トランプ氏㊨はハリス氏との討論会について、9月4日に開くことでFOXニュース合意したと一方的に発表した=AP
【ワシントン=坂口幸裕】
米共和党のトランプ前大統領は11月の大統領選を戦う民主党のハリス副大統領との討論会を巡り、9月4日の開催で米保守系FOXニュースと合意したと明かした。
親しい司会者が多いテレビ局の主催で議論を優位に展開できるとの期待は、ハリス氏への警戒感を映す。
2日深夜に自身のSNSで討論会は激戦州の東部ペンシルベニア州で実施するとも書き込んだ。一方、米ABCテレビ主催で9月10日に開くと決まっている討論会について「中止になった」と一方的に主張した。
理由に関しては、ABCの討論会は選挙戦を撤退したバイデン大統領との論戦が前提だったと説明。ABCの司会者と係争中で「利害対立が生じる」と唱えた。
ハリス氏は反応した。3日正午にX(旧ツイッター)で「『いつでも、どこでも』が特定の時間、特定の安全な場所になるのは面白い」と投稿した。
大統領在任中にトランプ氏寄りの報道を続けたと指摘されるFOXニュースでの開催にこだわる同氏を皮肉った。
ABCの討論会にも触れ「(以前に)彼が同意したように、私は9月10日に出るつもりだ。彼に会えるのを願っている」と書いた。
米メディアによると、ハリス陣営は3日の声明で「ドナルド・トランプはおびえている」と記した。
「彼は駆け引きをやめて、すでに約束した9月10日の討論会に出席する必要がある。出てくるのが怖くなければ何の問題もないはずだ」と挑発した。
トランプ氏は午後1時41分、SNSに再び投稿した。「ハリスは他国の指導者たちに太刀打ちできないIQ(知能指数)の低い人物だ。彼女は9月4日に私と討論することさえ望んでいない」と決めつけた。
その6分後には「私と討論をする精神力を持っていない。史上最悪の副大統領」と断じた。
「破綻した国境の開放、制御不能のインフレ、ひどい経済を正当化することなどできない」とも書き込んだ。
大統領候補者によるテレビ討論会は有権者の注目を集め、過去の選挙戦でも結果を左右してきた。
6月27日の第1回の討論会(CNNテレビ主催)で、バイデン氏はトランプ氏の虚偽の発言に反論できなかったり言いよどんだりして酷評された結果、撤退を余儀なくされた。
ハリス氏は弁舌に定評がある。連邦議会の上院議員時代の公聴会でトランプ政権高官や連邦最高裁判事に指名された候補を厳しく追及し、存在感を示した。
大統領選では検事出身の強みを生かし、有罪評決を受けたトランプ氏を「犯罪者」と追及して対立構図を浮かび上がらせる戦略を描く。
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