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映画のジャンルに「引き籠もり」物ってジャンルがあるのかどうなのか知らないんですが、凄く良く言えばインドア派、悪く言えばヒッキーなわたくしは、映画でも、暗くて狭いところからなかなか出てこられない!的なものが滅法好きなようです。面堂終太郎の逆!
さて、今日から始める「絶対ハズレなし!超お勧め映画!!」シリーズで歴史的な第1作となるのが、究極の引きこもり映画、「潜水艦物」ですね。これから、二大引きこもり映画カテゴリーである「刑務所物」と合わせて何度も、この引きこもりが語る引きこもりのための引きこもり映画について、熱く、引っ込み思案に語りたいと思います。
ちゅうか、潜水艦に乗ってる人も牢屋に入れられている人も、引きこもってるわけじゃないんだけど!
さあ、そんな潜水艦モノのナンバーワン映画はこれだ!
舞台となるのはアラバマという原子力潜水艦。
わたくしが愛してやまない俳優ナンバーワンのジーン・ハックマン(フレンチコネクションでアカデミー主演男優賞受賞)が艦長ラムジー大佐で、これまた大好きなアフリカン俳優ナンバーワンのデンゼル・ワシントン(トレーニングデイでアカデミー主演男優賞)が副艦長で、舞台が最初から最後まで潜水艦の中という、亡きトニー・スコットがわたくしのために作ったのではないかと思われるほど、わたくしのツボ、ドンぴしゃりの映画です。10回以上観てます。
クリムゾン・タイドのトニー・スコット監督逝く トップガン、ビバリーヒルズコップ2、マイ・ボディガード
さて、ソ連崩壊後のロシアで右翼過激派ラドチェンコ一味が軍の反勢力と結託、シベリアの核ミサイル基地を占拠するという事件が発生。しかも、なんとアメリカ合衆国と日本列島に核ミサイルの照準を合わせたと脅迫!
一触即発の危機に米大統領から「相手が核ミサイルを発射せんとすればこれに核先制攻撃をかまして殲滅せよ」との命令が歴戦の勇者アラバマに下される!
そこで原潜アラバマが出動、臨戦態勢の航海中に、ペンタゴンから「ラドチェンコがミサイル発射準備を開始した。先に核ミサイルを打ち込め!」との指令を受信す。
しかし、その後に来た指令電信は突発的な相手潜水艦の攻撃でブツ切れに・・・・・
核ミサイルを発射するのかしないのか、その世界の命運を握る指令の結論が確認出来ぬまま、叩き上げの軍人である艦長のラムジーとハーバード卒でエリート軍人の副官ハンターは、激しく対立することになる・・・・
この映画が公開された1995年当時は、旧ソ連が崩壊してロシアはエリツィンが大統領だし、ジリノフスキーっていう極右が何をするかわからないという、ロシアがおそロシヤ感を満々に出してたんですねえ。
今では、さらにマジで恐ろしいプーチンが大統領になって久しいわけですが。
冷戦時代の、アメリカとソ連という超大国が核兵器を保有してそれなりの平安を保っていた時代が終わり、ソ連が崩壊して、これから世界に何万発もある過剰な核兵器の管理はどうなってしまうのか、偶発的核戦争の危険性をどうするのか、核保有国の核兵器はどうやって削減・廃絶していったら良いんだ、というリアルな時代背景を元にしています。
そして、描かれるのは、戦争物なら必ず出てくる男と男の対決ですな。
男と男の意地とプライドをかけた闘いっていうんですか。
戦争物で男同士の闘いというと、これも潜水艦物の、米駆逐艦の艦長がロバート・ミッチャム、独潜水艦艦長がクルト・ユルゲンスの名作戦争映画「眼下の敵」のように、当然敵と敵との対立と友情みたいな話が多いのですが。
こと潜水艦物では、とにかく外部との接触がなくてですね。出てくる人出てくる人、みんな潜水艦の中に引きこもっているわけ(じゃないけど)ですから。そりゃあ、対立は必然的に潜水艦内部ということになります。
ちなみに潜水艦アラバマ内部の力関係と言えば、乗組員はみんな、歴戦の勇士で大ベテラン艦長のジーン・ハックマンの子飼いの部下です。そういえば、副艦長デンゼル・ワシントンの親友がロード・オブ・ザ・リングのカッコイイ騎士ヴィゴ・モーテンセンなんですが、彼も艦長には逆らえません。
そんな乗組員たちに、アラバマ出航に際して、ラムジー艦長が豪雨の中で檄を飛ばすシーンはつとに有名で、「クリムゾン・タイド スピーチ」で検索すると、このハックマンの名演説ばかりがヒットします。ちょっと長いですが引用します。
と、書いて引用しかけたんですが、余りにも長くて今回の記事の半分以上になったのでやめます。読みたい方は、こちら。
実は、このラムゼイ艦長役はあの私が愛してやまない(こればっかり)、アル・パチーノが断ったんですってね!ああ、話が長くなるけど、ジーン・ハックマンとアル・パチーノって若いころ親友で、二人で「スケアクロウ」って言う名作に主演しているんですが、「俺はデビュー前なのにもう髪の毛が薄くなってきた」「俺は背が低すぎる」って愚痴りあっていたんですってね!
アカデミー主演男優賞を遂に獲った「セント・オブ・ウーマン 夢の香り」でもラストに凄い演説シーンがあり、演説と言えばこの人とさえ言えるアル・パチーノがラムジーを演っていたら、これはまたこれで凄かったろうとも思いますが、ハックマンもクリント・イーストウッドが自分の対等以上の敵として、「許されざる者」の保安官や「目撃」の大統領に持ってきた名優中の名優ですから、この演説・訓辞は凄い貫目(貫禄)で全身粟立ちます。
とにかく、これ一発でこの映画の掴みはOK。
この映画でも実にインパクトのある名演説シーンであります。軍隊嫌いの私も、ここまであのハックマンに煽られると、なんかいっちょやったろか!ってな気分になるくらいです。
ただ、ここのシーンで、ハックマンの横で静かに微笑んでラムジーを見ている副艦長デンゼル・ワシントンもまたいい味を出しているんですよね。
さて、やっと、この映画でわたくしが本当に書きたかった名シーンにたどりつきました。
前振りがどんだけ長いんだという話ですが、シリーズ第一回ですから少々興奮しているということでお許しください。
この映画でまだ艦長と副艦長の対立が顕在化する前の物語の序盤、新参のエリート副艦長のワシントンが、艦長ハックマンに半ば強引に強制されて、士官室での食事時に彼らの前で戦争論を一席ぶたなければならなくなる場面があります。
そこで、彼が静かに語るのが、表題のセリフです。
「核時代の真の敵。それは戦争そのものです」
そう、核均衡論という幻想の下、アメリカ対ロシア、アメリカ対中国、中国対インド、インド対パキスタン・・・・のように、敵対国家が複雑かつ多様にお互いに核の銃口を向けあう世界。それは、核兵器開発・保有以前の地球とは全然違います。
いったん戦争が起これば、人類が破滅しかねない世界、それが核時代です。
そんな核時代には、敵国自体が最も危険な敵ではない。まさに、核ミサイルの撃ち合いになりかねない、決して起こしてはならない戦争そのものが人類の真の敵なのだ。
ジーン・ハックマンと彼が率いる士官たちには理解しえないかもしれない、ハンター副艦長の深い洞察。
映画冒頭のハックマンの奔流のような怒涛の演説とは対照的な、ワシントンのこの静かなスピーチこそが、この映画を観る観客にとって、そしてなにより核兵器廃絶と被爆者援護を生涯の目標と定めていたわたくしにとって、この映画の、そして映画史上の白眉の傑作スピーチシーンなのでした。
ここまで、ラムジー艦長の煽りのごとくガンガン書き連ねてきましたが、このシリーズ、わたくしの他の映画記事と同様、ネタバレは極力避けております。
どんだけというくらい書きまくってきましたが、これでも映画の序盤4分の1。
ここから、映画は戦闘また戦闘、逆転に次ぐ逆転、そして漢と書いておとこと読む二人の対決を物凄いテンポで描いていきますので、まだまだここまでは序の口。ご安心ください。
というわけで、どんだけこの映画好きやねん、ということがあからさまな第1回となりましたが、これからも血管ブチ切れそうなくらい興奮する、絶対借りて観て損のない名作をどんどんご紹介していきますので、皆様の映画鑑賞のお供に必携のこのシリーズ、乞うご期待!
燃えたぜ・・・真っ白な灰になるまで燃え尽きた。
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実は、これ、よく使われるパターンで、有名なジョークなのかも知れませんね。
三谷幸喜あたりが、どこかでパクッてたような気もしますが、こういうラストはホッとします。
本作は、やや米軍美化の気もしますが、よろしければ、「未知への飛行」・「博士の異常な愛情」も是非。
ひるがえって、自衛隊になんでタモ氏のような幹部がいたのか…そうだ、コミンテルンの陰謀だ!
ケイン号、モノクロだったんですね、記憶では、海と空の青と黄色がついてました。
あの会長の裏取引の話も入ってます。
東京オリンピックその2で、五輪に飽きた、冷めた、怒った人におすすめです。
東京五輪その2の閉会式、ありゃ何だ!