goo blog サービス終了のお知らせ 

RC-NET(レイプクライシス・ネットワーク) BLOG.

RC-NET STAFFによる、日常の些細な出来事から、お知らせまでいろいろなぶろぐ。

<性暴力についての報道や記事を書く際のお願い>支援情報も一緒に掲載してください

2017-06-05 15:28:06 | 映画/小説/ドラマ

<性暴力についての報道や記事を書く際のお願い>

性暴力についての情報をみるのは、性暴力を生き抜くサバイバーたちにとって、多かれ少なかれ、ストレスになるものです。
その情報によっては、自らの被害などを思い出して調子が悪くなったり、フラッシュバックを起こしたりすることもあります。

性暴力について、多くの場所で議論が沸き上がったり、そこから様々な支援や啓発に繋がっていくのはとても嬉しいことです。
その一方で、もう、すでに、性暴力被害にあい、その事で苦しんでいる人たちがいることを忘れないでください。

ぜひ、性暴力について書いたり、発信する時には、被害にあった時、辛い気持ちになっている時に相談出来る場所、助けになりそうな場所の情報も一緒に流して下さい。

性暴力についての情報は、「議論」のためにあるのではありません。
性暴力というあまりにも強烈な出来事を、生き抜いて来た、また生き抜く為に踏ん張ってる多くの人達がいることを忘れないでください。

確かに「とてつもなく酷い出来事」かもしれません。
確かに「こんなもの無くなればいい」としか言えないようなことかもしれません。
だけれども、
私たちはこの街で、もう一緒に生きています。
みなさんと共に暮らす性暴力サバイバーにとって、生きやすい社会を作るために協力をお願いします。

RC-NETでは全国の相談窓口の情報データベースをつくっています。
各都道府県毎に選択して検索することも出来ますし、項目を選択しなければ、一覧で出すことも出来ます。
http://rc-net.info/database.html

ぜひ、ご利用いただければと思います。

 

ーーーーーーーーーーー

性暴力サバイバーの支援活動をご支援下さい。

寄付をする;活動資金のサポートをお願いします

会員になる;団体会員(1万円)維持会員(5千円)賛助会員(3千円)

郵便振替 00980-8-194971 レイプクライシス・ネットワーク

ゆうちょ普通預金 14190-82780161 レイプクライシス・ネットワーク

※会員希望の方、寄付をお考えの方は、会員限定ウェブラジオ等の配信をさせていただきますので必ず入会について rc-net@goo.jp までメールアドレスをお知らせください。

 

<オススメ書籍>

生きる勇気と癒す力―性暴力の時代を生きる女性のためのガイドブック
原美奈子,二見れい子
三一書房
マイ ステップ(CD付き): 性被害を受けた子どもと支援者のための心理教育
野坂 祐子,浅野 恭子
誠信書房
あなたに伝えたいこと:性的虐待・性被害からの回復のために
野坂 祐子,浅野 恭子
誠信書房
子どもへの性暴力: その理解と支援
藤森 和美,野坂 祐子
誠信書房

VICTIMからSURVIVORへ。救済より尊重を!

2017-04-12 15:23:54 | 映画/小説/ドラマ

RC-NETは設立以来、政策提言を始めとした、政策・法律に関わる活動をあまりしてこなかった。それは「まず当事者と共にある事」「まず当事者にとって生きやすい社会をつくること」その為には、まず「当事者の居場所を作る事」だと考えてきたからだ。

しかし、2014年に改正議論が加速化し、法務省の検討委員会にてヒアリングに呼ばれたことから、私たちが受けてきた相談事案を含め、これまでのサバイバーたちの「声」が役に立つならみんな喜んでくれるのではないかと、せっせと書類を作り、せっせと各所でのお話をさせていただいてきた。

「あなたが当事者代表なわけではないでしょう」などと言われたことも何度でもあるが、正直私は、どこであれ、私自身の被害についてを話したことは2回を除いてない(2回は、大学の講義と社会啓発用冊子での体験談にて)。自分が出会ってきたサバイバーや各国での実践に基づいて話しているだけだ。

というわけで、代表だ等と思った事は一瞬もない。それを前提として、私は今の性暴力被害者支援の現場が見るに耐えないものだと感じている。

「強姦罪」

これが、被害の実態に即しておらず、より実態に即した形で改正されなければならない、ということについては異議を唱える隙はない。もちろんだ。しかし、性暴力の全ては強姦罪だけで語れるものではないのも確かなことだ。法務省の改正の論点に沿った議論しかせず、勝ちをとりに行こうとしたことについては、私たち市民団体の反省点の一つだと思う。その論点の洗い出しからしなければならなかった。実際にそうした声はあった。これまで、性暴力とは何かということについてより習熟した論議があったにもかかわらず、当事者団体としての改正に向けた素案を出さずに国の言う議論に乗ってしまっただけだからだ。

その改正論点の中からですら、政府が受け取った答申においては多くの事柄が排除されてしまった。暴行脅迫要件はその中の大きな課題の一つ。性暴力被害を受けた多くの人たちが「生き延びるため」にした選択が、改正案の中でも「抗拒不能性」を問われ、強姦であることを認められはしないのだ。

