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『鍼灸の挑戦』~鍼灸の未来と可能性を探る~講演会

2005-08-21 10:29:17 | 東洋医学一般
講演会の案内です。
チケットRELSHYにもあります。TEL011-532-6583

2005年9月10日(土)午後6時半~8時
かでる2・7(北海道立道民活動センター) 有料駐車場あり
札幌市北2条西7丁目 道民活動センタービル TEL011-231-4111

松田博公講演会
『鍼灸の挑戦』
~鍼灸の未来と可能性を探る~

 日本各地で活躍する鍼灸師を取材し、鍼灸医学の可能性と東洋医学のおもしろさを一冊の本にまとめ、2005年1月に岩波新書として「鍼灸の挑戦」が出版されました。鍼灸関係の出版物としては異例のベストセラーを記録し、大反響を呼んでいます。
 鍼灸は、現在世界100カ国以上で臨床に取り入れられ、地球上で最も普及した伝統医療になっています。鍼灸が現代医学と並ぶ「もうひとつの医療」として社会に定着するために、これからの鍼灸医学がどのように発展して行ったらよいのかを、本書の著者を迎えて講演会を開催します。共に鍼灸の将来を考える一夜にしたいと思います。
 これから鍼灸師を目指す方、既に鍼灸に従事している方、鍼灸に関心をもつあらゆる方々のご参加を呼び掛けます。

松田博公氏の略歴
 2005年1月までに共同通信編集委員として、女性運動、子供、思想、宗教、医療等を専門分野として取材する傍ら鍼灸師の資格を取得、代替医療の世界的関心の高まりを背景に国内外各地で講演、取材、執筆等で活躍中。

参加費 1000円

主宰 中医鍼灸研究会





内臓と色・2・・・「黒」

2004-11-27 12:11:18 | 東洋医学一般
 色について、第2段は「黒」。
 「黒」と関係が深いのは、五臓のうちで「腎」です。
 今は、立冬を過ぎていますから、暦の上で、「冬」ですので、「腎臓」の季節であり、「黒」は、体調を良くしてくれる色となってくれるでしょう。

 「腎」の役割は、生命の根本である先天の精(生命エネルギー)を、大事にしまっておく、貯蔵庫のようなものです。父母から引き継いだ先天の精に、さらに飲食物から造られた後天の精を常に補充して「腎」に貯蔵しておきます。そこから、生きていくために必要なエネルギーを各臓器に運び、生命活動を営んでいます。

 「腎は水の蔵、津液を主る」と古典にあります。
 「津液」とは、体内の水分を総称したものですので、「腎」は、体内の水分量を管理し、不要な水分を膀胱に貯めて、尿として排泄します。この働きは、西洋医学でいう「腎臓」と「膀胱」の働きと似たものになります。

 「腎の合は骨なり、其の榮は髪なり」「歯は骨の終わる所なり」「腎氣は耳に通ず」と古典にあります。
 「腎」と骨、歯、耳、髪などとは関係が深く、これらの組織器官の状態によって、「腎」の状態もわかってきます。老化現象が進むということは、生命エネルギーの貯蔵庫である「腎」の衰えであるということになります。白髪や脱毛、骨粗鬆症、入れ歯になる、耳が遠くなるなどは、老化現象として一般的ですね。

 「腎」は、父母からもらった生命エネルギーが元となっていますが、さらに、子孫を残すための生殖能力をも生み出します。次々と、生命のエネルギーを引き継いでいくのです。
 そして、生命エネルギーの根本ということは、生命力そのものでもあり、病気に負けない力も「腎」の働きによるということになります。
「遺伝」「免疫」などとも関係が深いということが言えるということになります。

 「腎」は呼吸とも関係が深いのですが、「肺」が息を吐いて排出、「腎」が吸って「氣」を貯蔵する、という意味合いになります。
 深呼吸は、吐くことができないと、吸えません。「肺」の働きがあるからこそ、「腎」も機能するとも言えます。「腎」の生命エネルギーがあるからこそ、他の臓が機能できるとも言えますので、相互に助け合っているということになります。五臓全てが協力しあってバランスを保って機能することが健康の秘訣ということです。


