ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

案外意外

2020-08-17 | アメリカ事情

 

 

 

Covid-19(coronavirus disease 2019ー2019年に発生した新型コロナウイルス感染症をこう呼ぶ)蔓延の中にあって、100%悪いことばかりだ、と嘆いてはみるものの、よく考えると、悪いことは75〜80%くらいかもしれない、と思う向きがある。ここ数年、ツイテナイ年月を過ごしてきたある人が言う。

「ロックダウンのために仕事を失い、仕事をオンラインで検索してきた。

今日、パーク・レインジャー(国立公園管理者)としての夢の仕事をオファーする電話を受け、その仕事につけることになった。冗談ではなく本当に嬉しさのあまり、私は叫び、踊りまくるのを辞められない。 これから私の愛犬を現場に連れて行くことができるのだ。 家賃を払う必要もない。 私は100%の野外勤務になる。こんなに幸せなことはない。私は惨めな辛い数年を過ごしたが、これから物事はよくなるぞ!」

愛する犬と一緒に瑞々しい大自然の中で働けて、パーク・レインジャーオフィスが用意してくれた宿舎に只で住める、なんてラッキー! それも例えば、ヨセミテやグレイシャーやイェローストーンのような広大な国立公園で! 毎朝ブライダル・ヴエイルの白い滝を見て、「今日は水量が多いようだ」とか、「エルキャピタンの上部は霧がかかっている」などと絶景を眺めながら、朝食を取れるわけだ。それに晩には、満天の星が輝いている。 この人にとっては、まさに夢の職場である。

 

左がエルキャピタン、真ん中にハーフドーム、そしてブライダルヴェイルの滝ーカリフォルニアのヨセミテ国立公園

 

奇禍にあっても、小さなことにで感謝する機会が増えたような気がするのに気が付いた。例え誰かがマスクなしで禁断の三密を無視し、結果、多くの人々を感染させるなどの愚行が明るみに出ても、である。 

ある人の小さなことへの思いを聞くと、世の中まだまだいくところまでいっていない、と少し安心して今晩きっと夢見がいいと思うのだ。

「私は救急救命士です。 今日、同僚と私は、出動する救急車で信号が青くなるのを待っている時、私は左を見ました。 すると60代前半くらいの女性が歩道に立ち、大きな笑みを浮かべて、私たちに手を振っていました。 私たちも手を振って微笑み返しました。 それから彼女は投げキスをして、『ありがとう」と口を開きました。 私たちも窓ガラスを下げて、投げキスをして、「どういたしまして』と言いました。

現在のこの状況の中でいくつかの肯定的な言葉や、行動や、あるいは感謝を示してくれることはとても嬉しいことです。

私たちに素晴らしい日を作って下さってありがとう。 なぜ私がこうした仕事をするのかを思い出させるのは、彼女のような方です。

みなさん、安全でいらしてください。 あなた自身とあなたの愛する方に心を配ってください。ささいなことに感謝しましょう。」

命を落とすことがある一方、生まれてくる命もたくさんある。よく耕した畑に、大雨がくると予想されていても、大根のタネを撒き、その上に新聞紙を小さく切ったものをのせて置いたら、案の定降雨となり、晴れてから、様子を見にいくとなんと大根は双葉をたくさん土中から芽吹かせていた、と言うブログ(ミレイの趣味日記・・田舎暮らし)を拝読、その可愛い双葉を黒い湿った土の上に見た私は、それだけで、今日はいい日になりそう、と思った。

大根の種の強さ、健気さが、そして植物の持つ逞しさがそこにあり、雨が小さな種を流さないように、と切った新聞紙をその上にそっと被せていったミレイさんの優しさのある知恵に、とても嬉しさを持った。小さなことが、意外に奇禍を生き延びる手かもしれないとさえ思った。

週末の食料品買い物でコスコへ行く途中、IHOP(インターナショナル・パンケイキ・ハウス=古く続くパンケイキレストラン)が、駐車場に簡易テントを貼り、そこへ一定間隔を置いてテーブルと椅子を並べ、3組ほどの人々が食事をしているのを目にした。レストランのほとんどは様々な工夫を施して、なんとか今を乗り越えようと頑張っているが、そうした努力を見るにつけ、なんだか胸が熱くなる。皆この奇禍に一緒にいて、それぞれ頑張っているのだ、と思うと勇気も湧いてくる。

あなたは、Covid-19蔓延中にも関わらず、何か素敵なことを経験なさいましたか? 小さなことでも感謝の気持ちをお持ちになりましたか?

 

 

 

 

コメント
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