ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

2018-07-14 | アメリカ事情

https://www.123freevectors.com



カレンはもう一人の赤ちゃんがやってくることを知った時、良いどのお母さん達のように、3歳の息子マイケルが、新しい家族のために準備できるように助けた。


新しい赤ちゃんは女の子であるとわかり、何日もの間、毎日毎晩、マイケルはお母さんのおなかの中にいる妹のために歌った。 彼はまだ会えぬうちから、すでに妹と絆を作っていたのだった。


米国テネシー州モリスタウンのクリーク・ユナイテッド・メソジスト教会の敬虔なメンバーであるカレンにとって、この妊娠は順調に進んでいた。


時間が経ち、陣痛がやってきた。 まもなくそれは5分ごと、3分ごと、そして毎分の間隔で起こった。 しかし、深刻な合併症が、分娩中に発生し、カレンの陣痛は非常に長引いた。


長い陣痛の後、やっとマイケルの妹が生まれた。 しかし、新生児の彼女はたいへん重篤な状態にあった。 サイレンを夜の静寂(しじま)に鳴り響かせ、この新生児を運ぶ一台の救急車が、テネシー州ノックスビルのセントメアリー病院の新生児集中治療室に向かった。


毎日がのろのろと進んだ。 ちいさな女の子の症状は悪化した。 小児科医は両親に、ほとんど希望がないと伝えなければならなかった。 最悪の場合に備えるように、と付け加えた。 カレンと彼女の夫は、埋葬計画について地元の墓地に連絡した。 そして家の新しい赤ちゃんのために用意してあった一室を、その子の葬儀のために使わなければならないのだった。


マイケルは、しかしながら、両親に妹に会わせてくれるように懇願し続けていた。 「僕は妹に歌いたいんだ」と彼は言い続けていた。


新生児集中治療室での第2週目は、その週が終わる前に葬儀が来るかのように見えた。 マイケルは妹に歌いたいことをしきりに懇願していたのだが、子供は集中治療室には決して入室が許されない。


カレンは病院側が、好むか好まざるかに関わらず、マイケルを連れて行くことを決心した。 今でなければ、マイケルが生きている妹を見ることはないかもしれないと思った。 彼女は大きめのスクラブスーツ(医師や看護師が着る上下の服のセット:医療用白衣ーただし各色あり、白はむしろ少ない)をマイケルに着せ、彼と新生児集中治療室へ、向かった。 マイクはまるで歩く洗濯かごのように見えた。

 

看護師長は、ただちにマイケルが子供であるのを見抜き、「たった今、その子供をここから退出させなさい。 子供は入室を許されていません。 」と怒鳴った。


カレンの中で母性が強くなり、普段穏やかな女性であるのに、彼女は、スティールのようにきりっと固い目をして、看護師長の目をまっすぐに見て、固い意志を表している唇を開いた。「この子は妹に歌うまでここに残ります。」


そしてカレンはマイケルを妹のベッドのそばへ連れていった。マイケルは、生きるための戦いを失いつつある小さな新生児をじっと見つめた。しばらくして、 3歳の純粋な心の声で、マイケルは歌った:


“You are my sunshine, my only sunshine, you make me happy when skies are gray.”
(「君は僕のお日様だ、僕のたった一つのお日様、君は空が曇っている時僕をしあわせにしてくれる。」)


途端に、その新生児は歌に反応したようだった。脈拍数は落ち着き始め、安定したのだ。

カレンは目に涙を浮かべて、「歌い続けて、マイケル。」と励ました。


“You never know, dear, how much I love you, please don’t take my sunshine away.” (「君は全然知らない、僕が君をどれだけ愛しているかを。だからどうか僕のお日様をとらないで。」)


マイケルが妹に歌っていると、赤ちゃんの不規則だった呼吸は、子猫が喉を鳴らすように滑らかになった。 「歌を続けて、愛しいマイケル。」


“The other night, dear, as I lay sleeping, I dreamed I held you in my arms”(「ある夜、僕は眠りながら君をこの手に抱く夢を見たんだ。」)


マイケルの小さな妹は、次第にリラックスし始め、癒しが彼女を包むかのようだった。 「歌を続けて、マイケル」看護師長の顔は、流れる涙に打ち負けて、マイケルに言った。


“You are my sunshine, my only sunshine. Please don’t take my sunshine away…” (「君は僕のお日様だ、僕のたった一つのお日様。どうか僕のお日様をとらないで。」)



翌日、小さな女の子は家に帰るのに十分な健康を得ていた。


マイケルの小さな妹

 

あなたの愛する人をあきらめない。 愛はとても信じられないほど強力である。The Woman’s Dayという米雑誌は、それを 「兄妹の歌の奇跡」と呼んだ。医療スタッフはそれを奇跡と呼んだ。カレンはそれを神の愛の奇跡と呼んだ。これは1992年に米国テネシー州で実際に起こった真実の話である。 その新生児だった女の子の名前はMarlee(上の写真)である。 2012年時点、マーリーは20歳で、彼女は他の女の子同様に普通だと思っている。

ttps://academictips.orgより



You Are My Sunshineは、五人の育児中何度も歌った。孫にも歌う。簡単な歌詞で、親しみやすい曲で、子供達は、自分がしっかりと愛されているのを感じて育ってくれた。この実話を最初に見つけた時、やはりこの歌には力があるのだと感じたことだ。



 

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする