岸田文雄首相は21日、今国会の閉幕(23日)を前にして記者会見に臨んだ。
年金受給者や低所得者に追加の給付金を検討する意向を示した。秋に経済対策の策定を目指す。
物価高対策としてガソリンなど燃料の価格上昇を抑える補助金について「年内に限り継続する」と表明した。電気・ガス料金も8〜10月の3カ月分を補助する。
「具体的な内容を早急に与党と調整する」と説明した。
あわせて日本のエネルギー構造の脆弱性を指摘し、年内に国家戦略を策定して対応すると強調した。安全が確認された原発を速やかに稼働させる方針だ。
小型モジュール炉(SMR)などへの投資を確保する仕組みを検討する。
政治資金問題「一歩前に出る思いで決断」
自民党派閥の政治資金問題を巡り「私自身が一歩前に出るとの思いで派閥解消や衆院政治倫理審査会への出席などを決断した」と話した。
政治資金規正法の改正を「再発防止の徹底と政治資金の透明性拡大、民主主義のインフラである政治資金の適切な確保という2つのバランスをとる難しい作業だった」と振り返った。「制度の詳細についても結論を出すべく取り組みを進めたい」と付け加えた。
「政策活動費の透明性の強化や監査のための第三者機関の設立は今後早急に内容具体化の協議を進める」と訴えた。
党総裁選への出馬意向「先送りできない課題にまず取り組む」
自民党総裁選への出馬意向を問われ「先送りできない課題にまずは取り組み、仕事で結果を出すこと以外については考えていないと申し上げてきた」と語った。
「それについては今も変わっていない」と答えた。
能登半島地震の復旧・復興へ「省庁横断的な国の支援拠点を開設する」と明かした。
政府は常駐する職員を100人超に拡大した「能登創造的復興タスクフォース」を7月1日に発足させる。
首相は国会閉会後に首脳外交に取り組む。7月の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議や東京での「太平洋・島サミット」、8月の中央アジア5カ国との首脳会合に出席する意向を示した。
憲法改正「考える機会の提起は政治の責任」
憲法改正に言及した。「国家の根幹を規定する基本法の憲法について時代の要請にこたえて、改正を考える機会を国民に提起することは政治の責任だ」と述べた。
日経記事2024.06.21より引用