また、陰茎の挿入のみを強姦とすることについてもそうであろう。挿入の主体が性器か否かで犯罪の性質、被害にあった者のダメージが変わるというのだから、とんだ茶番のような話だ。それで、量刑が変わってしまうのだから。

そして、監護者要件についても、児童福祉法に則った「現に監護する者」からの被害以外は被害と認めないという。要は経済的に、その者の生活を支えている人間だけ、ということだ。他団体の方がこれを「近親者」と記載しているのを見たが、それは完全にミスリードであろう。

そもそも性暴力とは何なのか。

私たちはもっと、もっともっと、そこに注目しなければいけない。

「犯罪」だけを念頭に社会的な発信を続けることは、ある意味では強姦神話を広めることにも繋がる。

VICTIM(被害者)ではなくSURVIVOR(性暴力を生き抜いた人たち)だと名乗りだした人たちは、私たちに「力」があることを伝えたかったはずなのだ。私たちは被害にあった。しかし、一生被害者として生きる必要はない。生き抜いたものたちなのだと、

「被害の圧倒的多数を占める女性」「性犯罪被害者の多くは子供や若い女性です。」というような、これまた「分かりやすさ」ばかりを押し出したもの言いは、そこから除外されたサバイバーの力を奪い取る。

そんなことを支援団体と言う名のもとに行っていること気がつくべきだ。

犯罪、という文脈を重視しすぎるからそういうことになる。何故なら、強姦罪は女性の被害しか認めておらず、それ故に犯罪白書にも女性の被害しか載っていないし、内閣府の調査も女性に対してしか行っていないからだ。日本では、「性暴力」に関する国レベルでの大規模調査が無い。しかし、疑いもなく「被害者は女性」それも「若い女性」とまで言い切るのが今の「支援者」だとしたら、私はこう思うのだ。

サバイバーを分断しているのは、あなた方だ、と。


また、このところ、被害当事者として、また支援者としてのメディア等での発言や、他SNSを含めた自発的な発言の中で、とても気になるものがある。

被害者「救済」という言葉だ。

私は、「救済」という言葉を支援者と呼ばれる人間たちが使いだしたら、それは当事者運動にとって、当事者と支援者のバランスが支援者上位主義に傾いている瞬間だと思っている。要は、人間を弱者と捉えだしたということ。 それはvictimへの視線であり、survivorsへの視線ではない。

社会に対して理解を促したい、議論を大きくしたい、という気持ちはわかる。だが、社会に対して分かりやすい物言いをするがために「救済/救い」という言葉を安易に言うべきではない。強姦罪が改正されれば被害者が救済されるというが、 あなたは裁判をしたからといって救われたのか? 裁判をしなかったから、救われなかったのか?

そんな単純なものではないし、暴行脅迫要件が変わらない現状、裁判をしたからといって「被害者」が救われるような思いをすることは全く、不確かな事柄に過ぎない。

強姦罪改正は、確かに共謀罪よりも先に閣議決定された。順当に行けば先に審議されるはずであり、強姦罪を後に回す事によって共謀罪の審議過程に強姦罪の早期改正を求める当事者の声が利用されるのではないかという懸念はもっともな事であり、単純にこう思う。

「サバイバーを政治利用する現政権与党は最低だ」。

しかし、ある意味ではこうも思う。

強姦罪改正への議論はまだ足りない。時間が出来た。より良い改正のために、私たちは声をあげていかなければいけないと。

そして、現段階での改正案について、これらが施行された場合、施行前の事案であった場合でも改正後の要件での裁判が実施されることになると法制審議会の中では話し合われていたはずだ。

肛門や口への陰茎挿入被害があった人たち、18歳未満で監護者(主に生計を一にする親)からの陰茎挿入をされたという人たち、あなたたちは改正強姦罪で訴えることが可能になる可能性が大きい。今からでも、準備をしていきましょう。

ーーーーーーーーーーー

性暴力サバイバーの支援活動をご支援下さい。

寄付をする;活動資金のサポートをお願いします

会員になる;団体会員(1万円)維持会員(5千円)賛助会員(3千円)

郵便振替 00980-8-194971 レイプクライシス・ネットワーク

ゆうちょ普通預金 14190-82780161 レイプクライシス・ネットワーク

※会員希望の方、寄付をお考えの方は、会員限定ウェブラジオ等の配信をさせていただきますので必ず入会について rc-net@goo.jp までメールアドレスをお知らせください。

 

<オススメ書籍>

生きる勇気と癒す力―性暴力の時代を生きる女性のためのガイドブック
原美奈子,二見れい子
三一書房
新版 トラウマの心理学 心の傷と向きあう方法
小西 聖子
NHK出版
STAND―立ち上がる選択
大藪 順子
いのちのことば社
性犯罪被害にあうということ (朝日文庫)
小林 美佳
朝日新聞出版
13歳、「私」をなくした私 性暴力と生きることのリアル
山本潤
朝日新聞出版