内臓と色・1・・・「白」

2004-11-21 07:20:02 | 東洋医学一般
リンク先のCouleurさんの記事の中で、風邪を引いた時に色で治す、とありました!
スゴイ発想だと思いましたが、良く考えてみると、東洋医学的にいっても、理にかなっているところがあるのです。

 「白」は、五臓の働きの中では、「肺」と関連が深いのです。
 「諸々の氣は、皆肺に属す」と古典に書かれています。
 肺の作用は、呼吸。呼吸によって、「天の氣」、即ち、陰陽でいうと「陽の氣」を取り入れます(陰の氣は脾胃の作用で飲食物によって取り入れます)。

 「肺の合は皮なり、その榮は毛なり」と古典にあります。
 肺は皮毛を主どる、即ち、皮膚と関連が深いということです。
 皮膚の作用は、外からくる邪気(東洋医学では、病の原因となるもの、身体が不必要と認識するものを総称して邪気と読んでいます)が体内に新入しようとすることから身体を守ること。

 「肺」と表裏の関係にあるのは「大腸」。
 どちらも、排泄作用。
 「肺」は呼吸において、いらなくなった濁った氣(西洋医学的には二酸化炭素)を排出しています。
 「大腸」は、飲食物を栄養として体内に取り入れたあとの糟粕として、大便を排泄します。
 いらなくなったものは、身体にとっては毒になり、邪気ともなります。邪気を排出させるには、肺(表裏関係の大腸も一緒に)が大活躍しているということになります。

 
 風邪を引いたとしても、病の進行によって、治療方法が変わってくるのは確かです。しかし、風邪の初期で、肺の作用で邪気を排出させてしまえば良い時期には、肺が大活躍ですので、肺の色である「白」は、大きな力になってくれるでしょう。
 風邪は、ウイルスを排出させないことには治ったことにはならないからです。「症状」を薬で抑えたとしても、ウイルスは体内でくすぶっているかもしれません。熱を出すことで、身体はウイルスを殺します。ですから、熱を解熱剤などの薬で下げてしまうことは、ウイルスを退治するのを遅らせてしまうことになりかねないのです。
 病の進行度合いや、体力の有無によっては、ウイルスを殺して排出させるよりも、体力温存する方が先決の場合もあります。熱を出すことやウイルスを排出させること自体が体力を消耗させることになりますから。その場合は、また別の治療になってきます。状況に応じて、治療方法を選択しなくては、場合によっては悪化させてしまうことにもなりますので、判断は重要になります。


漢方薬と鍼灸

2004-11-18 22:59:50 | 東洋医学一般
 今日は、薬剤師の方と鍼灸師との、合同での学習会に行って来ました。
 漢方薬と、鍼灸を併用すれば、もっと治療効果があがるのだろうけども、あまり鍼灸師と薬剤師の交流が深いわけでもなく、実際は、別々に治療方針をたてていることが多いのです。
 お互いの知識を交換しあい、共通の診方ができるようになれば良いという展望で合同の学習会をすることになったということなので、私も参加させてもらいました。
 中国最古の医学書は、「黄帝内経」です。それは、「素問」と「霊枢」という二部分に分かれています。「霊枢」は、鍼灸に関しての記述になるので、漢方薬を扱う薬剤師さんが読む最古の医学書は、「素問」ということになり、それは鍼灸の原点でもあるため、共通の認識となるはずです。
 しかし、「素問」で使われていた用語も、時を経て、間違った解釈やある一面だけで解釈してしまったものが、ある一部の人たちで使われ始める、ということで、いろんな流派ができ、狭義の意味での言葉がそのまま、言葉の使い方の違いとして認識されてしまってきたのではないかと思っています。
 漢方薬を扱っている方たちで使われる用語も、鍼灸で使われている用語も、言葉は同じでも違った意味で使われているように感じるものもありましたが、その言葉の原点を「素問」から探ると、使っていた意味はお互いに狭義の意味で、広義の意味でとらえると本来の意味では同じということがわかり、解釈の幅が広がるように思いました。
 鍼灸と漢方に限らず、どんな世界でも、意見の対立や見解の違いなどは、原点の共通したものとは離れたところで議論するから「違う」と感じて、原点に戻って見てみると、同じことを目指していたり、同じことを主張していたということに気付くことは多いのではないかと思います。

