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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

国際司法裁判所がロシアに対し、ウクライナでの軍事行動を即時停止するよう命じる仮保全措置命令(法的拘束力あり)。「ロシアによる武力行使は国際法に照らして重大な問題を提起しており、深い懸念を抱く」

2022年03月17日 | ロシアによるウクライナ侵略

ジェノサイド条約に基づくロシアに対するウクライナのICJの主張

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 ロシア軍によるウクライナ侵攻について、ロシア🇷🇺とウクライナ🇺🇦の一方を責め、一方に肩入れするというのではなく、戦争反対を叫びたい!という人もおられますね。
 
 気持ちはわかります。
 
 ナショナリズムの危険を感じるということですよね。
 
 しかし、それは電車の中で暴力団員が乗客を殴っている横で、
 
「暴力反対!」
 
と叫んでいるようで、いかにも間抜けです。
 
 
 
 
 
 これはいわば現在進行系の犯罪なのだから、やはり悪いものは悪いと言い、加害者を止めるために精一杯のことをしなければいけないのです。
 
 ロシアのプーチン大統領のやっていることは国際法違反の許されない蛮行だとハッキリ言うべきなのです。
 
 ただ。
 
 ロシアが暴力団でロシアの民衆が暴力団組員というわけではないので、この例えはそこは間違ってはいけないところ。
 
 ロシア人を憎むのは違います。
 
 また、かつて、その暴力団員がアメリカで、殴られている乗客がイラクやアフガニスタンだった時も、暴力団員にちゃんと文句が言えたのか。
 
 自分の国が暴力団員に与することに反対できたのか。
 
 それは日本の市民も全世界の市民も問われるところだと思います。
 
 
 
 
 さて、国際社会がロシアを非難する象徴的な出来事がありました。
 
 国際司法裁判所(ICJ、オランダ・ハーグ)は2022年3月16日、ロシアに対し、ウクライナでの軍事行動を即時停止するよう命じる仮保全措置を出しました。

 この仮保全命令の申し立ては、ロシアの侵攻が始まった直後の2月26日にウクライナがICJに提起していたものです。

ハーグにある国際司法裁判所。私も核兵器の違法性を追及する裁判で大法廷に入りました。

国際司法裁判所に核兵器の違法性について勧告的意見を求めた世界法廷運動についての個人的思い出

 

 

 ロシアは、親ロシア派が支配するウクライナ東部でジェノサイド(集団殺害)が起きていることを武力侵攻の理由にしていますが、ICJがこれを否定するウクライナ側の主張を認めたのは重要です。

 また、両国に対し、事態の解決をより困難にする行動をとらないようにも命じました。

 なお、現在のICJの裁判官15人(1人欠員)にはロシアのキリル・ゲボルジャン氏も含まれています。

 ロシアと中国出身の裁判官は軍事作戦の中止に関する命令に反対した一方で、両国が紛争を悪化・拡大させるような行動を控えるべきだとの点では裁判官は全員一致で賛成しました。

 

 この命令の中でICJは

「ウクライナで起きている広範な人道上の悲劇を深刻に受け止めており、人命が失われ人々が苦しみ続けている状況を深く憂慮している。

 ロシアによる武力行使は国際法に照らして重大な問題を提起しており、深い懸念を抱く」

としてウクライナの主張を認め、ロシアに対する即時停戦を命じました。

 ロシア側は、3月7日に開かれた口頭審理に代表者を送らず欠席しましたが、ICJによると、ロシア側は書面で、ICJには管轄権がないと主張したうえで、仮保全措置を命じないよう求めたほか、ウクライナによる提訴そのものも認めない姿勢を示していたということです。

 しかし、ロシア側のこの主張も認められませんでした。

 

 ロシアに対してウクライナでの軍事行動を即時停止を命じるこの決定は法的拘束力があります。

 ただ、ロシアはそもそもICJには管轄権がないと主張しているのですから、武力行使を停止する可能性は低いので、すぐに実効性があるかといえばそれはありません。

 しかし、国際刑事裁判所(ICC)を除けば、国連唯一の裁判所であるICJの国際法における権威は絶大です。

  ウクライナへの国際的な支援に一層の正当性が認められることになり、同じハーグにあるICCで始まっている戦争犯罪などの捜査にも影響を与えます。

 これは今後のロシアに対する反戦運動に大きな意味を持つ決定です。

 

 ウクライナのゼレンスキー大統領はツイッターで

「完全な勝利だ」

と歓迎したうえで

「ロシアが命令を無視すれば、さらに孤立する」

と訴えています。

 ロシアによる侵略行為をやめさせるためにあらゆる手段を尽くすこと。

 こうした一つ一つの努力を積み重ねていくことが今必要なんです。

オランダ・ハーグの国際司法裁判所で、ロシアのウクライナ侵攻をめぐる暫定措置が出されたことを受け、記者会見したウクライナの代表団(2022年3月16日撮影)。(c)Phil nijhuis / ANP / AFP

 

 

今回の国際司法裁判所の決定のような非軍事的な方法で、ロシアの侵略にストップをかけていく方法がまだまだあるはずです。

黙っていては伝わりません。

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ロシアによるウクライナへの軍事侵攻について、オランダにある国際司法裁判所は「国際法に照らして重大な問題を提起している」としてウクライナ側の訴えを認め、ロシアに対して直ちに軍事行動をやめるよう命じる暫定的な命令を出しました。

