたへ
1972/05/01(0183) 森田健作/若い涙はみな熱い
1972/04/10(0180) 朝丘雪路/お別れしましょう
1972/04/10(0180) 紀比呂子/(不詳)
1972/03/20(0177) 大石悟朗/花のある坂道
1972/03/06(0175) 朝丘雪路/お別れしましょう
1972/02/14(0172) 鹿内孝/本牧メルヘン
1972/02/07(0171) 古城都/愛があれば
1972/01/17(0168) 朝丘雪路/いつもなら
1972/01/03(0166) あおい輝彦/夜霧のかなたへ
1971/12/13(0163) 森田健作/青春の旅
1971/12/06(0162) 大信田礼子/ノックは無用
1971/11/08(0158) 加山雄三/夜のシャッフル
1971/11/01(0157) 千葉真一/野良犬のブルース
1971/10/11(0154) 大信田礼子/ノックは無用
1971/09/27(0152) 朝丘雪路/いつもなら
1971/09/27(0152) 杉良太郎/たとえば"愛"
1971/09/20(0151) 小林旭/ごめんね
1971/08/23(0147) あおい輝彦/一人の旅
1971/08/16(0146) 鶴田浩二/男
1971/08/02(0144) 紀比呂子/二人だけの約束
1971/07/12(0141) 浅丘ルリ子/されどわが愛は死なず
1971/07/05(0140) 倍賞美津子/(不詳)
1971/06/21(0138) 朝丘雪路/いつもなら
1971/05/10(0132) あおい輝彦/二人の世界
1971/05/03(0131) 加山雄三/荒野をもとめて
1971/05/03(0131) 大信田礼子/女はそれを我慢できない
1971/04/26(0130) 真帆志ぶき/ドント・メイク・ミー・オーヴァ-
1971/04/05(0127) 財津一郎/(不詳)
1971/04/05(0127) 朝丘雪路/雨がやんだら
1971/03/29(0126) 黒沢年男/朝には別れを
1971/03/29(0126) 松島トモ子/コーヒーと小犬
1971/03/15(0124) 鶴田浩二/傷だらけの人生
1971/03/08(0123) 那智わたる/(不詳)
1971/03/01(0122) 浜田光夫/(不詳)
1971/02/22(0121) 小林旭/ついてくるかい
1971/02/22(0121) 渥美マリ/好きよ愛して
1971/02/01(0118) 加山雄三/荒野をもとめて
1971/02/01(0118) 朝丘雪路/雨がやんだら
1971/01/25(0117) 柏木由紀子<特別ゲスト>
1971/01/18(0116) 鰐淵晴子<特別ゲスト>
1971/01/11(0115) 和泉雅子/私はジュリエット
1971/01/04(0114) 児島美ゆき/どういうわけか
1971/01/04(0114) 岡田可愛/小さな日記

この時代の俳優陣の常連というと、やはり一連の青春ドラマにより若者のカリスマ的存在となっていた森田健作。
この時期には西城秀樹と共にジョイントコンサートを開くなど、歌手活動も結構活発で、ドラマ関連ながら「友達よ泣くんじゃない」「さらば涙と言おう」とヒット曲にも恵まれていました(ただ、右の2曲は残念ながら、他局のドラマ主題歌であったことから、夜ヒットでは歌われることはありませんでした。この時代はまだ他局の番組主題歌に関しては厳しい制約が課されていたようです)。また、森田と同じく青春ドラマで人気を集めた石橋正次もまた、「夜明けの停車場」の大ヒット(この曲も夜ヒットでは披露されていないようです)を皮切りに歌手活動にも精力的であったこともあり、この時期には準レギュラー格として頻繁に顔を出しています。

このほか、「アテンション・プリーズ」の紀比呂子、「てんきぐらげ」の渥美マリ、「サインはV」の岡田可愛、「ハレンチ学園」の児島美ゆきなど、50代以上の方にとっては懐かしい名前も上記リストの中にはちらほら見られます。

