バイデン氏は討論会から一夜明けた28日、南部ノースカロライナ州で演説した=AP
【ワシントン=坂口幸裕】
米民主党のバイデン大統領は28日、共和党のトランプ前大統領と戦う11月の大統領選について「この選挙に勝利するつもりだ」と述べた。
選挙戦を継続する意向を表明し、27日の第1回テレビ討論会を受けて民主内で浮上した指名候補の交代論を打ち消した。
南部ノースカロライナ州の演説で発言した。27日に開かれたトランプ氏との討論会で不明瞭な発言を繰り返した。時折声がかすれ、言葉に詰まった。
2期目を全うすれば86歳になるバイデン氏の高齢不安が一段と強まる可能性がある。
バイデン氏は28日の演説で「ここに来た理由のひとつは11月にこの州で勝利するつもりだからだ」と表明した。
米リアル・クリア・ポリティクス(RCP)が集計した現時点の世論調査の平均によると、激戦7州のひとつである同州でトランプ氏の支持は48.5%で、41.8%のバイデン氏が追う展開だ。
演説では「私は若くはない。以前ほどうまく歩けないしスムーズに話せない。討論も以前ほどうまくはできない」と認めた。
一方「私は真実を伝える方法を理解し、善悪の区別がつく。この仕事のやり方も物事を成し遂げる方法も知っている」と強調した。
23年4月に正式表明した再選をめざす大統領選への出馬について「この仕事ができると心から信じていなければ、再び立候補しなかっただろう」と訴えた。
演説では声がかすれ、せきをする場面もあったとはいえ、27日に比べると声に力強さが戻った。
5月に有罪評決を受けたトランプ氏について「この国にとって文字通り脅威だ。自由、民主主義、米国が掲げるものすべてに対する脅威だ」と断じた。
「我々は民主主義を維持し、守る」と話した。
トランプ氏は南部バージニア州で演説し「昨夜、我々の国を破壊しようとしている男に大勝利した」と語った。
バイデン氏が望んだCNN主催で同局のアンカーが司会者を務めた経緯に触れ「弁護の余地はない」「彼は著しく無能だ」とまくし立てた。バイデン氏が選挙戦から離脱するとの見方は否定した。
米メディアは精彩を欠いたバイデン氏の討論を踏まえて民主内で候補の差し替え論が出たと報じた。
米CNNテレビが27日の討論会の直後に発表した世論調査によると、トランプ氏が勝利したとの回答は67%、バイデン氏は33%だった。
想定外の苦戦に民主内は浮足立つ。ロイター通信によると、ジム・マクガバン下院議員はバイデン氏以外の候補を擁立すべきかと問われ「結論は出ていない」と述べた。
ただ、バイデン氏が候補者指名を辞退すべきだとの声は大勢にはなっていない。
下院民主トップのジェフリーズ院内総務は28日、バイデン氏が撤退すべきかと問われ否定的な考えを示した。
西部カリフォルニア州のニューサム知事も「(撤退は)不要だ」と明言。「一度のパフォーマンスで背を向けることはない」と唱えた。
オバマ元大統領もX(旧ツイッター)に「今回の選挙は庶民のために生涯をかけて戦ってきた人物と、自分のことしか考えていない人物の選択であることに変わりない」とバイデン氏を擁護した。
「バイデン下ろし」のハードルは高い。大統領選を戦う民主候補を選ぶ予備選はすで終了し、バイデン氏が代議員の大半を獲得して指名が確定した。同党の規則では同氏が立候補を断念しない限り、代議員はバイデン氏に投票する義務がある。
民主は8月19〜22日の党大会の前にオンライン経由でバイデン氏を党候補に正式指名する計画だ。正式に選ぶ前にバイデン氏が辞退すれば、代議員は別の候補者に投票できる。
民主には苦い教訓がある。1968年大統領選で現職だったジョンソン大統領は勝算がないと判断して同3月に党の指名候補争いから撤退すると表明し、再選を断念した。
代わって党候補になったハンフリー副大統領は11月の本選で、共和のニクソン氏に敗れた。
仮にバイデン氏が出馬を見送る決断をしても民主内に衆目が一致する候補は見当たらず、候補者乱立で党内が分裂して共和を利する結果になるとの懸念もある。
11月5日投開票の大統領選まで残り4カ月あまり。民主はジレンマに陥っている。
![バイデン政権](https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Farticle-image-ix.nikkei.com%2Fhttps%253A%252F%252Fimgix-proxy.n8s.jp%252Ftopic%252Fog%252F20121600-3.jpg%3Fixlib%3Djs-2.3.2%26auto%3Dformat%252Ccompress%26fit%3Dmax%26ch%3DWidth%252CDPR%26s%3D462a70d627b872811f738c78bdbcc197?ixlib=js-3.8.0&w=380&h=237&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&crop=faces%252Cedges&s=b80f3eb8b2523031ce418f689168a1f5)
アメリカの「バイデン政権」に関する最新ニュースを紹介します。その他、日米関係や米中対立、安全保障問題なども詳しく伝えます。
日経記事2024.06.29より引用
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アメリカの歴史始まって以来の、ボケが始まった老人同士の大統領選。 あまり無理させすぎると、血圧が上がって脳出血でもするのではないかと、余計な心配してしまいます。
確かに、一般人に比べれば年齢の割には元気だけどね。
・米大統領選討論会、すれ違い90分 物価・移民互いに批判
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/0f745d3ff75b24d66f20674f2bf0a544