X(旧Twitter)の「ブロック機能」について、イーロン・マスク氏が廃止する考えを示したことについて、ユーザーからは「自己防衛できなくなる」などと懸念の声も出ています。専門家は「日本はXの利用者が世界的に見て多い」として、「廃止された場合、社会に大きな影響を与える」と指摘しています。

有働由美子キャスター

「X(旧Twitter)は日本でも多くの方が使っていますが、AさんがBさんのアカウントをブロックすると、BさんはAさんの投稿内容を見られなくなり、コメントもできなくなります。このブロック機能をXオーナーのイーロン・マスク氏が『意味をなさない』と言って廃止する考えを突然明らかにしたんです。今、どんな反響が続いているのでしょうか?」

小野高弘・日本テレビ解説委員

「利用している皆さんに聞いてみたところ、心配してる人が多かったです」

日テレNEWS

X(旧Twitter)の利用者

「嫌な気持ちになる投稿をしてる方はブロックしてます。自己防衛できなくなる」

「グロい系のアカウントが出てきた時にブロックをよく使ってたので、そういうのが今後見ている時に出てきたら少し嫌だなと…」

小野解説委員

「ブロック機能を皆さん、以下のように使ってると言います」

・誹謗(ひぼう)中傷を目にしないようにブロック

・嫌悪感を覚える画像が目に飛び込んで来ないようにブロック

・出会い目的などのコメントが来るのをブロック

・自分の投稿内容(画像など)を勝手に転用する人がいるため、そうされないようブロック

日テレNEWS

有働キャスター

「こうしたことが、すべてできなくなる恐れがあるということですね」

小野解説委員

「皆さん困っています。

『自分の安全が守れなくなる』『嫌なものが流れてくると思うと怖い』『いちいち通報しなければいけなくなる』と心配していました」

「ブロック機能を廃止する理由については、正直わかりません。もともとマスク氏は、自由な言論空間にすると言ってきたのでブロックまで取り除いてしまおうということなのか、という見方も。ただ、イギリスメディアは『必ずしも本気とは限らない。実行に移すかはわからない』と指摘しています。これは現実的なのかというほど大きなことなのです」

有働キャスター

「でも、本当に廃止されたら、それなりに対策を取らなければいけなくなりますよね」

日テレNEWS

小野解説委員

「特に日本では対策が必要だと指摘するのは、SNSに詳しい国際大学の山口真一准教授です。

『日本はX利用者が世界的にみても多い。その日本でブロック機能が廃止されたら、社会に大きな影響を与えると思う』『政府も誹謗(ひぼう)中傷対策として、まずはブロック機能などの活用を勧めているが、新たに考えなければいけない』『情報が氾濫する社会で、見たくないものを見ない自由は重要だ』と話しています」

有働キャスター

「ご自分で、5億4000万人以上のユーザーがいると投稿されていましたが、それだけのコミュニケーションツールを握っているのに、ルールの変更の仕方が乱暴すぎるなと感じますし、そもそもマスク氏が言う“言論の自由”とは何なのかということから説明してほしいと思ってしまいます」

(8月21日放送『news zero』より)