 今日の収穫・・・今日のびっくりしたこと。
 漢方薬の朝鮮人参(高麗人参ともいう)は、英語のキャロットとは別物なんだそうです。セリ科の植物であるキャロットが日本に輸入された時に、キャロットを「人参」と訳してしまったので、本来の中国語である漢字での言葉は「人参=朝鮮人参」だったのに、キャロットが「人参」として普及してしまったのだそうです。
 漢字は中国語から来ていますが、日本では、当て字があったり、訳すときに間違っていたりすることで、本来の意味からはずれてしまっているものも多いようです。
 


内臓とこころ・2

2004-11-11 21:50:35 | 東洋医学一般
 喜怒哀楽などの情動に変調が生じると、体内の気のめぐりにも影響を与えます。

  「怒れば気上り、喜べば気緩み、悲しめば気消え、恐るれば気下り、寒ければ気収まり、熱いと気泄し、驚けば気乱れ、労すれば気耗り、思すれば気結ばる」

 なんとなく、イメージが沸くでしょうか。

 また、怒・喜・思・憂・恐を五情(五志)、それに悲と驚を加えて、七情と言います。
 七情を、陰陽に分類すると、陽が喜怒哀楽、陰が悲哀憂愁となります。
 過度の感情が、病の原因となることは大変多いです。

 「怒は肝を傷る。喜は心を傷る。思は脾を傷る。憂は肺を傷る。恐は腎を傷る」

 それぞれの五臓がバランスよく充実していればこその健康です。一つの臓が変調を来すと、他の内臓にも影響を与えます。また、それぞれ五臓には相互依存・相互抑制の働きもあるので、こんな法則もあるのです。

 「悲しみは怒りの感情に勝る。恐れは喜びに勝る。怒りは思に勝る。喜びが憂に勝る。思は恐れに勝る。」

 さっきまで泣いていたのに嬉しいことがあると悲しさが吹き飛んでしまう、さっきまで思い悩んでいたのに怒らせると悩みが吹き飛んでしまう、なども、こういった関係を見ると、納得できるのではないでしょうか。
 しかし、ある感情が別の感情を抑えるだけでなく、その感情の源である神(神魂魄意志)を傷つけてしまうという法則もあります。

 悲しみ→魂(肝が蔵している)を傷る→物忘れや言動の異常
   肝の気が虚すると恐れ、実すると怒る。

 心配(思う)→神(心が蔵している)を傷る→常に恐怖感
   心の気が虚すると悲しみ、実するとよく笑う。

 憂愁→意(脾が蔵している)を傷る→落ち着きがなく、イライラする
   脾の気が虚するとだるくなり、実すると腹が脹り排泄できなくなる

 過度の喜楽→魄を傷る→気が狂ってわがままにふるまう
   肺の気が虚すると呼吸が弱り、実すると喘息などで胸苦しくなる

 怒り→志を傷る→健忘症や腰痛症
   腎の気が虚すると冷えやすくなり、実すると腹が脹る

生命力が衰えている状態では、よかれと思った感情の刺激が悪化へ導くこともあるので、要注意ともいえますね。


声の特徴によって、障害を受けた臓器を特定することもできます。

 肝→「呼」~人をむやみに呼び、大きな声を出す。怒ったり命令ばかりする。
         病気の苦痛を強く訴える。

 心→「笑・言」~いつもは無口の者でも多く話すようになる。
           言語に間違いが多くなる。

 脾→「歌」~鼻歌を歌い、いつも歌を口ずさみ、歌うように話しかける。

 肺→「哭」~内向的な性格となり、単純なことに泣きやすくなる。
         また、泣きごとを言うようになる。

 腎→「呻」~うなり声を出す。なにをするにも体力が伴わず、あくびが
         出やすくなる。

 声の出し方をよく観察して、五臓の障害と比較してみると、なぜその人がそういう状態になっているのか、ちょっと客観的に見ることができるのではないでしょうか。
 他の人の感情を客観的に考えることができると、その人の感情に振り回されて自分の調子も悪くなる、ということも避けることができるかもしれません。