ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

カリフォルニア

2017-08-10 | 系図のこと

ある時ある系図サイト掲示板に義母方の先祖ではないかと見られる姓について、そして墓所についての極短いメモを見つけた。サンフランシスコの北にあるアンダーソンヴァレーは、ソノマやナパと同様、ワインの産地で多くの葡萄園が続くが、そこのひとつの葡萄園の中に開拓者墓所があると言う。たまたま、あるパーティで籤引きの一等賞に当たった私は、メンドシーノ郡リトルリバーにあるリトルリバーインの2泊3日招待券を持っていて、いつ行こうかと決めかねていた矢先であった。アンダーソンヴァレーはメンドシーノ郡にあるのだ。

即休暇を取り、夫と朝早くに発ち、その日のうちに目的の葡萄園を見つけた。掲示板にあった住所に辿りつき、その葡萄園を見渡すと、なるほど、小山のような場所があり、そこだけ樫が数本植わっている。小山に着くと、簡単なフェンスがあり、門が閉まっているかのように見えたが、そばへ行くと、施錠はされてなく、すぐ墓石群を見回れた。ひとつひとつ墓石の裏表の写真を撮った。家族墓所であるから、さほど広くはない。こじんまりとした、静かな木立の中でおよそ100年以上は経ているようだ。

リトルリバーに向かう途中、ブーンタウンの森の中をしばらくドライブしていると、やがて木々の間から、昔風の赤い小さな建物が見えてきた。古い昔風の学校だが、今はアンダーソンヴァレー歴史協会が使っている。そこを訪ねるのもこの小さな旅の目的の一つである。アンダーソンヴァレーは1845年最初に入植した白人ウォルター・アンダーソンの名から名づけられており、ウォルターの継(息)子が、義母の先祖の一人である。

その継(息)子は、ベア・フラッグ反乱を起こした三十人ほどの一人であり、1914年7月14日にベア・フラッグ団の最後の生き残りとして、亡くなった。彼は先に訪ねた墓所に眠っている。下の旗はそのベア・フラッグ団が作った旗で、現在の州旗にも、カリフォルニアグリズリーベアとCalifornia Republicの言葉は使われている。残念ながら、オリジナルの旗は1906年のサンフランシスコ大地震で発生した火災で焼けてしまった。写真は1890年に撮影されている。



この1846年のベア・フラッグ反乱からメキシコとの戦争になり、1848年2月2日のグアダルルーペ・イダルゴ条約で終結し、結果メキシコは、合衆国からの1825万ドルの支払に応じ、正式にカリフォルニアおよび他の領土をアメリカ合衆国に割譲した。こうしてカリフォルニア州は誕生した。

 



横道にそれたが、こうして写真に取った墓石名の調査は帰宅後終了したが、この最後のベア・フラガー先祖についてもうちょっと。
ベア・フラッグ反乱から米墨戦争に発展したが、彼は当時のアメリカ軍のライフルマンとして従軍している。

興味深いのは、義母の先祖は、平和主義を貫くクエーカー教徒であって、暴力は常に誤りであるという信念を持つことで知られている。これまで様々な戦争を拒否し、徴兵を拒否した教徒も多く、このことについては、ジェサミン・ウェストが小説Friendly Persuasionに書き、1956年映画化されている。ゲーリー・クーバー出演のこの映画は日本語では「友情ある説得」と言い、高い評価を受け、カンヌ映画祭ではPalme d’Or賞を受賞している。義母の先祖も映画の主人公の息子のように、合衆国のために参戦したのだった。




クエーカー教徒をアメリカに連れてきたこのクエーカーオーツの筒にプリントされているウィリアム・ペンは、フィラデルフィア市を建設し、ペンシルヴァニア州を整備した。





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Equinox近くに見る月は

2017-08-10 | アメリカ事情

 Equinoxとは、分点のこと。ウィキピディアによれば、
天球上で天の赤道と黄道とが交わる点、および、太陽がこの点を通過する瞬間のことである。分点は2つあり、春と秋にそれぞれ通過する。春のものを春分点といい、これは太陽が南から北へ通過する。。。秋のものを秋分点といい、これは太陽が北から南へ通過する。。。日本では、春分日・秋分日は、国民の祝日[いいなあ](春分の日・秋分の日)となる。

その秋分の日は、今年は日本では9月23日、アメリカでは9月22日である。よって、アメリカの秋は9月22日から始まる。ちなみに今年の日本の中秋の名月は10月4日で、こちらの今年のHarvest Moon 収穫の月は、9月6日である。太陽の光を満面に浴びて煌々と輝く月明かりに、ナイトハイクやビーチ歩きなど楽しい。ロミオがジュリエットにその愛を月に誓おうとすると、ジュリエットは、満ち欠けする移り気な月などよりも貴方ご自身に誓って、と請う場面がどうしても浮かんできたりするロマンティックな月。

けれど、そんなロマンティックな月明かりに晒された剃刀は鈍るというのを聞いたことがある。
これは南北戦争か第一次世界大戦の野外の塹壕陣地で、兵士が朝髭を剃った剃刀をそのまま外に置きっぱなしにして、たまたま月の明かりがある頃で、ある朝使ってみると鈍くなっていた、と言うのがその言われらしい。しかし、おそらくそれは夜露に濡れて、錆付いたのかもしれない。そういえば、鈍った剃刀をビラミッド型のもので覆っておくと、切れ味が良くなる、ということが1970年代言われた。そう、あのヒッピージェネレイションである。月光に鈍る剃刀同様、これも擬似科学である。小学生だった長男が、サイエンスプロジェクトでこの2つを実験したところ、月光に晒した剃刀は鋭いままだったし、厚紙で作ったピラミッドを被せた着れないハサミや錆びた剃刀は、切れないし、錆びたままであった。

またこんな言い方もアメリカにはある。1820年、ヴァージニア州の高貴で裕福なジョン・ランドルフが、当時のアメリカ議会議員のヘンリー・クレイともう一人が堕落しているので、言った言葉である。
"Like a rotten mackerel in the moonlight, he both shines and stinks."
月明かりの腐った鯖のごとく、彼は光るし、臭う。
その鯖の様子が鮮明に浮かび、言い得て妙な言い回しである。

月についての私の好きな言葉は、アルバートアインシュタインの、
I like to think that the moon is there even if I am not looking at it.
例え見ていなくとも、月はそこにあると考えるのが私は好きである。なんだかほっとする物を感ずる。

昨日の記事にコメントを寄せてくださったはちきんイジーのIzyさんがお書きになったことが、胸に残った。
今晩大きな満月を目に家までの道を走っていると亡くなった祖母や義父の事がぐるぐると頭の中を巡り
何やら 不思議なエネルギーに覆われでもするようでした
この世で生きたご先祖様。。。
それ故 存在する自分。。。
皆の素晴らしい命を心に刻みます。


月夜に先祖やこの世を去った人々に思いを馳せるのは、そういう人々が近くにいて、自分を見てくれているのかもしれない。月はそんな優しさを持っている。

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