ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

クリスマスでもクリスマスでなくとも

2018-12-06 | アメリカ事情

http://cathedralofhope.org




毎年感謝祭が過ぎる頃、私の所属する教会では、礼拝堂を挟んだ両側のフォイヤーに、それぞれクリスマスツリーが飾られ、そこには、何をどなたが必要としているかを書いた簡単な手紙やタグが下がっている。町にある別のキリスト教団体が経営する救貧院(レスキュー・ミッション)や家内暴力被害女性が駆け込める施設、老人ホーム、あるいはあまり恵まれていない地域の子供達、そして難民からの、非常に謙虚なつつましい欲しい物や必要品リストである。 そのタグやちいさな手紙を誰でもツリーから取り、そこにある願いのお助けをする。またオフィスでもそうすることがある。


そのお願いは、例えば、温かい靴下、手袋、室内履き(多くは老人ホーム入居者からのお願い)、学用品、子供達にはお願いする子供のサイズにあった衣服、靴も、玩具と共に贈る。手紙やタグには、ただ男女の区別と番号があり、施設の人がそうした番号と贈られる方の番号を合わせていく。多くの参加者(タグや手紙を受ける側)は、依頼品もただ一つを贈るのではなく、少し余分に、あるいは小さなギフトを加えたりしている。


中には、新しい歯ブラシ、歯磨き、石鹸、ウオッシュタオル、など、一目読んで、胸が詰まるリクエストもある。着の身着のままで暴力を振るう伴侶やボーイフレンドから、一刻も早くと、逃れてきた女性は、洗面道具はおろか、乳飲み子のいる母親でも、とにかく最低限の持ち物で、援護施設へ駆け込むのである。そうした女性たちのために、ある年のクリスマスには、洗面道具、リップクリーム、ハンド・ボディローション、シャンプーそして小さなウオッシュタオルをZiplocの袋に入れてのパケットをたくさん作り、粉ミルクや離乳食を忘れずに、皆で寄付をしたことがある。悲しいことに、そうした女性の数は決して減りはせず、いつでもそうしたパケットは役立つので、ホテル宿泊の折には、アミ二ティの小さなシャンプーや石鹸、ローションは、私は使用せず、持ち帰って役立てる。


実はこうしたプロジェクトは、とても楽しい。自分がその方の身になって、何が必要か考えて工夫したり、小さな小さなメッセージ「あなたは一人ぼっちではありません。」だけを書き、パケット内に外から見えないように入れたりする。ある年の冬、厳しい寒さが通常温暖なこの地を襲い、多くの果樹園で働く季節労働をするメキシコ人たちは、すぐにその打撃を受け、長いこと収入が途絶え、食料も乏しくなっていった。それをニュースで知り、教会では、援護支援を即時に始め、私達家族も早速参加した。ほんの基本的な食料:ピントー豆、トマト缶、油、スープ缶、スパゲティ、ミートソース缶、メキシコ料理用スパイス、などを洗面道具キットと共に食料銀行の規定の箱にいれていくつも作った。そのプロジェクトの終わりには、2,3千以上のそうした箱が作られ、気の毒な状態にあった人々に配られた。


こうしたことは、決して高価で、たいへんな労力を必要とはしていない。皆が寄り集まってすれば、多くの人に贈り物ができる。個人的に行なっても、破産することはない。ただし、こうしたことは、病みつきになって、この次もまた参加したい、と子供達が言う。「~してあげる」や「~してやった」という奢りなく、必要な人に必要な助けを申し出ることは、純粋に幸せを感じるからである。


articles.bplans.com


「人は得るもので生計を立て、与えるもので人生を築く」-ウィンストン・チャーチル


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