ウクライナは先月26日、ロシアによる軍事侵攻には正当な理由がないとして、オランダのハーグにある国際司法裁判所に提訴し、合わせてロシアに対して直ちに軍事行動をやめさせる暫定的な命令を出すことも求めました。

国際司法裁判所は16日「ウクライナで起きている広範な人道上の悲劇を深刻に受け止めており、人命が失われ人々が苦しみ続けている状況を深く憂慮している。ロシアによる武力行使は国際法に照らして重大な問題を提起しており、深い懸念を抱く」として、ウクライナ側の訴えを認め、ロシアに対して直ちに軍事行動をやめるよう命じる暫定的な命令を出しました。

国際司法裁判所の訴訟には当事国の同意が必要で、今回ロシアはその意思を示していませんが、裁判所は暫定的な命令には法的拘束力があるとしています。

命令には15人の裁判官のうち13人が賛成し、ロシアと中国の裁判官が反対しました。

国連の主要機関で「世界法廷」とも呼ばれる国際司法裁判所で、軍事侵攻に厳しい判断が示されたことで、たとえロシアが受け入れなくても、ウクライナへの国際的な支援に一層の正当性が認められることになり、同じハーグにある国際刑事裁判所で始まっている戦争犯罪などの捜査にも影響を与える可能性が指摘されています。

ウクライナの代表「ロシアは命令を順守しなければならない」

国際司法裁判所の暫定的な命令が出されたあと、ウクライナの代表は記者団に対して「ロシアは国際法上の義務である裁判所の命令を順守し、軍事作戦を停止しなければならない。ウクライナは正義を実現するために国際法のあらゆる手段に訴える」と述べました。

裁判所前で市民が集会

国際司法裁判所が暫定的な措置についての判断を示すのに合わせ、裁判所の前には16日、ウクライナの国旗などを持ったおよそ100人の市民が集まりました。

詰めかけた人々は「プーチンを止めろ」と書かれた横断幕を掲げながら「戦争反対」などと声をあげ、ロシアによる軍事侵攻に抗議の意思を示していました。

林外相「措置命令を支持 ロシアに従うこと求める」

林外務大臣は「わが国は、ロシアによるウクライナ侵略は、国際法や国連憲章の違反だと強く非難するとともに、攻撃の即時停止と部隊の撤収を求めてきた。ICJによる暫定措置命令は当事国を法的に拘束するものであり、日本としては措置命令を支持し、ロシアに対し、直ちに従うことを強く求める」などとする談話を発表しました。
 

 

攻撃を受け燃える住宅の前に立つウクライナの女性=15日、キエフ(AFP時事)

  • 16日、砲撃を受け炎上するウクライナ北東部ハリコフの店舗(ウクライナ当局提供)(AFP時事)
  • 16日、ウクライナ北東部ハリコフに遺棄されたロシア軍の車両(AFP時事)

化学兵器使用なら結果伴う ウクライナ情勢で米ロ電話会談

 ウクライナのゼレンスキー大統領はツイッターに「完勝だ」と書き込んで歓迎した。「命令を無視すればロシアはさらに孤立する」とロシアに履行を迫った。プーチン政権が応じる可能性は低いが、命令には法的拘束力がありロシアへの圧力となり続ける。

 

 

国際司法裁、ロシアに軍事行動の即時停止命令 実効性には疑問か

ロシア国旗=ゲッティ

 国際司法裁判所(ICJ、オランダ・ハーグ)は16日、ウクライナに侵攻したロシアに軍事行動を即時停止するよう命じた。ロシアを提訴したウクライナの求めに応じた形となった。命令には法的拘束力があるが、過去には命令が無視された事例もあり、実効性は低いとみられる。

 ウクライナは2月末、ロシア側が虚偽の主張を口実に侵攻したと訴え、ICJに軍事行動を止める暫定的な命令の発動を求めた。反発したロシアは審理を欠席していた。

 ウクライナのゼレンスキー大統領はツイッターで「完全な勝利を収めた」と評価したうえで「ロシアが命令を無視すればさらに孤立する」と強調した。【ベルリン念佛明奈】

 

 

ウクライナ侵攻
2022年3月17日 2:09 日本経済新聞

ウクライナへのロシアの攻撃は続く(16日、ハリコフ)=ロイター

【ブリュッセル=竹内康雄】国際司法裁判所(本部オランダ・ハーグ、ICJ)は16日、ウクライナに侵攻したロシアに軍事作戦を直ちに中止するよう命令を出した。ICJは国連機関でその決定は拘束力を持つ。ロシアは審理を欠席しており、実効性は低いとみられる。

ウクライナのゼレンスキー大統領はツイッターで「完全な勝利だ」と歓迎したうえで「ロシアが命令を無視すれば、さらに孤立する」と訴えた。

法廷は15人の裁判官からなる。ロシアと中国出身の裁判官は軍事作戦の中止に関する命令に反対した。一方で、両国は紛争を悪化・拡大させるような行動を控えるべきだとの点では裁判官は全員一致で賛成した。

侵攻を受けているウクライナが2月下旬にICJにジェノサイド(集団殺害)の疑いでロシアを訴えていた。ICJの命令に従わない場合は、ウクライナは国連安全保障理事会に訴えることができる。

 

 

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