月は東に

Get Out Of That Rut & Savor Life

『ペテン師と詐欺師』@愛知厚生年金会館・11/19マチネ 1F-W-11・12

2006-11-26 02:55:36 | Stage Review
やっぱり英語の歌詞を日本語に訳して唄うのは、難しいと実感した作品でした(訳したひとの力量にもよるんだろうけど)

 

BW版はもちろん観てないからなんとも言えないけど、ミュージカルにしては歌が弱い感じ。
わーーーーって迫ってくるものがないんですよね(もともとそういうタイプの楽曲じゃないのか)
全体的にオーソドックスな作りで、笑えるところは笑えるものの、ギャグや台詞回しがワンパターン。
まあ、客層的には(50代~60代のおじさまおばさま率高し)ほど良いテンポのわかり易いギャグだったようでかなりウケてましたが
あとは、装置が安っぽくて残念でした。特に、フレディ(市村さん)が欲しがっているGREAT BIG STUFFが、安っぽいイラストボードってのはどうなんでしょ。ちょっと貧乏くさいんだけど、ホリプロってば金がないのか!?それとも元々ああいう演出??


鹿賀さんはお疲れだったのかなー。滑舌が悪くて台詞が聞き取れないことが多かったです。
歌も唄い方のクセが強いというか、引っ張り気味で唄われるので単調に聞こえました。後半にいくにつれて気にならなくなったけど。
レミゼのCD聞いてても引っ張ってるなって思ったけど、それよりはるか引っ張りまくり
ローレンスの佇まいは鹿賀さんに合ってると思います。

市村さん大健闘 フレディって役どころからいって、もっと若い人やるんでしょうに。
鹿賀さんと1歳違いとは思えない(失礼)体のキレの良さはさすが。
〔GREAT BIG STUFF〕は見せ場のひとつだと思うけど、この作品の楽曲の中でも、特に日本語の歌詞が乗りにくいメロディーだったかも。
パワーもあまり感じられず歌詞も聞き取りにくかった~。“GREAT BIG STUFF”ってフレーズが聴こえたような気がするんだけど、あの部分は英語で唄ってたのかな?……ってなくらい歌詞がわかりませんでした

1年以上前に『Shuffle』で観た奥菜恵ちゃん。その時は、役が合っていたのか歌がなかったからか特にどうということはなく、むしろいい女優になったじゃんて思ってたけど……〔HERE I AM〕はひっくり返りそうになりました(汗/他の曲はまあまあかな)
もうちょっと歌の練習してほしかったなあ。声は可憐で綺麗(上原多香子ちゃんタイプ)なのよね。
音程が不安定……“揺れる”って言えばいいのかな。あと声量がね、かなり弱い。サビの部分だけでも、唄い方次第でパワーアップして聴かせられると思うんだけど……。
キャリアが違うから他のキャストと比べるのは酷だとは思うものの、この作品が“ミュージカル”だと言うのなら唄えないのは困ります。歌のレベルの低さをカバーできる演技力や存在感が充分あるかというと、そこまでではないし……(下手ではないんでしょうが)
来年再演されるようなので、もしキャストがそのままなら絶対に歌のレッスンしてください(いや、してるのかもしれんがしててあれだったら大問題

聖子さん出番少ないよーーーーー。歌もダンスも演技も今回のキャスト陣では一番魅せてくれたのにぃ。
アメリカのド田舎の成金というより、人の話を全く聞かない、かつ強引な大阪のおばちゃん(失礼)っていう感じなんだけど、聖子ねえさん本領発揮で徹底的にやってくれてるので気持ちいいですね。

愛華みれさんは初かな。ちょっとカタい感じの演技だったけど、綺麗で雰囲気がよかったし、歌も良かったと思います(宝塚出身のひとって歌の上手下手の差が激しいんですよね)

鶴見辰吾さんは無難でした。
ぶれることなくいつも脇をしっかり固めてくれるので、彼が舞台にいると安心。


ストーリーはベタだけどわかりやすいし場面転換も多くて、訳詞や演出によってはもっと面白くなる作品なんじゃないでしょうか。
俳優さん目当てならこのままでも楽しめるかもしれないけど、“ミュージカル”として楽しみたいひとにとっては消化不良というか、物足りなかったんでは?
再演を観に行くかは微妙だなあ。

オットはこういうミュージカルは肌に合わないようです。
楽曲に馴染めなくって、作品に入り込めなかったとのこと(私も似たようなもんだけど)
『レミゼ』みたいなのがいいそうです。

私が観た名古屋公演の楽日が今回の公演の大楽。
お決まりカーテンコール以外に3回のカーテンコール。2回目からオールスタンディングでした。
鹿賀さんも市村さんも相当お疲れだったのか、あまり喋らなかったのが残念
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2 コメント

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色々、難しい (REI)
2006-11-24 23:38:54
訳詩というのは、本当に難しいですよね?

だから、色々なミュージカル作品を観るたびに、岩谷時子氏の訳詩のすばらしさを痛感します。レミゼとか、本当にすばらしい。浅利慶太氏の訳詩も、すばらしい。

「ペテン師と詐欺\師」の歌唱力は、MAのそれこそ素晴らしい歌唱力のキャスト揃いの舞台の後だっただけに、私にはキツかったですが、水無月さんにもキツかったようですね。

オット様には、ぜひともMAを観ていただきたいです。帝劇でも、男性客が多くなってきているようです。もっとも、女性客の方が、数の上では圧倒的でしょうが。

大千秋楽なのに、市村さんがあまりしゃべらないって、珍しい。どうしたんだろう?

高田聖子さん、本当にもっと出番が多くてもいいですよね!上手い!いいじゃないですか、大阪のおばちゃん。
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REIさんへ (水無月)
2006-11-27 01:38:41
ええ、訳詞の大切さを痛感しましたよ。
岩谷先生は神です

私はまだしも、REIさんは『MA』の後では相当キツかったでしょう。
『MA』はオットの都合がつかず、平日に私ひとりでの観劇ですが、帝劇『レミゼ』には引っ張っていくつもりです(本人も観たいと言ってるし)

>大千秋楽なのに、市村さんがあまりしゃべらない
わたしもびっくり。何かやってくれると期待してたので拍子抜けでした

聖子さんの使い方がもったいないですよ。ホントに
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