RC-NET(レイプクライシス・ネットワーク) BLOG.

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AOMORI性的マイノリティ当事者アンケート

2017-12-26 13:00:00 | 事務局からのお知らせ

2017年9月〜10月下旬まで、皆様にご協力いただき実施したアンケート調査の結果をお知らせします。

クロス統計による詳細なデータについてはまだ完成していないのですが、アンケート、また県内の当事者インタビュー(実施10名、今回の掲載は3名)、用語解説などを載せたリーフレットを作成中でして、そのデータを今回こちらに掲載します。

RC-NETは、性暴力サバイバーによる、性暴力サバイバーのための団体として2008年より活動を始め、その中でも、よりハイリスクな人口層についての特化した取り組みを進めてきました。ハイリスクというのは、「被害に遭いやすい」ということではなく、被害にあっても、被害を訴え出たり、助けを求めたり、当たり前の権利侵害への声を出しにくい人たち、ということです。

2014年から青森に拠点を移し、地方におけるサバイバーやLGBTIQAの居場所づくりをしてきて、特に、LGBTIQAに関して、実体を踏まえた適切な社会システムの構築が必要であると考え、実践してきました。その中で、今回、200人を超える青森の当事者からの協力をいただき、こうした調査報告をまとめられたこと、ご協力いただいた青森のLGBTIQA当事者の皆様に、心から感謝を申し上げます。

また、こうした、それぞれの勇気の一歩が、社会を変革し、より「生きやすいまちづくり」に活かされることを、心から願っています。

 

<調査概要>

実施期間:2017年9〜10

対象

「青森出身/青森在住」「青森出身/他都道府県在住」「他都道府県出身

 青森在住」の性的マイノリティ当事者

回答数:

216(内、有効回答数200

アンケート内容:

出身・居住区分/年代/性別/性的指向/差別・偏見・生き辛さの経験値/差別・偏見・生き辛さの内容/カミングアウトの有無/カミングアウト対象者の属性/青森への想い・望む事

調査実施団体:

レイプクライシス・ネットワーク(青森市安方1-3-24-2F 担当者:岡田、宇佐美)

実施事業:

トヨタ財団 国内助成プログラム

 

 

 

このまちにいきる にじいろのなかまたち<クリックして大きな画像でご覧下さい>

 

 

 

 

ウェブ調査ということもあり、20代の回答が最も多くなっています。しかし、10代から60代、インタビュー調査も含めると70代までの方から回答をいただいています。

回答は青森出身/在住の方が117人と最も多く、続いて、青森出身/他都道府県等在住、他党道府県等出身/青森在住と続きます。

そうした中で、「差別・偏見、生き辛さを感じる、不安に思う」人は175人と、全体の9割に上りました。

わからない、ない、と回答いただいた方の中にも半数近くは具体的な不安や経験についてを記載項目で書いており、且つ「これを差別と言っていいかわからないので」であるとか、「差別というより、区別はあって仕方ないから」などという形で記載をいただいているものもありました。

カミングアウトについて、一切カミングアウトをしていないという方は全体の18%。カミングアウトをした相手として最も多いのは「友人」そして、設定項目の中で最も低いのは「教員」でした。また、教員に関しては、差別経験の具体例の中で5件ほど差別の加害者として記されているものがあり、「ジェンダー/セクシュアリティへの理解を深める」ことも大切ですが、教職員による差別行為を無くすための取り組みがより能動的に行われる必要についてを実感するものでもありました。

 

上記のデータに関しては、年明けには最終データとして入稿し、リーフレットを作成、関係各所に送付させていただきます。

また、印刷用のデータをご入用の方は、 rc-net@goo.jp まで、「青森SOGIESCデータPDF希望」とお知らせください。データに関しては、出典を必ずご記入いただくことを条件に、各所においてご自由に使用いただければと思います。使用時にはお知らせいただければ、より嬉しいです。

 

記載欄への記入が大変多く、ほんの一部しかリーフレット上には掲載することが出来ませんでした。

以下に、差別経験や、青森への想いについて、これまた一部にはなりますが、掲載させていただきます。

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差別・偏見、生き辛さを感じた具体例

・パートナーの親の死に病院側からの明確な指示で立ち会うことが出来なかった
居ない物扱いや病気扱いされる
結婚適齢期なのに結婚しないのはなぜかと問い詰められる。恋人はいるのか、性経験があるの、当たり前のように聞かれる
16同性のパートナーと暮らしていますが、制度保障が何もなく、相手は親にカミングアウトしていないため、もし相手の身に何かあった時、病院で面会できるのかとか、亡くなったらどうなるのかなど不安です
就活の際地元銀行の面接で卒業研究内容がセクシャルマイノリティーである理由を聞かれ、当事者だからと答えたら面接官皆んな固まり、当然落ちた。あの時の面接官の顔は忘れない
オカマ野郎といじめられていた
高校の卒業式に希望の性別の制服で参加することを拒否された
カマは人間じゃないと父親に言われた。すごく傷ついて自殺を考えた
学校で性的マイノリティに対しての心無い声を聞いてしまい、それを教員に相談たらあなたは見た目から当事者だと思われないから大丈夫だ」、「性的マイノリティかどうかは身に着けている下着でわかる」などよくわからないアドバイスをされた

クラス内でのホモ、オカマネタのいじめや、教師による「同性愛=異常」をネタにした雑談などは普通にあった
見知らぬ人からの望まない性的触り、合意していない性行為の経験があります。女性相談に話したいと考えたこともありましたが、自分のセクシュアリティに触れてもよいものか、それから、やっぱり自分のせいだったのではないかと考えたりして、相談しなかったことがありました
・教員に相談したら逆にいじめられた。


青森に望む事、青森への想い

青森に帰る度に保守的だなあと感じることが多々あるので、もう少しみんな寛容になってくれたらなあと思います。パートナーシップ制度などが制定されたら恋人と一緒に移住しようかな

GIDに対応する病院を作ってほしかった

ダジャレやオヤジギャグを考えさせたら全国1位かもしれない県民性を生かして、面白いキャッチコピーで同性婚やパートナーシップ法を成立させて、いち早く性の多様性を広める県になって欲しい

存在や生きづらさを知れば、当事者への安易な差別や発言は減ると思う

多様性に対して敬意を払う地域になってほしい

セクシュアリティに限らず、差別や偏見なく生活できること

・せめて、どんな性別でも、どんな服を着て、誰をパートナーにしてても、ほっといてほしい

青森に住んでいたのはだいぶ前のことなのですが、学校でも親戚の間でもとにかく男尊女卑がひどいと感じていました。小さい頃はおかまといじめられ、高校まで「男は男らしくしろ!」とか「男だったら我慢しろ!」と怒鳴られっぱなしだったように感じています。ここではとても生きていけない、とにかく都会の大学に行かなければと思い、逃げるように故郷を後にしました。東京に来て本当によかった。ここでは自由に息ができます。帰る気は全くありません。青森では生きていけないと、今でも思っています。



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