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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

安倍首相は福島原発事故の可能性(全電源喪失→冷却機能停止→メルトダウン)を指摘されていながら、これを無視してしまった主犯だ。

2017年03月11日 | 原発ゼロ社会を目指して

 

 第1次安倍内閣が誕生する2年前の2004年に、高さ10メートルを超える津波をもたらしたスマトラ沖地震が発生し、三陸沿岸で869年に発生した 「貞観(じょうがん)地震」による大津波の研究も進むなど、日本の原発を今回の東日本大震災のような地震や津波が襲うことはすでに「想定内」の事態となっていました。

東日本大震災 福島原発事故は天災じゃなくて人災2 東京電力・経産省も知っていた大津波

東京電力が福島原発事故での津波は想定外でなく対処可能だったと「過失」を認めた目的は柏崎刈羽原発再稼働

 ところが、安倍内閣は安倍氏が幹事長や官房長官などとして支えた小泉内閣の「原子力政策大綱」「原子力立国計画」を引き継ぎ、2030年以降の総電力量に占める原発の比率を30~40%程度以上とし、50年の高速増殖炉の商用化を実現することを目指し、2007年3月、新たな「エネルギー基本計画」を閣議決定し、原子力発電を「基幹電源」として位置付け、使用済み核燃料サイクルを推進することを再確認しました。

 安倍首相こそ、原発を推進し続けた自民党の中でも、飛びぬけて原子力ムラ度合の著しい総理大臣で、今回の第二次安倍内閣の陣容も徹頭徹尾原発推進姿勢を貫いているのです。

 こんな原発に前のめりの内閣の原発安全確認など信用できるわけがないのです。

衆議院総選挙の争点1 「脱原発」 安倍自民党はなおも原発を推進する

安倍自民党 究極の原発推進人事 総裁・幹事長・党三役全員が核武装論者か原発推進論者


 さて、第一次安倍内閣当時、2006年12月13日に提出された日本共産党の吉井英勝衆院議員の質問主意書が出され、地震による送電鉄塔の倒壊などで外部電源が失われた際に、内部電源=ディーゼル発電機やバッテリーなどの非常用電源も働かなく なった場合には「機器冷却系は動かないことになる」と警告したうえで、スウェーデンのフォルスマルク原発で2系列の非常用電源が同時に故障した例も示し、全国の全原発についての検討状況をただしました。

福島原発事故 冷却機能停止→炉心溶融・メルトダウン 原因は津波ではなく地震 受電鉄塔倒壊と復水器停止

福島原発1号機メルトダウン=炉心溶融 水素爆発→「死の灰」=放射性降下物飛散の恐怖再び

 ところが、この津波や地震によって原発の炉心冷却機能が失われ、メルトダウン(炉心溶融)をもたらす危険性を警告した質問主意書に対して、12月22日付けの安倍内閣の答弁書は、過去にも落雷や鉄塔倒壊で送電が止まり、原子炉が非常停止した実例が日本にあることを認めながら、日本の原発はフォルスマルク原発とは

「異なる設計になっている」「同様の事態が発生するとは考えられない」

と断言し、警告を一切無視しました。さらにこの安倍内閣の答弁書は

 「地震、津波等の自然災害への対策を含めて原子炉の安全性については…(中略)…経済産業省が審査し、その審査の妥当性について原子力安全委員会が確認しているものであり、御指摘のような事態が生じないように安全の確保に万全を期している」

としました。安倍内閣はこの時も原発の安全は確認できていると言ったのです!

 

 

 さらに、安倍内閣のこの答弁書は、福島原発事故でも起こったメルトダウンをもたらす燃料焼損の可能性についても、

「経済産業省としては、お尋ねの評価は行っておらず、原子炉の冷却ができない事態が生じないように安全の確保に万全を期している」

と答え、メルトダウンの可能性に対する評価さえ行わないと開き直り、それでも安全の確保は万全だと言い切ったのです。これぞ、原発安全神話の典型です。

メルトダウンの危険を無視した安倍首相に原発を再稼働する資格はない

 今日は東日本大震災、そして福島原発事故から丸6年。

 何度でも言い続けないといけません。

 あの時、真摯に対応していたら。

 人災である福島原発事故の主犯は安倍総理だと。



急速に記憶が風化していっていることを痛感するだけに、何度でも指摘してやらないといけないと思います。

国民が忘れないこと。それを権力者はもっとも嫌がるはず。

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画像:自由民主党ホームページより
 
自由民主党ホームページより

「東日本壊滅」の危機さえあった福島第一原発の重大事故から6年。原発の恐ろしさは忘れ去られ、いまも被災地が抱えている過酷な現実がどんどんなかったことにされようとしている。


