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福島第1原発のデブリ採取、8月にも着手 廃炉へ成分分析

2024-05-30 23:37:23 | 環境・エネルギー、資源


デブリの試験取り出しに使う釣りざお式装置(代表撮影)

 

東京電力ホールディングス(HD)は30日、福島第1原子力発電所2号機の溶融燃料(デブリ)の試験的取り出しに8月にも着手すると発表した。

堆積物の除去や機材の準備が整ったと説明した。3度延期しており、実施できれば3年遅れとなる。

 

10月までに着手する予定だったが「8月から10月ごろ」に時期を具体化した。早ければ7月にも福島第1原発に装置を設置する。

東電HDで廃炉の責任者を務める小野明執行役副社長は「引き続き周辺環境に影響を与えることのないよう、安全を最優先かつ慎重に作業を進めていく」と述べた。

 

2011年の原発事故で福島第1原発1〜3号機は炉心溶融(メルトダウン)を起こした。核燃料が溶け落ちて炉内の構造物と混ざったのがデブリだ。1〜3号機で約880トンあると推計されている。

当初は2021年に実施する予定だった。折り畳み式の「ロボットアーム」を遠隔操作してデブリを取り出す計画だったが、機材の開発が遅れた。貫通部をふさぐ大量の堆積物も見つかり、延期を余儀なくされた経緯がある。

 

デブリは放射線量が極めて高く人が近づくことができない。原子炉格納容器内の放射線が外部に漏れないようにするため、一度に大量のデブリを採取することも難しい。

今回はアームよりも細い釣りざお式装置で採取する。28日には装置の製作や動作の確認を進めてきた三菱重工業の神戸造船所(神戸市)で、実寸大の原子炉に見立てた模型で実験した様子を公開した。

 

東電によると格納容器の底に向けて釣りざお装置から3〜4メートルほどケーブルを垂らし、先端に取り付けた爪状の器具でデブリをつかむ。採取できるのは3グラム以下という。

1人当たりの作業時間を短縮し、作業員の放射線への影響を抑える必要もある。作業の開始からデブリの試験的取り出しまではおよそ2週間かかる見込みだ。

 

 

採取できればデブリの分析をし、取り出し機械の大型化など廃炉作業に生かす。東電はより広い範囲で採取可能なロボットアームでの試験的取り出しの着手を24年度中に目指す。

岡本孝司・東京大教授(原子力工学)は「試験的取り出しは、廃炉に向けた第一歩だ。デブリの成分やどのように溶けて固まったのかなど全体を推定できる」と話す。

 

 

国などは福島第1原発の廃炉について事故の発生後30〜40年かかるとしている。880トンにも上る高レベルの放射性廃棄物であるデブリをどう除去していくか全体像は見えない。

デブリを取り除かなければ原子炉建屋は解体できない。

 

冷却水や雨水がデブリと接触して放射性物質を含むことで汚染水の発生源ともなっている。

東電は浄化処理して放射性物質を基準以下にした処理水の放出を23年8月に開始したが、デブリが残れば処理水は発生し続ける。

 

国の廃炉計画の実現は難しいとの見方がある。日本原子力学会のなかには100年以上の期間がかかるという意見もある。旧ソ連のチェルノブイリ原発事故では廃炉を断念し、建屋ごとコンクリートで覆う「石棺」方式を採用した。

飛散した放射性物質によって汚染された土壌やがれきの処理の課題も残る。政府は45年までに福島県外に運ぶ約束をしているが、行き先は決まっていない。

 

 

 
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