大御所勢では、「傷だらけの人生」が大ヒットした鶴田浩二、「ついてくるかい」「純子」がヒットした小林旭がこの時期に初登場しています。
鶴田浩二はなんと行っても片耳を手で塞ぎながら歌を歌うという独特のスタイルが印象的です。そしてまた彼の歌は戦争を実体験した男らしい「反骨精神」のようなものが流れており、この「傷だらけの人生」もまさに「反骨精神の塊」ともいえるような彼ならではのヒット曲であったと思います。
時はアウトローな生き方がティーンエイジたちに憧憬の念を持ってもてはやされていた時代。彼の歌うこの「傷だらけの人生」に流れる「反骨」さが時代と不思議にマッチして、この歌がヒットしたと言えるのかもしれません。

小林旭は同じく日活黄金時代を支えた石原裕次郎と並ぶ戦後派の「歌う映画スター」の代表格的存在です。
歌手としての全盛期はやはり1960年代ということになると思いますが、その後も「ついてくるかい」「昔の名前で出ています」「熱き心に」がヒットし、大御所俳優の中でも夜ヒットでは比較的出演機会が多かった俳優の一人でもありました。
彼にまつわる夜ヒットでのシーンで思い出されるのは、時代は下りますが、1986年10月15日放送における「熱き心に」で、100人規模の合唱団を従えて、堂々とした歌いっぷりを披露したシーンが印象深いです。銀幕全盛時代を生きたスターならではの彼のオーラがスタジオ一面を包み込む、説得力のあるステ-ジングでした。

夜ヒットを彩った俳優たち<5> 1974年-1978年

2007-03-11 | 夜のヒットスタジオ/番組史
1978/12/11(0527) 上月晃/ジタン(女の生き方)
1978/11/20(0524) 小林旭/北海岸
1978/08/21(0511) 樹木希林/林檎殺人事件(×郷ひろみ)
1978/08/07(0509) 樹木希林/林檎殺人事件(×郷ひろみ)
1978/07/31(0508) あおい輝彦/小麦色のビーナス
1978/07/24(0507) 木の実ナナ/うぬぼれワルツ
1978/07/10(0505) 樹木希林/林檎殺人事件(×郷ひろみ)
1978/07/03(0504) いしだあゆみ/今夜は星空
1978/06/12(0501) 樹木希林/林檎殺人事件(×郷ひろみ)
1978/05/08(0496) 市川染五郎(松本幸四郎)/野バラ咲く路
1978/04/24(0494) 黒沢年男/時には娼婦のように
1978/04/17(0493) 竹下景子/結婚してもいいですか
1978/03/27(0490) 石原裕次郎/昭和たずねびと/夜霧よ今夜もありがとう~赤いハンカチ
1978/03/06(0487) あおい輝彦/バラの渚
1978/01/09(0479) 小川知子/雨の降る街
1977/11/28(0473) 十朱幸代/セイタチアワダチ草/北の子守唄
1977/11/21(0472) いしだあゆみ/港・坂道・異人館 
1977/10/17(0467) あおい輝彦/ジャニスを聞きながら
1977/09/26(0464) あおい輝彦/ジャニスを聞きながら
1977/08/15(0458) 加山雄三/もえる草原/お嫁においで~君といつまでも(×アグネス・ラム)
1977/08/01(0456) あおい輝彦/センチメンタル・カーニバル
1977/07/04(0452) あおい輝彦/センチメンタル・カーニバル
1977/06/13(0449) あおい輝彦/センチメンタル・カーニバル
1977/05/16(0445) 木の実ナナ/紅ほうずき
1977/05/02(0443) 小川知子/ドライブイン物語
1977/04/11(0440) いしだあゆみ/ちょっと淋しい春ですね
1977/04/04(0439) あおい輝彦/Hi-Hi-Hi
1977/03/07(0435) あおい輝彦/Hi-Hi-Hi
1977/02/14(0433) 小林旭/北へ/アキラのダンチョネ節~北帰行~昔の名前で出ています
1977/01/24(0429) あおい輝彦/Hi-Hi-Hi
1977/01/17(0428) 森田健作/兄妹
1977/01/17(0428) 前田美波里/よまいごと
1976/12/20(0424) あおい輝彦/君が優しすぎるから
1976/11/15(0419) 小林旭/昔の名前で出ています
1976/11/08(0418) あおい輝彦/君が優しすぎるから
1976/11/01(0417) 中村雅俊/時
1976/10/18(0415) 坂上二郎/酒場のタンゴ
1976/10/04(0413) 木の実ナナ/愛人
1976/09/13(0410) 黒沢年男/すれちがい
1976/09/06(0409) 木の実ナナ/愛人
1976/08/16(0406) あおい輝彦/あなただけに
1976/07/19(0402) あおい輝彦/あなただけに
1976/05/17(0393) 木の実ナナ/おまえさん
1976/04/05(0387) 大竹しのぶ/みかん
1976/03/01(0382) 木の実ナナ/おまえさん
1975/10/06(0361) 黒沢年男/気がかり
1975/08/25(0355) 加納竜/エロスの海
1975/07/28(0351) 森田健作/はだしの冒険
1975/06/09(0344) 黒沢年男/やすらぎ
1975/05/19(0341) 森田健作/(不詳)
1975/02/03(0326) 森田健作/(不詳)
1975/01/13(0323) 中村雅俊/白い冩眞館
1974/11/04(0313) 中村雅俊/ふれあい 
1974/09/09(0305) 森田健作/両手いっぱいの明日
1974/05/13(0288) 清水章吾/(不詳)
1974/04/08(0283) 坂口良子/青い山脈(×円谷弘之)
1974/02/11(0275) 朝丘雪路/ごめんなさい
1974/01/21(0272) 石橋正次/朝霧の晴れる前に

