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すべてのひとに、届けなきゃ

2011-11-30 04:19:10 | スタッフ日記
“性暴力”が「女性」というセクシュアリティを持っている人のみの権利問題と捉えられがちな昨今、
性暴力ってなんだろうと考えれば考えるほどに、あらゆる関係性の中で起こる支配的暴力だ、と私は思います。

男女、特にドメスティックな関係性の中「男→女」においてそれが起こりやすいのは事実ですが(夫婦だけでなく親子や兄弟も含み)、もちろん他の関係性の中での被害もたっくさんありますよね。
それ以外にも、「女→男」というものもあれば、「女→女」、「男→男」というケースももちろんあります。
それについて、そのバックグラウンドが違うから一緒に話すべきではない、という方もおられますが、
私自身は、そうしたものを含めた全てが性暴力であり、そのひとつ一つが看過されるべきではない、重大な性的侵害、暴力だと思っています。
そしてその社会的立場もいろいろ。子どももいれば、大人もいる。その中に、学生の人もバイトの人も派遣の人も正社員の人も何もしてない人もいる。仕事一つとってもいろんな職種の人がいる。

それを頭ではわかっていても、実際の相談にあたる時などには、自分の見てきたセクシュアリティ、職種等以外への対応が難しかったりすることもあります。
なぜなら、それを自分自身が想像できないから。
ヘテロな自分にとって、セクシュアルマイノリティの人間関係やパートナーシップについていまいちピンと来ないものがあったりとか、同性間での性暴力=パートナー間での喧嘩、とか言われてしまったり(まず喧嘩で片付くものではないし、パートナーだけが暴力を振るうわけではないし、それは男→女の被害でも一緒)
男性被害者と聞くとまず、被害にコミットする前に、加害者との人間関係にコミットして、「なぜ被害が起きたのか」に念頭をおいてしまったり(それこそ「二次被害」と認識される行為です)、そもそも相談を受けなかったり。

確かに、それぞれの人たちへ暴力が振るわれるバックグラウンドにある社会構造などについてはそれぞれ異なる部分があるとは思うのですが、
それはイコールして被害者が被害者たる所以ではありません。
被害者が被害者たる所以は、加害者が加害者であるということのみに裏付けられます。
被害構造の考察は別途必要なものですが、そんなことは被害者には関係がない。
社会構造の変革は重要なことですが、それを被害者が担うのは別問題。

とにかく、誰に対しても平等な支援がなされる社会を。
そうしなければ、何も解決はしません。
性暴力をなくそう、という心意気は大切なものと思いますが、やっぱり何よりも、いまいる被害者により充実した支援をとどけること。いまいる被害者が、これから出来るだけ負担を強いられず生きて行ける社会をつくること。いまいる加害者を再犯に向かわせないこと。暴力を力で制すということだけではなく、被害者のための加害者更生を、しっかりとプログラムすること。被害者支援を幅広く充実させ、その結果として被害も加害も減少していく社会を作る。それを、とにかく、続けて行く。
被害者が守られない社会に救いはないと私は思います。
被害者が年齢やセクシュアリティや職業等によって差別される現状では、何も変わらないと思うのです。

この世界には暴力が渦巻いている。
だからこそ、それに気づいた人間は、まず自らを振り返ってその暴力を手放さなければならない。
暴力を手にしていない人間なんて、この世にはそういません。
それがいけないのではなく、そのことに自覚的にならなければ、
変えて行くことは出来ない。

あらゆる被害者を守るという視点から被害者への支援するということが、最も社会構造の変革への近道になるんじゃないかと私は思ったりします。



て、キャッチボール部とかフェスとかお茶会とかについてを考えながら、
そんな感じのことを思っている徒然備忘録、でした。

あぁ、キャッチボールしたいなぁ。

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