第25回 日本私立医科大学理学療法学会
◆教育講演 「CI療法から学ぶ脳卒中リハビリテーション医療のあり方」
兵庫医科大学病院 リハビリテーション医学教室 道免 和久
(テーマ「リハビリテーション再考 ~本来備わっている人間の能力を問い直す」 平成19年10月7日(日)日本大学医学部 記念講堂)
脳卒中医療を根本から再考するのにCI療法は最適。その理論や本質や研究課題について述べた上で・・・
【結論のスライドより抜粋】
思慮深くQOLを探求し、先端科学を患者さんに届けられるのはリハビリ医療提供者の特権。(最低限、脳卒中治療ガイドラインに準拠すべき。)
若い療法士達の「維持期」への強い先入観。ステレオタイプな回復モデル一辺倒の医療制度の中でしか、臨床的思考ができない傾向。 → 「維持期」には回復しない、「維持期」に治療すべき要素はない、介護保険だけで十分、などと言っていたら、療法士の専門性の否定につながる。
廃用症候群の克服は、脳卒中リハビリ医療の「スタートライン」だと認識していたが、実はそれを『ゴール』だと勘違いしている人が多くて困っている。自立しさえすれば良い、生活できれば良い、というだけの、脳卒中リハビリ医療で良いのか。リハビリ医療は『ADLの医療』ではなく『QOLの医療』である原点を忘れてはならない。自立するためのリハビリ医療は最低の必要条件。その上で、どれだけ回復をめざすのか。実用にならなくても、QOLの向上につながる治療はいくらでもある。エビデンスも増えているが、それを待つのではなく、自分たちでエビデンスを作るような原動力になろう。
終了後、質問者が列をなしていました。多くの病院でCI療法をはじめたと聞きました。また、ADL自立強制だけの医療に対して違和感を感じる心ある療法士達が大勢いることがわかりました。光をみた感じがします。
臨床医D
◆教育講演 「CI療法から学ぶ脳卒中リハビリテーション医療のあり方」
兵庫医科大学病院 リハビリテーション医学教室 道免 和久
(テーマ「リハビリテーション再考 ~本来備わっている人間の能力を問い直す」 平成19年10月7日(日)日本大学医学部 記念講堂)
脳卒中医療を根本から再考するのにCI療法は最適。その理論や本質や研究課題について述べた上で・・・
【結論のスライドより抜粋】
思慮深くQOLを探求し、先端科学を患者さんに届けられるのはリハビリ医療提供者の特権。(最低限、脳卒中治療ガイドラインに準拠すべき。)
若い療法士達の「維持期」への強い先入観。ステレオタイプな回復モデル一辺倒の医療制度の中でしか、臨床的思考ができない傾向。 → 「維持期」には回復しない、「維持期」に治療すべき要素はない、介護保険だけで十分、などと言っていたら、療法士の専門性の否定につながる。
廃用症候群の克服は、脳卒中リハビリ医療の「スタートライン」だと認識していたが、実はそれを『ゴール』だと勘違いしている人が多くて困っている。自立しさえすれば良い、生活できれば良い、というだけの、脳卒中リハビリ医療で良いのか。リハビリ医療は『ADLの医療』ではなく『QOLの医療』である原点を忘れてはならない。自立するためのリハビリ医療は最低の必要条件。その上で、どれだけ回復をめざすのか。実用にならなくても、QOLの向上につながる治療はいくらでもある。エビデンスも増えているが、それを待つのではなく、自分たちでエビデンスを作るような原動力になろう。
終了後、質問者が列をなしていました。多くの病院でCI療法をはじめたと聞きました。また、ADL自立強制だけの医療に対して違和感を感じる心ある療法士達が大勢いることがわかりました。光をみた感じがします。
臨床医D
リハビリテーションはRe(もう一度)habilis(適する、快適に住まう)というラテン語から来ている。文字通り、人間に適した生活を取り戻すことを意味する。中世のヨーロッパでは法王庁から破門された人間が、再び破門を解かれて、キリスト教徒として復権すること(全人的復権)を指した。
医学用語となっても、リハビリは単なる機能回複訓練のみであってはいけない。障害を持った個人の、人間としてふさわしい生き方を回復すること、すなわち社会復帰を含めた、人間の尊厳の回復が目的である。全人的復権というのはこの意味で正しい。
(東京大学名誉教授 多田 富雄 考える会代表)