(補足)このほか歌なしの特別ゲスト扱いで74年4月1日放送に関根恵子、同4月22日放送に多岐川裕美、同5月28日放送に萩原健一がそれぞれ出演。

この時代は何故か俳優陣の出演が少なかったようですが、その中でも「あなただけに」がヒットしたあおい輝彦は、芳村・井上時代前期の常連組の一人として
頻繁に夜ヒットにも顔を出していました。

樹木希林は、当時TBS系で放送されていた「ムー一族」で共演していた郷ひろみとのデュオによる「林檎殺人事件」で1978年に4回出演。ザ・ベストテンは司会の黒柳徹子の扮装を真似たりしたことがあったそうですが、夜ヒットではそういった意表をついた扮装はなかったようです(笑)。黒柳徹子は「玉ねぎヘア」という特徴的なヘアスタイルゆえに真似しやすかったかのでしょうが、夜ヒットの場合では、芳村真理は毎回ヘアスタイルも衣装も全然趣を替えて登場していたので、さすがに「真似するのは無理だ」と判断したんでしょうかね・・・。

また、この後も夜ヒットには多く出演した中村雅俊もこの時代に初出演。初期の頃はドラマでの役柄の雰囲気そのままにベルボトムジーンズに下駄というなんともラフな姿で番組に登場することが多く、華美な衣装を身に纏った歌手たちの中でも一際異彩を放っていました。夜ヒット最終回の際、中村本人は「とても緊張した」と、夜ヒット出演時の心情を回顧していましたが、芳村真理からはそのラフな風貌ゆえに「とても緊張しているようには見えなかった」と評されていたのを思い出します。

