Renaissancejapan

哲学と宗教、財閥、国際政治、金融、科学技術、心霊現象など幅広いジャンルについて投稿しています

LVMH (ロスチャイルドGr)

2022-09-08 16:28:30 | 国際政治・財閥

 

 

LVMH (ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー)社は、1987年に伝統を誇るルイ・ヴィトン社と高級ブランデー・ワインメーカーのモエ・ヘネシー社が合併した会社です。  

LVMH社の事業はいずれの分野も歴史と伝統を誇る企業として知られています。その事業を大別すると以下の5部門になります。

①ワイン・スピリッツ部門
➁ファッション・レザーグッズ部門
③フレグランス・コスメティックス部門
④ウォッチ・ジュエリー部門
⑤セレクティブ・リテーリング部門



それぞれが独自の歴史を持つ老舗企業で構成され、そこで扱う商品のほとんどが有名な銘柄というのが特徴です。
傘下の主な企業をみてみると、モエ・エ・シャンドン社(創業1743年)、ヘネシー社(同1765年)、ヴーヴ・クリコ・ポンサルダン社(同1772年)などがあり、これらの酒造企業は18世紀にませさかのぼることが出来ます。


またゲラン社(同1828年)、ポメリー社(同1836年)、ロエベ社(同1846年)などは19世紀に生まれ、さらに20世紀に入ってからの企業も、クリスチャン・ディオール社(同1946年)、セリーヌ社(同1947年)、ジバンシー・クチュール社(同1952年)、セフォラ社(同1973年)など、有名ブランドが続きます。


これはほんの一部で、すでに40社以上がLVMH社に加わり、それぞれの高級ブランド・イメージを大切にしながら戦略的にマーケッティングを展開しています。

それら多くの由緒ある企業の中でも、世界初の旅行カバン専門店として知られるルイ・ヴィトン社は、社名にもなっているようにその代表的な存在です。 


第一の理由は、設立年が1854年と古いこと。 第二には、絶えず品質改善・技術革新に意を注いできたこと。 そして第三には、現在でも多くのユーザーの支持を獲得し、その高級ブランド・イメージを確立していること、などの諸点を備えているからです。



創業者ルイ・ヴィトンは、1821年、スイス国境に近いジュラ山脈の山村で粉屋の息子として生まれました。
14歳の時に村を出て各地で働きながらパリを目指し、2年の放浪の末、パリにたどり着き、荷造り用木箱製造兼荷造り職人の見習いになりました。 

そこで腕を磨いた彼は、やがて貴婦人たちが旅行に携帯するドレス用木箱などを工夫してつくり、それが好評を博すようになりました。 彼はこうして顧客を獲得し、1854年、ようやく「花の都」として体裁を整えつつあったパリのヴァンドーム広場近くに独立した店「ルイ・ヴィトン」を持ちました。



彼の非凡な仕事ぶりは、当時では考えられなかった皮よりも軽い防水性キャンバス地を素材に活用したり、積み上げやすいようにトランクの蓋を丸いものから平らなものに変えたり、トランクにドレス用スペースと身の回り品を納める仕切りを施すなどお改善を加えたことなどにみてとることが出来ます。

 それらは、上流階級の間で当時始まっていた鉄道や船を利用した大旅行ブームに、うまく適応しました。



今は高級ブランドの代表のようにみられ、ファッションのセンスが評価されているルイ・ヴィトンのバッグ類も、当初は、商品の機能性や実用性から人気が高まったということは興味深いことです。

創業者のモノづくり・技術革新への意欲は、その後も子のジョルジュ(1857-1936)、孫のガストン(1883-1970)、そして現・5代目パトリック(1951-)へと連綿と受け継がれています。



しかし、いつの世もそうですが、評判が広がると、ルイ・ヴィトン社は偽物の横行に手を焼くようになります。ジョルジュは試行錯誤を重ねた結末、1896年、当時すでに確立していたデザインを、現在見るようなLVマークの入った複雑なものへと一新しました。 

これは「モノグラム」と呼ばれる柄で、今日までその人気を維持しています。 そのコンセプトでユニークなところは花のモチーフをあしらっている点ですが、これは19世紀末のパリ万博をきっかけに、フランスをはじめヨーロッパ中で広がったジャポニズムの影響がみられるといいます。



創業から今日まで、記事の開発、バッグの使い勝手の工夫、安全性、デザインの斬新さなど、職人気質に裏付けられたモノづくりの基本を、ルイ・ヴィトン一族は維持してきました。




多くのブランドを傘下におさめるアルノー路線

ところで、このような由緒ある名門を企業ルイ・ヴィトンとモエ・ヘネシーを統合させ、高級ブランド複合企業を築いたのが、ベルナール・アルノー(1949-)です。

1989年からLVMH会長の座にあるアルノーは、フランスのベルギー国境に近いリール市郊外に生まれ、エリート校・ポリテクニーク校(理工科大学)を卒業し、建設・不動産会社にエンジニアとして入社。 



やがて頭角を現したアルノーは、29歳の若さで社長に抜擢され、6年ほど企業経営の実際にあたりました。
その後、1984年にまずクリスチャン・ディオールを傘下に持つ持ち株会社フィナンシェール・アガッシュ社の経営に参画して立て直しに成功。 

