防衛省が設置した有識者会議が2027年までに軍事費を11兆円にした後、さらに原子力潜水艦を導入するなどのために軍拡を続けるよう提言。AIなど先端軍事技術に関する防衛科学技術委員会も発足して戦争への道。

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共同通信のスクープです。
防衛省が設置した防衛力の抜本的強化に関する有識者会議(座長・榊原定征元経団連会長)の報告書原案が判明したというのです。
それによると、防衛費を2023年から2027年までの五か年計画で国内総生産(GDP)比2%とする政府目標について
「達成後のさらなる防衛力強化について訴えていくことをちゅうちょすべきではない」
として、2028年以降さらに2%超への検討を提言しています。
いやいやいや。
2022年まで日本の防衛費はGDP比1%程度で5兆4千億円だったのを、2027年に11兆円にするというのがとんでもない話で、その後ずっと今までより5兆円以上多い防衛費を維持するには絶対に社会保障や教育関係予算を削らないといけないのに、いったいどうすんだと批判されていたわけです。
それなのに、2028年以降もまだ軍拡するって?
むしろ、軍拡をやめて2022年の水準に戻したら、年間5兆円以上の恒久財源ができる。それを物価高対策など庶民のために使ったらいい。
【#憲法記念日】侵略戦争と植民地支配の反省の元に作った日本国憲法が「よい憲法」だとわかるためには、戦前の日本が起こした侵略戦争であるアジア太平洋戦争と植民地支配に対する理解と深い反省が必要だ。
参院選に向けて野党は消費税減税、与党は現金給付を掲げているわけですが、お互いに満足な財源案を出せていません。
いずれにしても、これらは一時的なものだから財源は基金などの取り崩しで何とかなるみたいないい加減な話をしているわけです。
これに対して大企業や高額所得者・富裕層への増税による恒久財源を明確に打ち出しているのは日本共産党だけです。
そして、こと軍拡に関しては立憲民主党もほとんどスルーで反対しようとしないのが、わたくし一番不満なんです、この政党に対しては。
ところが、石破政権は2027年までに軍事費を2倍にするだけでは足りず、さらに軍拡するとか言い出そうとしているわけで、一体その財源はどうするんですか。
まさに福祉や教育予算を削減する、国民の身を削る改革しかありえないじゃないですか。
共同通信のスクープと言うが、この有識者会議の会合についてはすでに2024年2月にしんぶん赤旗が報道。
『有識者「大軍拡へ負担増を」 「43兆円」からさらに増額へ』
公益社団法人・日本外国特派員協会が「しんぶん赤旗」を、自民党派閥を巡る裏金報道で「日本の政治体制を揺るがした」として、2025年「報道の自由賞・日本賞」に選ぶ!赤旗を締め出した大阪万博協会は恥を知れ。
それでいったい何を買うかと言うと、長射程ミサイル発射装置搭載の潜水艦導入だとか原子力潜水艦の配備だとか言っているんです。
そんなものを揃えても戦争の抑止力にはなりませんし、かえって中国やロシアを刺激して戦争勃発の危険性が増すだけです。
そもそも、ウクライナ戦争を口実にして日本の安全保障環境が変わった、危険になったとかいって軍拡を始めたわけですが、ロシアがウクライナに攻め込んだからと言ってロシアが東方に回す軍事力が減ったくらいのことで、少なくとも日本が危険になんかなってないじゃないですか。
それに、日本はちょっと不作だとすぐにコメ不足になるような状態で、外国と戦争なんてできる状態じゃないでしょう。
日本は四方八方海に囲まれていて、食料自給率はカロリーベースで3割台なんですから、アジアで戦争なんか始まったらすぐに餓死者続出です。
それにエネルギーだって輸入しているのに、ミサイルや戦闘機を飛ばす燃料だってすぐに底を尽きますよ。
日本に暮らす市民が安心して平和に暮らす方法は憲法9条を活かした平和外交しかないんです。
軍拡なんて百害あって一利なし、苦しい生活がさらに苦しくなるだけです。
編集後記
参考記事 村野瀬玲奈の秘書課広報室さんより
日本学術会議解体の先に来るものを見通す洞察力を日本人に持ってほしい。
日本学術会議に軍事研究をさせることが目的の法案が成立した2日後の2025年6月12日に、早くも防衛省に「防衛科学技術委員会」(DSTB)という、人工知能(AI)や宇宙、サイバーなど先端軍事技術に関する助言や提言を防衛相に行う「恒常的な会議体」が設置され、委員に現役の教授ら大学関係者9人を任命したということを村野瀬代表が早くも記事にされています。
それと並行して、同じく防衛省が設置した防衛力の抜本的強化に関する有識者会議が2028年以降も軍拡を続けろと言う報告書。
給付か減税かと言う話も大事かもしれませんが、我々の足元にすでに戦争の影が忍び寄ってくることにも気づいてください。
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【独自】防衛費GDP比2%超提言 有識者報告書、原潜配備論も

防衛省が設置した防衛力の抜本的強化に関する有識者会議(座長・榊原定征元経団連会長)の報告書原案が判明した。防衛費を国内総生産(GDP)比2%とする政府目標に関し「達成後のさらなる防衛力強化について訴えていくことをちゅうちょすべきではない」として2%超への検討を提言。抑止力強化に向け、長射程ミサイル発射装置搭載の潜水艦導入の重要性を指摘し、原子力潜水艦配備も含めて議論すべきだと明記した。複数の関係者が15日、明らかにした。
政府は近く報告書の提出を受け、政策への反映を検討する。ただ、防衛費増は財源確保が課題となり、原潜配備も原子力の平和利用との整合性が問われそうだ。
2022年策定の国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画の安保関連3文書は23~27年度の5年間で計約43兆円の防衛費を投じ、27年度に関連経費と合わせてGDP比2%との目標を掲げる。有識者報告書は国際情勢の悪化を踏まえ「2%目標を前倒しで達成できるよう取り組み、次期の防衛戦略、整備計画の前倒し策定も検討必要」と求めた。
© 一般社団法人共同通信社
2024年2月20日(火) しんぶん赤旗
有識者「大軍拡へ負担増を」
「43兆円」からさらに増額へ
防衛省で初会合
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防衛省は19日、安保3文書に基づく大軍拡を推進するための「防衛力の抜本的強化に関する有識者会議」の初会合を開催しました。座長に就いた榊原定征日本経団連元会長は、2023~27年度で約43兆円とする軍事費(防衛省予算)について、物価高騰や円安の影響をあげ、「見直しをタブーとせず、現実を踏まえたより実効的な水準や国民負担の在り方について議論すべきではないか」と述べ、さらなる軍拡のための「国民負担」に言及しました。(小池氏が批判)(関連記事)
経団連元会長が座長
22年度に決定された安保3文書の下、軍事費は既に22年度の5・4兆円から24年度予算案では7・9兆円という異次元の大軍拡が進められています。榊原氏の発言は、さらなる軍拡のために、庶民増税や暮らしに関わる予算の切り捨てを当然視したものです。
さらに木原稔防衛相は有識者会議で、「ポスト43兆円の話をいかに進めるかも並行して検討していく場にしたい」と述べました。安保3文書で示された軍拡計画は、敵基地攻撃能力をはじめ、必要な武器・体制が整うのは32年度としています。木原氏の発言は、28~32年度の軍事費が23~27年度の43兆円を上回ることを視野にいれたものです。
有識者会議の提起をめぐり、林芳正官房長官は19日の記者会見で「43兆円の規模を超えることなく防衛力の抜本的強化を実現する」と述べ、上積みを否定しました。ただ、28年度以降については言及していません。
2025年6月15日(日) しんぶん赤旗
軍事研究の司令塔
「防衛科学技術委員会」発足
大学教授ら委員に任命
学術界の軍事動員を進めるために強行された学術会議解体法成立(11日)直後の露骨な動きです。防衛省は12日、人工知能(AI)や宇宙、サイバーなど先端軍事技術に関する助言や提言を防衛相に行う「恒常的な会議体」として、「防衛科学技術委員会(DSTB)」(委員長・前川禎通東北大名誉教授)の設置を発表し、委員に現役の教授ら大学関係者9人を任命しました。
防衛省はすでに、軍事研究に助成金を与える「安全保障技術研究推進制度」や、官民で構成される「防衛イノベーション科学技術研究所」など、米国などをモデルにした「軍産学」連携の体制を構築しています。DSTBはそれらの上位に位置(図)。委員長の前川氏は防衛大臣科学技術顧問に任命され、防衛相に直接的な助言・提言を行います。米国防総省の諮問機関「国防科学委員会(DSB)」をモデルにしたもので、まさに軍事研究の司令塔と言えます。
重大なのは、DSTBの活動内容案として、「アカデミア(学術界)を含む研究者・技術者の参画促進等に係る助言等」を行うとして、学問の軍事動員推進を明記していることです。さらに、「アカデミア等とのネットワーク拡大の支援(大学・国立研究所等の有識者の紹介」など、“人脈”を活用した研究者の勧誘が盛り込まれています。
研究費の削減で苦しんでいる現場の研究者に働きかけ、巨額の研究費と引き換えにした軍事動員が加速することが予想されます。
防衛省が、科学技術の専門家から助言や提言をもらう新たな会議体「防衛科学技術委員会」を創設することがわかった。米国や中国などが先端科学技術の軍事転用を進める中、日本もAI(人工知能)や宇宙などの分野で専門家の知見を活用し、防衛力強化に役立てる狙いがある。
複数の政府・与党関係者が明らかにした。会議体はAIや宇宙に加え、サイバー、量子、半導体、ロボットなどの専門家約15人で構成される方向だ。情報保全の徹底が求められるため、防衛相が防衛省参与(非常勤職員)として任命することを検討している。6月中旬にも初会合を開催する。
米国防総省の諮問機関「国防科学委員会」を参考にした。大学教授ら40人以下を委員に任命し、国防長官らが関心を持つ研究開発などについて助言を行っている。すべての委員が機微情報に触れられる「セキュリティー・クリアランス(適性評価)」を保有し、サイバー分野の提言やバイオ技術の活用策の検討などで実績がある。
先端科学技術は、新たな兵器開発への活用が期待され、戦力バランスを一変させる「ゲームチェンジャー」になる可能性がある。日本では長年、科学者の代表機関・日本学術会議が軍事目的の研究を拒んできたため、先端技術の防衛への応用は進まなかった。ただ、防衛技術への応用が期待できる民生技術の基礎研究などを支援する「安全保障技術研究推進制度」への応募数が2025年度に過去最多となるなど、研究者の理解も進みつつある。
防衛省と経団連なんて、天下りと賄賂でズブズブ(経団連が「合法賄賂」を贈っているのは自民党にですが)なわけですから、防衛費を際限なく増やせという結論以外考えられませんね。
こんなのを「有識者会議」とか厳めしい名前で呼べば、臣民はヘヘーとかひれ伏すと思っているのでしょう。
実際そんな人も多いと思いますが。