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ボディイメージ

2005-02-14 11:55:06 | スキー
 学生時代、障害児教育で、フランスの医師セガンについて少し学びました。セガンは、「精神遅滞児の生理学的教育」の中で「生理学的感覚教育こそが知能の陶冶のための王道であり、記憶でなく経験こそが理念の母である。」 と述べています。学生時代はセガンにあまり興味がわかなかったのですが、実際に知的障害の養護学校勤務時代に子供達にかかわり、日常動作その他の指導をし、そして趣味としてスキーを教わっていくうちに、セガンの教育を思い出していました。 セガンについての学習で印象に残っていることの中に、模倣の難しい子供についての教育についてがありました。そのうち、セガンについて本を読んで、このブログにも書きたいと思っていますが、今回は、スキーの指導に関して思うところを書いてみます。

 スキーでの指導では、「このように滑って下さい」とインストラクターが滑って見せ、模倣させる、ということが多いのですが、この模倣は場合によってとても難しいものと感じることがあります。
 模倣というのは、まず、相手の動きを目で見て、それを自分の身体を動かした場合はどうなるか、と自分のボディイメージをしないとならないのです。この、目で見て得た情報を、自分の脳の中で、身体を動かした場合へのイメージ変換がうまくなされないと、うまく模倣ができないのです。

 ダンスや体操などの指導でも、このように、と見せたところで、右左逆になってしまったりといった間違いは多く起こります。
 後ろ姿を見せることで、自分の身体を動かした場合へのイメージ作りをすることが楽にでき、正しい模倣へと導くことに成功することは多いと思います。
 スキーでは、何も言わずついておいで、と指導者のすぐ後ろを滑ることが運動のイメージが即身体の動きに伝わり、無意識に上達していく場合が多いです。


 また、言葉掛けで運動を導くことは、さらにイメージすることが難しくなります。例えば、右手を前にに出して下さい、と言葉掛けすれば、右手はどっちの手か、ということを頭で判断して、手を前に出すということから連想される動きをイメージして、身体の動きへと変換させていかなければなりません。
 小さな子供の右手に物を持たせて、その持った物を指して、「ちょうだい」と言葉掛けすると、右手は前に差し出されます。「右手を前に出す」という言葉は抽象的で混乱しがちな言葉ですが、物を人に差し出す、という方が簡単に身体が動くのです。こうやってごらん、と模倣を促すよりも、「ちょうだい」と言葉掛けする方が、目的の動きが簡単に誘導されるのです。

 大人の場合でも、模倣や言葉の指示で身体を動かすのは、大変難しいと感じることが多いです。

 「身体を前に持ってきて下さい。」この言葉で、身体全体を前に運ばせることができる人はどのくらいいるでしょうか。「前に」のイメージを持つことはたやすいようですが、身体の部分で言うと、頭の位置を前方に出すことを一番に考えて身体が動いてしまう人は、多くいるように感じます。重心の移動を目的にした言葉掛けのつもりであったなら、頭だけ前に動かしても、重心は前に移動しません。次に多い動きは、腰から上を折り曲げて状態だけを前方に出すことです。これでも重心が前にいくことにはなりません。骨盤が前方に移動しないと、重心が前に移動したことにはならないのです。

 スキーでは、よく、身体を前傾させる、と言います。言葉掛けでは、「身体をもっと前に」と良く言われるのではないでしょうか。前傾させる目的は、身体の重心を前方に移動させるということにつながります。この言葉掛けをされても前傾にならない場合、次に「膝を曲げて」の言葉掛けをになることも多くあります。しかし、骨盤が前方に出ず、上体を曲げて膝を曲げるのみ、という状況にしかならないことも起こるのではないでしょうか。
 「歩いて下さい」「前方に跳んで下さい」の言葉掛けでは、日常行っている動作ですので、すんなり重心の移動ができる場合がほとんどです。

 また、一番安定した姿勢は、足首、膝、腰、首、頭が一直線になっている場合です。身体を前に持ってくる意識を持つと、前述したように、骨盤が後ろ、頭が前方にある姿勢になりがちです。この姿勢で立つことは可能ですが、身体に余計な負担がかかる上、とっさの動きにも対応できません。

 運動・・・身体の動きを他人に伝える、教えるということは、目と耳で得た情報を自分のボディイメージとして変換しなければならないので、いつもなかなか難しいと感じています。
 

2月8日カウンセリング学習会の案内

2005-02-06 19:16:06 | カウンセリング学習会の案内
以下は、カウンセリング学習会の案内の葉書と同内容です。

 立春を過ぎ、身体の内部は春のエネルギーが動き出してきます。雪景色の中には春の姿はどこにもないように見えますが、気分は活動的になってきませんか?