その余勢を駆って、1987年にはセリーヌ、翌年にはジバンシーを買収しました。以降、毎年のように著名ブランド企業を買収・取得し続けてきました。



同会長は、アメリカでTOBやM&Aなどなどの企業買収による規模拡大策を学びましたが、その一方で、ヨーロッパ。特にフランスの伝統ある種々のファッション・グッズの良さに目覚めたのでしょう。 

1993年には、デザイナー高田賢三の運営する「ケンゾー」を買収しています。さらに1999年には高田のファッション界からの引退を機に、パリにあったオフィスも取得しました。



その他、、高級時計メーカーのタグ・ホイヤー(スイス)や宝石や時計で知られるショーメ(フランス)なども買収。 また、イタリアの著名ブランド企業プラダの株を買い増し、2001年にはフェンディ社株を51%取得することに成功し、子会社化しました、




グッチの買収に失敗

アルノー会長は、LVMH社グループの使命を「フランスをはじめヨーロッパのもっとも洗練された生活芸術の提供」としており、この考えに従えば、著名ブランドの相次ぐ買収に意欲を示すのも納得いきます。

しかし、イタリアを代表する高級服飾ブランド、グッチの買収をめぐる抗争はついに裁判沙汰にまで発展。 アルノー会長およびLVMH社はグッチの買収に熱意を示し、1999年以来、株の取得に取り掛かりました。 



一時はその34%を占めましたが、敵対的な買収を嫌ったグッチ側が、クリスティーズやプランタン、イブ・サンローランなどを傘下に持つピノー・プランタン・ルドート(PPR)にそれ以上の株の取得を依頼しましたのです。

ちなみにPPRを率いるフランソワ・ピノー(1937-)は、アルノー会長のライバルと目されており、財界のリーダーの一人でもありす。 結局、3年余り執念を燃やしたグッチ買収は、2001年に断念することになりました。




Eコマースや免税店事業にも進出

LVMH社およびアルノー会長の戦略のなかで特筆すべきは、インターネットを活用したEコマース(電子商取引)への意欲で、たとえばオンライン上でのいくつかのグッズ販売も試行しています。 

そのために、現在、約40のネット関連投資を行い、新しい時代を切り拓こうとする姿勢は高く評価されています。



一方、グループ各社の商品を一部の良事業に限らず、広く身近なものとして購入してもらうために、1997年、アジア太平洋地域に約150の店を持つ免税店(DFS)をグループ入りさせました。シンガポールなどでブランド品を買った店が、実はLVMH社の店だったというわけです。 

現在、アルノー会長の事業は、全部で50にも及ぶ著名なブランドをだ返ることになり、その販売地域はフランスをベースにヨーロッパ、アメリカ、アジア・日本と広がっています。直営店だけでも全世界に約1300店をもち、その販売網が売り上げる金額は、右肩上がりに伸びて、約122億ユーロ(2001年)に達しています。



なかでも今後を期待されている地域が日本を含むアジア・マーケットで、この地域は現在、全売り上げの31%を占めています。


既にみてきたように、LVMH社の試みは着実に成功しています。となると当然のことながら、会長のアルノー個人の資産も膨れ上がることになります。2001年の段階で、資産の総額は70億ドルに及び、いまた世界で36番目の大富豪、つまりブランド財閥となっています。 




ちなみに、世界での、株価時価総額(2022年1月)ランキングでは、
1位 Apple       28,281.9  億ドル
2位 Microsoft       23,584,4
3位 Saudi Aramco   18,878.9
4位 Alphabet           18,214.5
5位 Amazon.com    16,352.9

17位 LVMH     4,134.3

31位 TOYOTA    2,807.5 

で、USD=144円(2022.9.6の為替レート)
で計算すると、LVMH=59.53兆円=約60兆円となります。 





・オッペンハイマー財閥(ロスチャイルドGr)https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/634f09002ee4f04d6579f260a5e86757

・デュポン財閥
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/5226329b578cb7902e701c57de715b54

 





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

哲学・宗教・思想 ここまでの投稿記事一覧
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/7da98797504886d8b9eaa2e5936655e6

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ロスチャイルド財閥 今まで投稿してきた記事リスト (1/3)
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/1f87a836a42cfdcf5bc18c8a5e212fe5

ロスチャイルド財閥 今まで投稿してきた記事リスト (2/3)
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/40a30f12de3651f13810a90405370238

ロスチャイルド財閥 今まで投稿してきた記事リスト (3/3)
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/47e334f8ba710639aefdcc8d7824f9fa

ロスチャイルド財閥-163  ロスチャイルド財閥について今まで投稿してきた記事一覧https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/fedeabe97fbe342e880f7195d00dabec

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

世界の財閥 ここまでの投稿記事リスト
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/14d30c37bfae00d834c78d49da070029

日本の財閥 ここまでの投稿記事リスト 
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/6958fc72746302160416dd6dad039f68

ゴールドマン・サックス ここまでの投稿記事リスト
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/0b4c5b8ba383a38e0af1df7b1a477ea3

Black Rock ここまでの投稿記事リスト
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/93ef8de49c1ff9039ce7446f1f3fb0e8

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
フリーメーソン・イルミナティ・秘密結社 ここまでのまとめ
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/d52e37f7e9a7af44f93554ed333744b3
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。