 3月11日の今日、この問題をもう一度、見つめ直してほしいと思わざるを得ないが、原発事故をめぐっては、もうひとつ、日本国民が絶対忘れてはいけない重大なことがある。それは、そもそもこの原発事故の"戦犯"は、安倍晋三であるということだ。


 実は、安倍首相は、第一次政権時の2006年、国会で福島原発事故と同じ事態が起きる可能性を指摘されながら、「日本の原発でそういう事態は考えられない」として、対策を拒否していたのだ。だが3.11の後、安倍氏は当時の民主党菅政権の事故後対応のまずさを攻撃することで、また、事実を追及するメディアを「捏造だ!」とがなりたてることで、自らの重大責任を隠匿してきたのだ。


 その結果、ほとんどの国民は、そもそも原発事故に安倍首相が関わっていること自体、知らない状態におかれてきた。


 ならば、本サイトはこれから安倍首相がその責任をとらないかぎり、その事実をずっと言い続けていかなければなるまい。


 本サイトはサイトを開設して最初に迎えた3月11日という日(2015年)に、この安倍氏のフクシマにおける大罪、そして、その責任逃れのために行ってきた数々のメディア圧力を明かした記事を配信した。昨年の3月11日にはそれを再録したが、今年ももう一度、その記事をお届けしようと思う。


 書かれていることはすべて客観的な事実だ。私たちがいかに真実から遠ざけられ、騙されているかをぜひ知ってほしい。
(編集部)


********************


 故郷に帰れない多くの被災者を生み出し、放射性物質を広範囲にまき散らし、作物を汚染し、今も国土や海を汚し続けている福島原発事故。


 だが、この国家による犯罪ともいえる重大な事故をめぐって、ほとんど語られてこなかった事実がある。それは、現内閣総理大臣である安倍晋三の罪についてだ。


 こういうと、安倍支持者はおそらく原発事故が起きたときの首相は民主党の菅直人じゃないか、サヨクが安倍さん憎しで何をいっているのか、というだろう。そうでない人も、原発を推進してきたのは自民党だが、歴代の政権すべてがかかわっていることであり、安倍首相ひとりの問題じゃない、と考えるかもしれない。


 だが、福島原発の事故に関して安倍首相はきわめて直接的な責任を負っている。第一次政権で今と同じ内閣総理大臣の椅子に座っていた2006年、安倍首相は国会で福島原発事故と同じ事態が起きる可能性を指摘されながら、「日本の原発でそういう事態は考えられない」として、対策を拒否していたのだ。


 周知のように、福島原発の事故は津波によって全電源が喪失し、原子炉の冷却機能が失われたことが原因で、政府や電力会社はこうした事態を専門家さえ予測できない想定外のことだったと弁明してきた。


 しかし、実際にはそうではなく、原発事故の5年前に、国会質問でその可能性が指摘されていたのだ。質問をしたのは共産党の吉井英勝衆院議員(当時)。京都大学工学部原子核工学科出身の吉井議員は以前から原発問題に取り組んでいたが、2006年から日本の原発が地震や津波で冷却機能を失う可能性があることを再三にわたって追及していた。3月には、津波で冷却水を取水できなくなる可能性を国会で質問。4月には福島第一原発を視察して、老朽化している施設の危険性を訴えていた。


 そして、第一次安倍政権が誕生して3カ月後の同年12月13日には「巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書」を政府宛に提出。「巨大な地震の発生によって、原発の機器を作動させる電源が喪失する場合の問題も大きい」として、電源喪失によって原子炉が冷却できなくなる危険性があることを指摘した。


 ところが、この質問主意書に対して、同年12月22日、「内閣総理大臣 安倍晋三」名で答弁書が出されているのだが、これがひどいシロモノなのだ。質問に何一つまともに答えず、平気でデタラメを強弁する。


 まず、吉井議員は「原発からの高圧送電鉄塔が倒壊すると、原発の負荷電力ゼロになって原子炉停止(スクラムがかかる)だけでなく、停止した原発の機器冷却系を作動させるための外部電源が得られなくなるのではないか。」という質問を投げかけていたのだが、安倍首相はこんな答弁をしている。


「外部電源から電力の供給を受けられなくなった場合でも、非常用所内電源からの電力により、停止した原子炉の冷却が可能である。」


 吉井議員はこうした回答を予測していたのか、次に「現実には、自家発電機(ディーゼル発電機)の事故で原子炉が停止するなど、バックアップ機能が働かない原発事故があったのではないか。」とたたみかける。


 しかし、これについても、安倍首相は「我が国において、非常用ディーゼル発電機のトラブルにより原子炉が停止した事例はなく、また、必要な電源が確保できずに冷却機能が失われた事例はない。」と一蹴。


 これに対して、吉井議員はスウェーデンのフォルスマルク原発で、4系列あったバックアップ電源のうち2系列が事故にあって機能しなくなった事実を指摘。「日本の原発の約六割はバックアップ電源が二系列ではないのか。仮に、フォルクスマルク原発1号事故と同じように、二系列で事故が発生すると、機器冷却系の電源が全く取れなくなるのではないか。」と糾した。


 すると、安倍首相はこの質問に対して、こう言い切ったのである。


「我が国の原子炉施設は、フォルスマルク発電所一号炉とは異なる設計となっていることなどから、同発電所一号炉の事案と同様の事態が発生するとは考えられない。」


 吉井議員が問題にしているのはバックアップ電源の数のことであり、原子炉の設計とは関係ない。実際、福島原発はバックアップ電源が全部ダメになって、あの深刻な事故が起きた。それを安倍首相は「設計が違うから、同様の事態が発生するとは考えられない」とデタラメを強弁していたのだ。


 そして、吉井議員がこの非常用電源喪失に関する調査や対策強化を求めたことに対しても、安倍首相は「地震、津波等の自然災害への対策を含めた原子炉の安全性については、(中略)経済産業省が審査し、その審査の妥当性について原子力安全委員会が確認しているものであり、御指摘のような事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。」と、現状で十分との認識を示したのだ。


 重ね重ね言うが、福島原発が世界を震撼させるような重大な事故を起こした最大の原因は、バックアップ電源の喪失である。もし、このときに安倍首相がバックアップ電源の検証をして、海外並みに4系列などに増やす対策を講じていたら、福島原発事故は起きなかったかもしれないのだ。


 だが、安倍首相はそれを拒否し、事故を未然に防ぐ最大のチャンスを無視した。これは明らかに不作為の違法行為であり、本来なら、刑事責任さえ問われかねない犯罪行為だ。


 ところが、安倍首相はこんな重大な罪を犯しながら、反省する素振りも謝罪する様子もない。それどころか、原発事故の直後から、海水注入中止命令などのデマをでっちあげて菅直人首相を攻撃。その罪を民主党にすべておっかぶせ続けてきた。


 その厚顔ぶりに唖然とさせられるが、それにしても、なぜ安倍首相はこれまでこの無責任デタラメ答弁の問題を追及されないまま、責任を取らずに逃げおおせてきたのか。


 この背景には、いつものメディアへの恫喝があった。


 実は、下野していた自民党で安倍が総裁に返り咲いた直後の2012年10月、「サンデー毎日」(毎日新聞社)がこの事実を報道したことがある。1ページの短い記事だったが、本サイトが指摘したのと同じ、共産党の吉井英勝衆院議員(当時)の質問主意書に対して安倍首相が提出した答弁書のデタラメな内容を紹介。吉井議員のこんなコメントを掲載するものだった。


「いくら警告しても、マジメに対策を取らなかった安倍内閣の不作為は重大です、そんな安倍氏が総裁に返り咲いて首相再登板をうかがっているのは、本人も自民党も福島事故の責任を感じていない証拠でしょう」


 ところが、これに対して、安倍は大好きなFacebookで、こう反撃したのだ。


「吉井議員の質問主意書には『津波で外部電源が得られなくなる』との指摘はなく、さらにサンデー毎日が吉井議員の質問に回答として引用した政府答弁書の回答部分は別の質問に対する回答部分であって、まったくのデタラメ捏造記事という他ありません」(現在は削除)


 出た、お得意の「捏造」攻撃(笑)。だが、「サンデー毎日」の報道は捏造でもなんでもなかった。たしかに安倍首相の言うように、吉井議員が質問で外部電源が得られなくなる理由としてあげたのは、津波でなく「地震で送電鉄塔の倒壊や折損事故」だった。しかし、だったらなんだというのだろう。そもそも、吉井議員が問題にしていたのは外部電源が得られなくなる理由ではなく、外部電源が得られなくなった場合のバックアップ(非常用)電源の不備だった。


 吉井議員は質問主意書の中で、バックアップ電源4系列中2系列が機能しなくなったスウェーデンの原発事故を引き合いに出しながら、日本の多くの原発が2系列しかないことを危惧。2系列だと両方とも電源喪失して原子炉を冷却できなくなり、大事故につながる可能性があると指摘した。


 それに対して、安倍首相が「我が国の原子炉施設で同様の事態が発生するとは考えられない」と回答したのだ。福島原発の事故はまさにバックアップ電源が喪失したことで起きたものであり、その意味で「サンデー毎日」の「津波に襲われた福島原発を"予言"するような指摘を、十分な調査をせずに『大丈夫』と受け流した」という記述はまったく正しい。


 もし、質問主意書が地震でなく津波と書いていたら、安倍首相は、バックアップ電源の検証を行って、2系列を海外並みの4系列にするよう指導していたのか。そんなはずはないだろう。


 ようするに、安倍首相は自分の責任をごまかすために、枝葉末節の部分をクローズアップし、問題をスリカエ、「記事は捏造」という印象操作を行っているだけなのだ。


 だいたい、これが捏造だとしたら、メルマガで「菅直人首相の命令で福島原発の海水注入が中断された」というデマを拡散した安倍首相はどうなのか、と言いたくなるではないか。


 だが、こうした卑劣な責任逃れを行っているのは安倍首相だけではない。実は安倍首相の捏造攻撃にはお手本があった。それは安倍の盟友の甘利明・現経済再生担当相がその少し前、テレビ東京に対して行っていた抗議だ。前述した安倍首相のFacebookの投稿はこう続けられている。


「昨年テレビ東京が安倍内閣の経産大臣だった甘利代議士に取材した放送で同様の虚偽報道がされたそうです。
 甘利事務所は強く抗議し、テレビ東京が「質問主意書には、津波で電源を失う危険性についての記述はないにもかかわらず、放送では、その危険性があるかのような誤った認識の下、自民党政権の原子力政策に関する報道を行いました」として、虚偽内容の放送であったことを認め、放送法第4条に基づく訂正放送をしたとのことです
 天下のサンデー毎日がすでに訂正放送を行い、謝罪したテレビ局と同じねつ造をするとは(笑)」


 安倍が「同様の虚偽報道」としているのは、2011年6月18日放送の『週刊ニュース新書』(テレビ東京系)のことだ。同番組は原発事故の責任を検証する企画で、第一次安倍内閣でも経産相をつとめ、原子力行政に深くかかわっていた甘利をインタビューし、その際にやはり吉井議員の質問主意書に対する安倍首相の答弁書の問題を追及した。すると、突然、甘利が席を立って、別室に姿を消した。そして、記者にテープを消し、インタビューを流さないように要求したのである。


 テレ東の記者は当然、その要求を拒否。番組では、甘利議員がいなくなって空席となった椅子を映し「取材は中断となりました」とナレーションとテロップを入れて放送した。


 これに対して、放映後、甘利事務所がテレビ東京に抗議してきたのだ。しかも、テレビ東京が完全謝罪を拒否したところ、甘利は東京地裁にテレビ東京と記者3名を名誉毀損で訴えたのである。


 ちなみにこの法廷では、テレビ東京の記者の意見陳述で、甘利元経産相のとんでもない本音が暴露されている。


 甘利元経産相は別室に呼び出した記者に、「これは私を陥れるための取材だ。放送は認めない。テープを消せ」と何度も恫喝し、それを拒否されると、逆ギレしてこう叫んだのだという。


「何度も言うが、原子力安全委員会が安全基準を決める。彼らが決めた基準を経済産業省は事業者に伝えるだけ。(中略)大臣なんて細かいことなんて分かるはずないし、そんな権限がないことくらい分かってるだろう。(質問主意書への)答弁書だって閣議前の2分間かそこらで説明を受けるだけだ」
「原発は全部止まる。企業はどんどん海外へ出て行く。もう日本は終わりだ。落ちる所まで落ちればいい。もう私の知った事ではない」


