【ロンドン=大西康平】ロシアのウクライナ各地へのミサイル攻撃が相次いでいる。ウクライナ大統領府のクレバ副長官は15日、ウクライナの西部や東部で計4人が死亡したと明らかにした。そのうち3人はスウェーデンのベアリング大手SKFが経営する西部ルツクの工場で勤務していた従業員だった。
ロイター通信によると、SKFはウクライナで約1100人の従業員を雇用し、多くがルツクの工場で働いている。同工場の生産量は同社全体の約0.5%を占めているとみられる。SKFの広報担当者は「当社の工場が攻撃を受けた。同僚が亡くなったことを確認し、非常に残念だ」と話しているという。
ウクライナ空軍も15日、ロシア軍が同日未明に少なくとも28発の巡航ミサイルを発射し、うち16発を撃墜したと明らかにした。東部ドネツク州のクラマトルスクでは食料の保管倉庫が攻撃された。1人が死亡、1人が負傷した。
西部リビウの市長も15日、ロシアの攻撃で合わせて100棟以上の家屋が損壊し、幼稚園や大学といった教育機関にも被害が出たと通信アプリ「テレグラム」に投稿した。地元メディアは2022年2月のロシアのウクライナ侵攻以来、リビウに対する最大規模の空襲だったと報じているという。
日経記事 2023.08.16より引用