夜ヒットを彩った俳優たち<4> 1979年-1981年

2007-03-11 | 夜のヒットスタジオ/番組史
1981/12/14(0683) 時任三郎/川の流れを抱いて眠りたい
1981/11/30(0682) 薬師丸ひろ子/セーラー服と機関銃 
1981/11/23(0680) 烏丸せつこ/JINX(ジンクス)
1981/10/26(0676) 宮崎美子/NO RETURN
1981/10/26(0676) 時任三郎/川の流れを抱いて眠りたい
1981/10/26(0676) 宮内洋/君に捧げるほろ苦いブルース
1981/10/05(0673) 水谷豊/レモンティーで乾杯
1981/09/14(0670) 西田敏行/もしもピアノが弾けたなら
1981/08/24(0667) 真田広之/青春の嵐(ハリケーン)
1981/08/17(0666) 桃井かおり/メイク23秒
1981/08/10(0665) 長山藍子/夢の彼方に港町
1981/07/06(0660) 西田敏行/もしもピアノが弾けたなら
1981/06/22(0658) 柴田恭兵/なんとなくクリスタル
1981/06/15(0657) 杉良太郎/めぐり逢いふたたび
1981/06/08(0656) 西田敏行/もしもピアノが弾けたなら
1981/06/08(0656) 多岐川裕美/彼女と彼
1981/05/25(0654) 寺尾聡/ルビーの指環
1981/05/11(0652) 水谷豊/真夜中のスウィング
1981/05/04(0651) 杉良太郎/めぐり逢いふたたび
1981/04/06(0647) 寺尾聡/ルビーの指環
1981/03/16(0644) 木の実ナナ/夜のパントマイム
1981/03/09(0643) 桃井かおり/バイバイ子守唄
1981/02/23(0641) 寺尾聡/ルビーの指環、ほか
1980/11/17(0627) 多岐川裕美/酸っぱい経験
1980/09/08(0617) 小林旭/あざみ白書
1980/08/11(0613) ジュディ・オング/麗華の夢
1980/07/28(0611) 松坂慶子/夜明けのタンゴ
1980/07/14(0609) 根津甚八/Far Away
1980/07/07(0608) 木の実ナナ/砂の城
1980/07/07(0608) 竹下景子/(不詳)
1980/06/23(0606) ジュディ・オング/麗華の夢
1980/06/09(0604) 松坂慶子/夜明けのタンゴ
1980/05/19(0601) ジュディ・オング/麗華の夢
1980/05/12(0600) 大地真央/マイ・ジュエリー・ラブ
1980/05/05(0599) 水谷豊/あす陽炎
1980/04/28(0598) 松田優作/YOKOHAMA HONKEY TONG BLUES/白昼夢/BONY MORINE
1979/12/24(0581) ジュディ・オング/魅せられて 
1979/11/12(0575) 国広富之/(不詳)
1979/11/05(0574) 杉良太郎/すきま風
1979/10/29(0573) 松坂慶子/愛の水中花
1979/09/10(0566) 松坂慶子/愛の水中花
1979/07/09(0557) ジュディ・オング/魅せられて
1979/06/04(0552) 萩原健一/大阪で生まれた女(×井上尭之・柳ジョージ)
1979/05/21(0550) ジュディ・オング/魅せhられて
1979/05/21(0550) あおい輝彦/サマー・エンジェル
1979/05/14(0549) 黒沢年男/紫すみれ
1979/04/09(0544) 夏木マリ/さよならの鐘
1979/03/26(0542) 鳳蘭/ベルサイユのばら
1979/03/05(0539) 安奈淳/たとえば/愛あればこそ(×郷ひろみ・西城秀樹・野口五郎)
1979/02/12(0536) あおい輝彦/北アルプス

丁度この頃あたりから、俳優の歌う曲の中でもベストテンに何週もランキングされるような大ヒット曲が多く登場するようになりました。
ジュディ・オングの「魅せられて」、寺尾聡の「ルビーの指環」はそれぞれ1979年度・1981年度の日本レコード大賞に輝き、老若男女誰しも知っている国民的ヒット曲となりました。また、この他にも「西遊記」「サンキュー先生」「池中玄太80キロ」「おんな太閤記」などの話題のドラマによって、その三枚目的キャラクターが人気を集めた西田敏行の「もしもピアノが弾けたなら」も「三枚目が表現する小洒落た世界観」が広く親しまれ、これも1981年を代表する大ヒット曲となりました。
これらの俳優が歌う曲の爆発的ヒットを背景として、以降、前述のように数多くの俳優が自らの主演映画・ドラマの主題歌を担当するという慣例が徐々に確立されるようになりました。

しかしながら、この時代の俳優陣からの出演者で一番衝撃的であったのはやはり80年4月28日放送に登場した松田優作でしょうか。
この回では「YOKOHAMA HONKEY TONG BLUES」を始めとして3曲を披露。当時の彼の主演ドラマ「探偵物語」の雰囲気をそのまま歌の中に持ち込み、何とも「ワイルドさ」が際立ったステージング。本職歌手ではまず成立しない、「俳優であるからこそ成立しうるステージング」と言っても過言ではなかったと思います。歌を「歌う」のではなくて、「演じる」という姿勢で彼はこの時の夜ヒットにも参加していた、という気がします。

それから9年後、彼は39歳の若さで壮絶な闘病の末に亡くなってしまいましたが、この夜ヒットでのシーンは彼が死去して程なくの夜ヒットでも追悼の意を込めて再びフルコーラスで再放送され、彼と親交の深かった当時の司会者の加賀まりこが悲しみの余り大泣きしながら哀悼のメッセージを述べていたのが今でも思い出されます。

夜ヒットを彩った俳優たち<3> 1982年-1984年

2007-03-11 | 夜のヒットスタジオ/番組史
1984/11/05(0832) 原田知世/天国にいちばん近い島
1984/10/22(0830) 三浦友和/ミッドナイト・スペシャル
1984/10/08(0828) 志穂美悦子/(不詳、×萩本欽一ほか「欽ちゃんファミリー」)
1984/10/01(0827) 舘ひろし/泣かないで
1984/10/01(0827) 原田知世/天国にいちばん近い島
1984/09/24(0826) 松坂慶子/志穂美悦子/ウェルカム上海
1984/09/03(0823) 舘ひろし/泣かないで
1984/08/13(0820) 中井貴一/噂のルーズガール
1984/08/06(0819) 荻野目慶子/地球はララバイ
1984/07/16(0816) 竹下景子/ケイスケ
1984/07/02(0814) 薬師丸ひろ子/メイン・テーマ
1984/06/25(0813) 原田知世/愛情物語
1984/05/21(0808) 十朱幸代/<不詳>
1984/04/30(0805) 芦屋雁之助/娘よ
1984/04/23(0804) 藤真利子/危険な眠り
1984/04/23(0804) 黒沢年男/叶和貴子/東京砂漠のかたすみで
1984/04/16(0803) 小川知子/忘れていいの-愛の幕切れ-(×谷村新司)
1984/04/09(0802) 中井貴一/青春の誓い
1984/04/02(0801) 風間杜夫/100℃でHEARTBREAK
1984/03/12(0798) 小川知子/忘れていいの-愛の幕切れ-(×谷村新司)
1984/01/23(0791) 多岐川裕美/あいたいよ
1984/01/09(0789) 真田広之/愛の轍
1983/12/19(0787) 十朱幸代/(不詳)
1983/11/14(0782) 原田芳雄/(不詳)
1983/10/31(0780) 松坂慶子/海と宝石
1983/10/31(0780) 伊武雅刀/子供達を責めないで
1983/08/22(0770) 風間杜夫/夏も泣いている
1983/08/15(0769) 中村雅俊/瞬間の愛
1983/08/08(0768) 岸本加世子/心が…
1983/08/01(0767) 荻野目慶子/愛のオーロラ
1983/07/18(0765) 梅沢富美男/夢芝居
1983/07/11(0764) 荻野目慶子/愛のオーロラ
1983/06/27(0762) 根津甚八/エトランゼ
1983/06/06(0759) 原田知世/時をかける少女
1983/05/30(0758) 薬師丸ひろ子/探偵物語
1983/05/23(0757) 中村雅俊/燃える囁き
1983/05/23(0757) 渡辺徹/AGAIN 
1983/05/02(0754) 原田知世/時をかける少女
1983/04/25(0753) 多岐川裕美/神戸メランコリー
1983/04/04(0750) 広田玲央奈/だいじょうぶマイ・フレンド(×乃生佳之・加藤和彦)
1983/03/14(0747) 木の実ナナ/居酒屋(×五木ひろし)
1983/03/07(0746) 樋口可南子/(不詳)
1983/02/28(0745) 寺尾聡/Long distance Call(長距離電話)
1983/02/21(0744) 鮎川いずみ/冬の花
1983/01/24(0740) 渡辺徹/愛の中へ
1983/01/10(0738) 中村勘三郎(17代目)<特別ゲスト>
1982/12/06(0734) 草刈正雄/(不詳)
1982/12/06(0734) 火野正平/北風の中…
1982/11/29(0733) 世良公則/TOKYO指紅
1982/11/22(0732) 西郷輝彦/風は南風
1982/11/08(0730) 中村雅俊/恋人も濡れる街角
1982/11/01(0729) 松坂慶子(/風間杜夫/平田満/萩原流行/石丸謙二郎)/蒲田行進曲
1982/11/01(0729) 世良公則/TOKYO指紅
1982/10/11(0726) 十朱幸代/(不詳)
1982/09/27(0724) 高樹澪/ダンスはうまく踊れない
1982/09/13(0722) 桃井かおり/ねじれたハートで(×来生たかお)
1982/08/30(0720) 真田広之/哀愁セイリング
1982/08/23(0719) 高樹澪/ダンスはうまく踊れない
1982/08/16(0718) 桃井かおり/ねじれたハートで(×来生たかお)
1982/08/16(0718) 竹下景子/(不詳)
1982/08/02(0716) 古手川祐子/煙草
1982/07/19(0714) 三浦友和(AGAPE HOUSE)/Windy Night
1982/07/19(0714) 多岐川裕美/黒のオートバイ
1982/05/31(0707) 三浦友和(AGAPE HOUSE)/マイ・ウェイを口ずさみながら/Windy Night
1982/03/29(0698) 松平健/紙の指輪
1982/03/22(0697) 萩原健一/ハロー・マイ・ジェラシー
1982/03/08(0695) 中野良子/眩 MIND
1982/02/01(0690) 中村雅俊/心の色
1982/01/11(0687) 竹下景子/モーニング・コール