 前回の学習会は、第二章のP29~に書かれている、ロジャーズのウィスコンシン大学農学部の学生時代の、YMCAの仲間のグループでの活動について読みました。ちょうど、YMCAに長く携わってきたメンバーが、YMCAの歴史やその団体独自で使われる言葉の意味などを体験に基づいた話からイメージを示してくれたので、大変理解が深まったように感じています。
 「グループ」というのは、いわゆる「小集団活動」ということを指しているのだろう、ということ。「恵まれない環境にいる少年のための夏季キャンプのカウンセラー」という言葉では、いわゆる「リーダー」のことであろう、ということ。「非指示的療法」「来談者中心療法」「人間中心療法」という言葉で「カウンセリング」を説いている時代のロジャーズに対しての方がなじみがあるメンバーの方が多く、「グループ」や「カウンセラー」という言葉に対するイメージを切り換えて読まなくてはならないため、YMCAでの活動の詳細について聞けたことは、大変有意義な時間になりました。
 目的を持って活動を展開していくという「小集団活動」と、「ご自由に」というスタンスでの「エンカウンターグループ」の違いなどに触れ、この時代のロジャーズの考え方が、今後どう変化していくのかを読み進めていくことがますます楽しみになりました。
 副題が「わが人生と思想を語る」であるこのテキスト、ロジャーズの歴史とも言えますので、読むとどんどん惹きつけられていくようです。学習会も春の兆しが訪れていたののでしょうか?!
 次回は2月8日です!お待ちしてます!


立春

2005-02-04 16:53:09 | 季節に合わせた養生法
 今日は立春。
 今日から春っていうこと。
 今日から、一年の始まり。

太陽視黄経 315 度
春の気たつを以て也(暦便覧)
この日から立夏の前日までが春。まだ寒さの厳しい時期ではあるが日脚は徐々に伸び、九州や太平洋側の暖かい地方では梅が咲き始める頃である。  
「こよみのページ」より引用

 春は、木運の氣・・・肝臓の精気、すなわち肝臓のエネルギーが旺盛になる季節です。
 「木」の性質は、まっすぐにすくすくのびのびと伸びていくということ。
 春は「発生」の季節。
 すべての物が芽生え、万物は生き生きと栄えていきます。
 人間の養生法も、心身ともに生き生きと陽気を発生させることが大事です。
 古典には、夜更かしをしてもかまわないが、朝は早く起きること、と書いてあります。
 天と地のエネルギー、陽気を胸いっぱいに取り込み、体内の陽気を大事に育てます。
 
 立春とは、一年のうちの陰と陽の変化の時でもあるのです。今まで、貯めてきたエネルギーを、芽を出すために一気に使うという勢いのある時期です。動物に例えると、鳥。俊敏に動く様子は、まさに春の性質。
 人間も、そわそわ落ち着きがなくなったり、活動的になったりする人は多いでしょう。テーマはのびのびと、生き生きと・・・なので、勢いを殺すようなことはせずに、まっすぐ伸びていけるように、コントロールすることを主眼にするのが良いと思います。
 今まで潜んでいたものが、新たな症状となって現れてくることも多い季節です。せっかく出てきた悪いもの、いらないもの、すなわち邪気を、抑え込んでしまうと、これから1年、また邪気を持ち越してしまうことになります。できれば、汗や大小便、呼吸の二酸化炭素などで、排泄してしまいましょう。
 でも、特に弱った人は・・・大事なエネルギーを発散させ過ぎて、動く気力もなくなる、なんてことがないように下さいね。


 

 感情面では、春の気を邪気として受け止めた時、怒りが沸いてくることも多いかも知れません。我慢せず、ちょっとずつ小出しにして発散させた方が身体のためです。いきなり怒りの感情を一気に出してしまうと、怒られた人も、ダメージ大きいですしね。怒られた人の抵抗力が弱いときは、身体に症状が出る人もいます。胃が痛くなったり、背中が痛くなったり・・・。
 春は、肝臓と関係が深いのです。肝臓が主どるのは、筋、目など。そして、肝臓の精神の気は魂。筋肉を使って俊敏に動く季節ではあるけど、使いすぎると、筋の張りがひどくなりやすくもなりますので、要注意です。同じく、目の酷使も、頭痛がひどくなったりすることもありますので、パソコンなどの使いすぎにご注意!
 
 春の気をうまく取り入れて、のびのび、生き生きと過ごすようにして下さいね。
 ちなみに、春の色、肝臓と関係の深い色は青です。

☆補足です。

 陽気とは何か・・・。
 これは、陰と陽についての解説から、イメージすると良いでしょう。
 陰は内面、陽は外面。軽い気は昇って陽である天となり、重い気は下降して陰である地となる。火の性質は熱く陽であり、水の性質は寒く陰である。男は陽、女は陰。陰は内で陽を使い、陽は外で陰を守る。東には陽気が多く、西には陰気が多い。