ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

鶴の一声

2017-09-21 | アメリカ事情

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子供は、言って聞かせることも大切だが、本当は働く親の背を見させておくことがもっと重要かもしれない。親の言うことを親が実際に行うこと、と言う意味である。育児は一長一短の仕事ではない。そんなたいした親ではない私なので、私はもっぱら夫に感謝している。

私には五人の子供達がいて、そのうち真ん中三人は息子である。その息子達はみな父親になった。三男は二人の幼子を持つ。この息子達がクリスマスや夏休みで我家に来ると、実に甲斐甲斐しく子供達の世話をするのを目に出来る。ダイパーチェンジから食事から、遊びのお付き合いにお散歩も何から何まで筆頭にたって、妻達を助けながら、育児をしている。世に言うイクメンをして、それを心から楽しんでいる。

忙しい新米医師の長男と孫娘。暇を見つけては、妻を手伝い、育児に勤しむ。

三人とも二年間のキリスト教会伝道を経験しているから、掃除をはじめ洗濯や料理もできる。ひとりは簡単なボタン付けができるし、ひとりはアイロンのかけ方が上手で衣服のたたみ方も高校生時代クリーナーでアルバイトをして取得した。もう一人は、高校生時に、家庭科の調理クラスを一学期取り、オレンジジュリアス*の作り方さえもマスターしている。

*Orange Julius はアメリカのフルーツドリンクのチェーンストアで、1920年代後半から現在に至るまで営業している。元祖と言うべきドリンクは、氷、オレンジジュース、甘味料、ミルク、卵白粉、ヴァニラを攪拌したオレンジジュリアスと呼ばれる飲み物である。


三男と孫息子ーこの孫息子の最初の言葉は、Dada(Daddy)であった。そして義理息子と孫息子

 

私の夫は結婚した最初の日から、家事を夫の仕事、妻の仕事と分けずになんでもこなしてきている。食事の支度は勿論、後片付けもするし、買い物もする。庭仕事をしたり、家庭菜園もしてきた。ボーイズとキャッチボールをしたり、レスリングをしたり、ということはなかった夫だが、土曜日の朝は決まって外仕事をして、遊び半分の息子達と働いた。しかしながら、息子達はおかげで効果的な芝刈り、家庭菜園のやりかた、掃除の仕方、などを夫の背からしっかり学んでいったようである。

私は家事は苦手ではないが、大好きでもない。その時間死者とのお付き合い(つまり系図調査)に費やすことが多い。裁縫(制作・直し)の必要があれば、ますます家事をやっていられない。クラスを取っていた時も、同様で、ますます夫には主夫をしてもらった。夫に感謝する気持ちを言うと、出来る人が出来る時にすればいいことだと、笑う。そんな夫を見て育った息子と娘達。娘達の夫達もいつのまにか息子達のようになっている。

しかし本当のところ、実は母親(つまり私)の一言が息子達のイクメンの決め手となったのかもしれない。

夫がふんぞり返って何もしないと、必ずや妻に離婚される、である。これは夫の幼馴染でずっと親しくしている白人の友人が、家事に育児に100%知らんふりをして、ひとつも妻を手伝ってこなかった。そして結婚18年目にして、我慢の限界に達した妻が彼を家から追い出し、離婚した。私達夫婦が、結婚したとき、文化が違うから、離婚の憂き目に必ず遭うだろう、とさえ言っていた人が、そうなった。これは息子たちには、格好の反面教師であった。そして私達夫婦は今年結婚して36年となる。

次男と孫娘ミッドサマー=夏至祭デビュウ:ママに作ってもらった花かんむりを初めて被ったこの夏


コメント (2)
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