石原プロの若きエースとして「西部警察」の鳩村刑事役が当り役となった舘ひろし、「必殺」シリーズでの「何でも屋の加代」役が人気を博した鮎川いずみ、「太陽にほえろ!」のラガー役で人気を集めた渡辺徹、角川映画・第2のヒロインとして「時をかける少女」に主演し一躍人気女優となった原田知世、長い下積みを経て映画「蒲田行進曲」で注目され「スチュワーデス物語」での教官役で人気を確かなものとした風間杜夫、などなど話題の個性派・実力派の男優・女優が歌手として数多く初出演したのがこの時代。

特に印象的なのは1983年10月31日放送に出演した伊武雅刀。彼がこの時に披露した「子供達の責めないで」は子供の行動傾向をまるで独裁者の演説の如く、ひたすら絶叫しながら罵りまくるというかなり過激な内容の歌(歌というより、音楽の上に語りが付け加えられている、と表現したほうが適切かもしれませんが・・・)。視聴者からも放送後、この歌の内容や歌唱(事実上は語り)のスタイルに対して賛否両論があったようです。

また、以前CS・フジテレビ721でも再放送されていましたが、三浦友和は「AGAPE HOUSE」というバンド名義で「Windy Night」を披露しました。
彼は俳優になる前には忌野清志郎らと共にアマチュア時代の「RCサクセション」に参加していたという意外な経歴の持ち主。夜ヒットでも確かな音楽の腕前を披露しました。ただ、この当時、映画での役作りのために角刈り頭であったためにギターを演奏しながらニューミュージック調の歌を披露している姿が一部視聴者にはかなり滑稽に映ったらしく、当時の人気深夜ラジオ番組「ビートたけしのオールナイトニッポン」でもネタとしてよく投稿されていたらしいです。

また、これも以前のCS再放送シリーズでも放送されていたシーンですが、「52歳の新人」として話題となった関西喜劇の大御所・芦屋雁之助による「娘よ」のシーンも、なかなか印象的でした。花嫁姿の女性モデルが後ろ向きで椅子に座り、彼が茶色い羽織袴姿で、その花嫁役の女性モデルに切々と語りがけるような感じでこの曲を歌ったというもので、夜ヒットでこの曲が披露されたのはこの1回のみではあったものの、他の歌番組での演出以上にシンプルながらも、最も歌の世界に忠実で、視聴者への訴えかけるものが大きかったように思います。