 これが、経産大臣として原子力行政を司った人間の言葉か、と耳を疑いたくなるが、この裁判にいたる経緯からもわかるように、甘利サイドの抗議、訴訟のメインは質問主意書の内容が「津波でなく地震だった」という話ではなかった。いきなり質問主意書を持ち出してきたことがルール違反だ、自分の承諾なしにインタビューを放映した、自分が逃げたという印象を与えるような報道をされたことが「名誉毀損にあたる」と訴えてきたのである。


 ただ、それだけでは大義がたたないために、テレ東が番組で、「津波による電源喪失を指摘」と報じていたことをとらえ、今回の安倍首相と同じく「質問主意書には津波のことは書いていない」とついでに抗議したのだ。


 そういう意味で、甘利の抗議と訴訟は明らかなイチャモンであり、スラップ訴訟としか思えないものだった。そもそも、甘利や安倍は吉井の質問主意書に津波のことが書いていないというようなことをいっているが、実際は、津波によって冷却機能喪失の危険性を指摘する記述がある。


 だが、弱腰のテレビ東京は、訴訟を起こされる前になんとかなだめようと、地震を津波と間違えた部分だけを訂正してしまった。その結果、訴訟でもほとんどのところで甘利側の言い分が却下されたが、この枝葉末節の部分をテレ東がすでに間違いを認めているとみなされ、330万円の損害賠償金がテレ東側に命じられた(もちろん、この判決の背景には政治家が起こした名誉毀損訴訟についてほとんど政治家側を勝たせ続けている裁判所の体質もある)。


 しかも、テレ東は現場の意向を無視して控訴を断念。報道そのものが「虚偽」「捏造」だったということになってしまった。


 ようするに、安倍首相はこのオトモダチ・甘利が使ったやり口をそのままならって、責任追及の動きを封じ込めようとしたのである。しかも、テレ東がお詫びを出したという結果をちらつかせることで、他のマスコミを封じ込めようとした。


 実際、「サンデー毎日」はさすがにお詫びを出したりはしなかったが、新聞・テレビはすでに甘利のスラップ訴訟で萎縮していたところに安倍の捏造攻撃が加わり、この問題を扱おうとする動きはほとんどなくなった。


 そして、翌年、第二次安倍内閣が発足すると、安倍首相はこれとまったく同じ手口で、自分に批判的なマスコミを片っ端からツブシにかかった。枝葉末節の間違いを針小棒大に取り上げて、「捏造」と喧伝し、批判報道を押さえ込む——。さらに、読売、産経を使って、菅直人元首相や民主党政権の対応のまずさを次々に報道させ、完全に原発事故は菅政権のせいという世論をつくりだしてしまった。


 こうした安倍首相とその仲間たちの謀略体質には恐怖さえ覚えるが、もっと恐ろしいのは、彼らが政権をとって、再び原発政策を決める地位にあることだ。不作為の違法行為によってあの苛烈な事故を引き起こしながら、その責任を一切感じることなく、デマを流して他党に責任を押しつける総理大臣と、我が身可愛さに「もう日本は終わりだ。落ちる所まで落ちればいい。もう私の知った事ではない」と叫ぶ経済再生担当大臣。この無責任のきわみともいえる2人がいる内閣が今、原発再稼働を推し進めようとしているのだ。


 このままいけば、"フクシマ"は確実に繰り返されることになる。
(エンジョウトオル)



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17 コメント

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Unknown (polarbear)
2017-03-11 21:05:16
原子力コングロマリットを牽引する、アベ=自民党、官僚、経団連、電力会社は、国民を被曝させ国土を破壊したテロリストであり、犯罪者集団だ。彼らの責任を問い、牢屋に入れることができた時こそが、日本国民にとって最初の節目を超える時であり、このような未曾有の犯罪を引き起こした責任が、戦争責任のように有耶無耶になるような事があっては断じてならない。アメリカの指示も統治行為論も日米安保体系も日米原子力協定も敵国条項も関係ない。ろくでもない自身の外交能力を棚に上げ、ぐずぐず言い訳を言いながら米軍犯罪者を裁けない外務省官僚も裁判官もみんな牢屋に入るべき。福島の被害者たちが泣くような事が起きる事など言語道断だったはずだ。わたしたちは絶対に民主主義と法治国家であることを捨ててはならない!!!
返信する
酷い…(泣)。 (リベラ・メ(本物の))
2017-03-11 21:12:21
酷い、あんまりだ…(泣)。吉井議員の意見に耳を傾けていたなら、福島の人達が辛い思いをせずに済んだのに…(涙)。
返信する
拡散 (ラッキー)
2017-03-11 23:13:07
森友10万人デモ〜野党共闘で衆議院選を勝とう!〜
https://www.facebook.com/events/1811118732470759/permalink/1812616862320946/

■全体構成■
☆10万人デモ(国会前アクション)
場所:国会正門前、11:00〜12:30(最終日は13:00まで)

・第二陣 3/12(日)、2000人デモ
・第三陣 3/19(日)、10万人クライマックス

森友3万人デモ
いつの間にか10万人に?

行けない人は、メディアに報道するようご意見を。
返信する
やっぱり (アベの脱税疑惑)
2017-03-12 00:56:43
ハンドルネームを「犯罪者安倍」や「容疑者安倍晋三」に変えたい気分です。

さて、「アンダーコントロール」と言ってのけた御仁ですから、さもありなん。朝鮮民主主義共和国(北朝鮮)がミサイルを撃ったとき、軽ーく抗議です。
「原発にあたらなくてよかった。」と私は思いましたが、皆さんはどうだったでしょう。
原発を維持推進するやつが、北の脅威を喧伝する。なんという矛盾でしょう。福井には、「どうぞ狙ってください」と言わんばかりに原発があります。
1981年にイスラエルがイラクの原子炉施設を爆撃しました。幸い、燃料棒が入れられていなかったおかげで最悪の事態は避けられましたが、世界は震撼しました。
日本のどの原発に当たろうと、ミサイルが命中すれば終わりです。

よく「北のミサイルが飛んできたらどうするんだ」という声を聴きます。飛んできたら終わりなんです。
原発に当たれば狭い国土の日本で、いったいどこに逃げるのでしょう。逃げ場がないから、福島では無理やり避難命令が解除されていきます。住めるのなら、首都を福島に移せばいい。復興が進みますよ。オリンピックも福島で。

できませんよね。ずーっと先まで危険なんだから。避難者がいじめを受けるのは、安倍晋三が「アンダーコントロール」と大ウソをついたからではありませんか。

犯罪者安倍晋三 本当に変えたい気分です。
返信する
式辞でも「原発事故」無視かい?! (ば印)
2017-03-12 09:30:49
https://www.google.co.jp/amp/amp.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201703/CK2017031202000149.html

【 首相式辞「原発事故」使わず  6回目の追悼式で初 】
政治 2017年3月12日 朝刊

 東京都内で十一日に開かれた東日本大震災の政府主催の追悼式で、安倍晋三首相は「原発事故」の文言を式辞で使わなかった。
追悼式は震災翌年の二〇一二年から毎年開かれ、今回が六回目。
昨年までは首相式辞の中で必ず触れていた。

「原発事故との戦いは続いています」
一二年の式辞で当時の野田佳彦首相はこう述べた。
安倍首相は一三、一四年に「原発事故のためにいまだ古里に戻れない方々も数多くおられます」と同じ表現で言及。
一五、一六年は「原発事故のために住み慣れた土地に戻れない方々」との言い回しだった。

 今回は「復興は着実に進展していることを実感します」「福島においても順次避難指示の解除が行われるなど、復興は新たな段階に入りつつある」などと復興の成果を強調した。〈以下、式辞全文〉


♪ (原発事故なんか)なかったことに〜 w
返信する
目指すは、オバママニア越え!? (リアクトグラフ)
2017-03-12 13:23:06
>国民が忘れないこと。それを権力者はもっとも嫌がるはず。

私、覚えてますよ。
「最後の一人まで探し出し、年金を払います」
で、探し始めたら、探し出されたことは、

最後の一人どころか、現理財局よろしく、「記録がない」で、
払えないことが判明したことと、
払えるのか、払えないのかがわからない時点で「最後の一人まで・・・」と、
その場逃れのウソ答弁をしたことが判明したこと!笑

長い人生で骨の髄まで染み入ったいい加減さか、
もしやほんとにあるのかと思わせる、ナチュラルボーン・嘘つきか。

ほんと、この人のウソ列伝、書けば、広辞苑も敵わぬほど分厚くなりなりそうですね。
返信する
Unknown (polarbear)
2017-03-12 23:24:53
節目超えのアベとしては決して日本では放映してもらうわけにはいかないドキュメンタリー映画なんでしょうかね。とんがったところやドラマチックな場面など全くない、ものすごく淡々とした映像だし、歴史的な捉え方も日本人が受け入れやすい程度にしか扱われていないのにもかかわらず。そしてオリンピックスポンサーでもある大手マスコミは、今後ますますオリンピック報道に傾いていくのでしょうか。春なのに寒い気がするね。
> https://vimeo.com/207604996
映画『福島原発の悲劇』(英語版原題 "Fukushima: A Nuclear Story")
この映画は、昨年3月11日にイタリアのSKYTG24テレビ放送で初公開され、その後、アメリカ、カナダ、ブラジルも含めて、世界16ヶ国で放映されました。が、日本では未だ正式公開されてはいません。全テレビ局おことわりしました。しかしながら、これは、特に日本人の為に作られた映画なのです。日本の人々がこの映画を観れるように、その権利を守るために、今から1週間にかけて、無料配信致します。是非御覧ください。そして、宜しければ、是非コメントをお寄せください。宜しくお願い致します。
返信する
polarbearさんへ (kei)
2017-03-13 11:17:25
この映画のどこが日本での放映を阻むのかを考えましたが、やはりリアルであることでしょう。

まず、生々しく当時の記憶と感情が蘇ります。驚愕・恐怖・後悔、そして我々が一部の人間が作った巧妙な「神話」によって騙されていたということ。

そして首都壊滅は奇跡によって免れたという事実。この最悪の事態を改めて国民に思い浮かばせると、今後の原発推進・輸出の妨げになる。

という辺りでしょうか。
節目ということもあり、私も思い切り振りかえらせて頂きました。あの、6月の官邸前デモの様子を見ると、いまだに涙が出ます。あれが今の私の原動力の一つでもあるので。
返信する
keiさま、 (polarbear)
2017-03-13 23:01:47
ブログ主さま、みなさま、
昨日コメントしました中に引用したドキュメンタリーフイルムが、現在無料視聴不可になっております。申し訳ありません。vimeo によれば、配給元の著作権により映像を削除したとの事ですが、昨日わたしが視聴し、その後、こちらにコメントを残した時点でこの映画につけられていた解説は以下の通りであり、作家の意向を反映したもの考えたため、コメント内に引用しました。 ”これは特に日本人の為に作られた映画なのです。日本の人々がこの映画を観れるように、その権利を守るために、今から1週間にかけて、無料配信致します。是非御覧ください” (引用終わり)今後どうなるか状況は不明です。ウェブで検索すると,現状YouTube で原語版(伊、英)であれば視聴できるようです。

kei さま、
このドキュメンタリー映画が日本で放映できないという理由、放映を断ったという全ての局の言い訳がどのようなものなのか、私は聞いてみたいと思いますし、大変興味があります。この映画では、その時その場にいて関わったものを否応無く過去へと連れ戻すというドキュメンタリー映像特有の力が存分に発揮されており、しかも、作家によるある意味で必要以上の抑制が全体に利いているために、それは例えば音楽の選択や音量のバランス、作家自身による、ぼそぼそとした独り言に近いナレーション、過去の事実は実写ではなくコミックのアニメーションを使って表現された事などにより、ひとりの日本人が感じたであろう等身大の 3.11 が、良く再現されていたと思います。もし、わたしが同じテーマでドキュメンタリーを作るなら、同じ事実の範囲でも、もっとドラマチックなものにしてしまったでしょう。それは映像作家がともすれば犯しがちな間違い、感じる事全てを何とかして映像に閉じ込めたいという、作家自身の欲望から生じる事実の誇張に多少でも陥ることがないように、一コマ一コマを慎重に考え抜き選び抜いた上で編集された結果によりもたらされたように思えます。その事によりむしろ、被害にあった度合いが強いほど、こんな事ではなかった、この程度ではなかった、イタリア人には所詮このようなつらさ、このような悲しみはわからないのだ、という理不尽な感想すら生まれてきそうな内容ではなかったか、と感じられたほどです。恐怖も驚愕も、悲しさも苦しさも、直接的な事象や激しい感情の爆発は起こりません。実際に起きた3号機の爆発の場面さえ、作家はテレビを眺めているのです。ちょうど、私たちがそうしていたように。今振り返るからこそ、そのようになった(あるいは真の当事者ではない外国人による視点だからだという意見が出そうな気もしますが)淡々とした、何歳未満は親の解説が必要、といった事とは無縁のドキュメンタリーです。しかし、日本のテレビ局全てが、このドキュメンタリー映画の放送を断った。それは、このドキュメンタリーが放送に値しないほどつまらなくダメな作品だったから、ではないはずです。そして、この作品のすべてのシーンが奇跡的に起こらなかった破滅を含む絶対的なリアルだったから、というkeiさまの指摘も、残念ながら97パーセントほどしか当たっていないように感じられます。確かに97パーセントについては、破滅の可能性を含む事実の再現であるドキュメンタリーが放映される事で、人々がまざまざと思い出し、実体験に基づく思い出はより明瞭になり、いっそう強く記憶されてしまうという一部の人間たちにとってまったく不都合な事態を、現実に体験した多くの人たちが存在する以上フェイクではすまされない圧倒的なリアルを、何とか隠蔽しなければならないとする力が働いているためだろうと、私もその点については100パーセント同感です。しかし、この映画が今の日本のテレビ局では放映できない残り3パーセントの理由は、事実の中に政治家の話が紛れこんでいるためという実に下らない、最近流行の “忖度” によるものではないのかという絶望的な予感を、自分では打ち消す事ができずにイライラしているのです。3.11 直後に起きた、政府と報道の自爆ともいえる混乱によって、多くの人たちは、時系列順に、本当はいつどの時点で何が起こり何が隠蔽され、どの時点で何がどう報道されどう訂正されて現在にいたったか、よくわからないまま今日まできてしまっているように思われます。しかも、3.11を引き起こした原因は、ブログ主さまも指摘されている通り、3.11より以前に行われた(あるいは正しく行われなかった)いくつもの事実の積み重ねに起因しており、だからといって遡って詳細まで調べようとする人たちは、まだまだ圧倒的多数にはなっていないような気がしてしまうのです。そして昨日この大惨事について、この映画に登場した一人の政治家によって公式な完全収束宣言とも思われる発言が出た。3.11 の結果、本当に目が覚めた、という人たちが、私が想像するより多いことを私は願ってやみません。なぜなら原子力発電の安全神話は終わっておらず、多くの日本人がまだまだ物語の中に生きたがっているように感じることがあるからです。日本の危機的な現状のひとつの原因は、等身大の 3.11を描くドキュメンタリー映画の放送を拒んでしまう、自爆自死状態の続くマスコミにあることは間違いないでしょう。そして、オリンピックから多大な利を受けるオフィシャルスポンサーでもあるマスコミは、ところどころで正義を主張するように見えたとしても、全体の帰結として、福島大惨事を忘れたい現政権を支持し、それはとりもなおさず、すでに憲法を改正し再び戦争をする事を支持する事態となっている事について、わたしたちはあらゆる方法を使って糾弾しなければならないところまで遂に来てしまったような気がします。このドキュメンタリー映画につけられていた ”これは特に日本人の為に作られた映画なのです。日本の人々がこの映画を観れるように、その権利を守るために” という作家の言葉は、私には心の叫び声のように聞こえます。すみません。もはやコメントとはとても言えない、長々とした文章になってしまいました。お詫びいたします。E.H. カーによる、歴史とは ”現在と過去の間の尽きることを知らぬ対話” というセンテンスは、今日では引用されすぎて陳腐となった感も有りますが、Kei さまのコメントはカーの主義を楽しみ遊びながら実践されているかのような視点が大変興味深いと思っておりました。ブログ主様、ながーい場所をお借りする事になりますこと、お詫びいたします。
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もう一度想定外をするつもりか (メルトダウン)
2017-03-14 02:38:54
原発で強風でクレーンが倒れた。想定外の強風だったとか。寒気がした。原子炉には想定外が絶対にないと言えるのか。原発がなくなると原発の安全性を審査する役目の人たちだって困る。だから原発を残すために審査した結果安全だという。ありえない。原発に中立、いや反対者の中にまで原発で飯を食おうとしているものが。万に一つでも想定外があってはならない。もう一つの福島を作ってはならない。原発の後始末・廃炉や使用済み燃料の処分方法も確立していないのに原発運転は狂気の沙汰。メルトダウンした時の対処だって置き去りにしての運転はありえない。メルトダウンの威力脅威を過小評価している。避難計画も非現実的である。休日でも渋滞する道路が一斉避難時役立たないのは目に見えている。原発は五重の安全であるから、危険だというのは非国民と言わんばかりに封じ、原子炉の非常事態訓練すらまともにやらず、防護設備を形だけの最低にしてきた経営と政治の結果である。原発事故からは地球のどこへ逃げても逃げきれないときが必ず来る。
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