告発の行方

2017-04-03 09:11:01 | 映画/小説/ドラマ

続きまして、「告発の行方」

 

告発の行方 [DVD]
クリエーター情報なし
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン

これももう、今となっては古典と言いますか。

ただ、今見ても、今の日本より全然いいサポートシステムなども垣間みれて(あちら1980年代)、例えばクライシスセンターのスタッフが付き添いに来たり、被害にあった人の「素行」についてを社会が判断することの“愚かさ”を見事に表現してくれている。

レイプシールドの大切さもよく分かります。短いスカート履いてたから?バーでテンションあがってたから?酔ってたから?マリファナ吸うような女だから?「レイプしてもいい」なんて、誰にも言えるはずがない。だけれども、社会は、人は、そんなことで被害者を被害者と視れなくなってしまうことがある。

どんな自分でも、誰かに同意もしていないことを強要されることなんてあっていいはずがない。

支援をする、という立場ですら、被害者に美しい被害者像を持ってしまう。裏切られたような気持ちになってしまう。そして、被害者を「弱者」として捉えていたことに気付けたら。まだいいんだけど。

今の日本のいろいろな流れ出も感じることで、ほんと、時代は繰り返すなぁ、というか、日本はいつまでこうなんだろうなぁ、と思います。

そんなこんなで、やっぱりおすすめの映画です。

 

ただしかし、暴力シーンがどうしても多くなってしまうので、無理に観る事は絶対にすすめません。

 

うーん、オススメの映画、といっても、やっぱしんどい映画ばっかりですねぇ。


ハンティング・グラウンド / Til It Happens To You

2017-04-03 08:30:12 | 映画/小説/ドラマ

引き続き、性暴力関連作品の紹介。

この数年で私が一番印象深いのは、やっぱりこの曲。

 

Til It Happens To You
クリエーター情報なし
Universal Music International Ltda.

 

GAGAが、ハーバードでのキャンパスレイプのドキュメンタリー映画の主題歌として書き下ろした楽曲で、

オスカーでのパフォーマンスでは、GAGAと50人の男女のサバイバーたちがステージに。

サバイバーたちは腕にメッセージを書き、手を繋ぎ、胸を張ってステージに立ってた。

これはほんと、涙無しにはみれなかった…。

その時の映像は↓

Lady Gaga - Till it Happens to You at the The Oscars 2016 Full Performance

 

そしてこの映画「ハンティング・グラウンド」は現状日本ではNETFLIXで観ることが出来ます。

トレーラーはこちら。

予告映像だけで胸熱です。

映画「ハンティング・グラウンド」予告


映画「カラーパープル」

2017-04-03 08:23:55 | 映画/小説/ドラマ

スタッフの岡田です。

最近、法律関係の極まじめなお話が多かったので、ちょっとそこから離れたものを書いて行こうと思います。

今日は、映画!

性暴力サバイバーをテーマに据えた映画って結構沢山あるんですよね。

私、サバイバー関連の映画を観るのがとてつもなく苦手でして(性暴力系の描写はどうしても観てられなくなる、途中で「もう観れない!」となるのがほとんど。暴力全般がダメというわけでは全くないんですが)、途中で観るのを断念したものも沢山。

その中でも印象深い作品をあげてみようかなと思います。

観てないものも含めて、ですが、いろんな映画や作品で性暴力や、性暴力をサバイブした人たちの話って取り上げらていて、そうした作品から、身近な問題として考えてくれる人が増えたらいいなと思ってます。

カラーパープル [DVD]
クリエーター情報なし
ワーナー・ホーム・ビデオ

暴力描写は、演技が上手いからこそのしんどさ。リアリティがあるのでちょっとしんどいですが、この映画に関してはとにかく、最終的に、本当に元気を貰える映画です。

無理をしてでも観て!とは全然言いませんが、最初の「こわ〜」という感じで観ない、としてしまうのは勿体ないかも(でも無理は厳禁)。

『波乱の人生を歩む黒人女性が、1人の人間として目覚める壮絶な人生ドラマ。』

というコピーで1985年に公開されました。

そんなわけで、1人の人間として目覚める、っていう言葉がこの映画の解説等にはよく出てくるんですが、なかなか難しいものですよね。

例えば、度重なる性被害、もういっそ何が被害かも分からなくなる様な暴力が主人公や「黒人女性たち」に降り掛かってくるわけです。映画の中でも描かれているのは「目覚めた」というより、その都度都度、なんとかサバイブするために小さく涙を流したり、小さな息抜きをしたり、小さな友情を確認しあったり、小さな、そして大きな決断をしたりする。ずっとずっと、目覚めているし、生き抜く為にずっとずっと頑張ってる。

その姿がとてもいとおしくて、そして、力強い。


黒人女性たちを「1人の人間として」扱ってなかったのは社会、白人文化なわけですから、「1人の人間として目覚める」ってのはなんか目線がおかしいよな、と思ったりします(いや、コピーは作品に関係ないと言えばないのですが)。

観るには体力もいるけど、本当にいい映画です。