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あそびなんかじゃない

「キャプテン翼」を愛する一個人による、極めて個人的な考察や雑感などをつらつらと。
可能ならばパソコン閲覧推奨です。

「若島津健」と私。

2015-10-11 22:50:51 | 「キャプつば」キャラクター(日本)と私。

このブログでの私の呼び方:健ちゃん

唐突ですが、大関若嶋津と大関北天佑の取り組みを観るのは好きでした。
その大関若嶋津の名を頂戴した、若島津健ちゃん。

日本が誇る二大ゴールキーパー、若林源三と若島津健。

WAKABAYASHI GENZO

WAKASHIMAZU KEN

若で始まり、ENと韻を踏む。この共通点がGKとしての強さの秘密なのかしらん? ……なんてね。

登場した頃の健ちゃんは、持ち合わせた反射神経とアクロバティックな動きで、圧倒的に男性……少年たちの心をグッと掴み、人気が高かったと記憶してます。


ほら、観客の男性たちのこの興奮した姿と歓声といったら!

本人はそんなことには一切、意に介さないんだよねえ。本人には当たり前のことを通常通り、やっているだけで。
そのストイックな姿が男性読者とは反対に、女性読者の心を掴んだのではないでしょうか。


初登場時の健ちゃん。 一見、貧乏くさい雰囲気だけど、怪しさを読み手に感じさせるためだったのかな。
だってまさか、


「ええとこのボンボン」(標準語で言うところの「良家のお坊ちゃん」)とは、この時点で誰が思うかいよ。

最初に読んでいた頃は「まさか、埼玉からよみうりランドまで、数日かけて徒歩で来たの?」と思ってましたが、今ならば「埼玉から東京に点在しているであろう若堂流一門の道場を訪ねて、宿泊したのかな?」とも解釈できますね。
小学生とはいえ、若堂流一門を束ねる総帥の御曹司を無下にはすまい。


こちらは昭和版アニメに初登場した頃の健ちゃん。
アニメのオリジナルエピソードで、東京へ向かっている最中、電器屋さんのテレビで「南葛SCvs難波FC」を観ているところ。南葛SCのシュートをことごとく阻止する中西太一くんの活躍に、健ちゃんは鼻で笑って一蹴するんだわ。

……漫画とイメージが違うなあ。

私が感じる健ちゃんの魅力は、潔いまでにストイックなところ、己に厳しく鍛錬を怠らないところ、でしょうか。

なのに、勝てない。 勝負事は圧倒的に「敗者」が多いのは必然なのだけど、以前にアップした浦辺くんの敗者の匂いとはまた異なる敗者としての雰囲気が、健ちゃんにはまとわりついている。

一対一の個人戦とは違い、サッカーはチームプレイ、団体戦なので、物心ついた頃から一対一の戦いに慣れている健ちゃんとしては、納得できない部分もあったかもしれません。
「個人戦」と「団体戦」の違いに、ジレンマが生じたのかも。
それとも個人の戦いでは味わえない団体戦の面白さに、逆に目覚めたのか。

異論もあるでしょうが健ちゃんは、見様によっては日向小次郎の下に甘んじ、GKとしての実力も、若林源三の次と見なされる始末。

絶えず自分に厳しく、自分を律し、自分を鍛えている健ちゃんが積み重ねてきた誇り高さ、努力の賜物に裏打ちされた実力が正当に評価されない矛盾に苛立ち、最後には「○○の次」という周囲からの位置付けで、粉々に砕かれたんではないでしょうか。

どん底から這い上がることが出来るか否かが、人間としての真価を問われるところ。
健ちゃんも悩み苦しみ、もがき足掻き、最後には自らの道を見つけることが出来た。その姿に、私は胸を打たれるのです。

周囲からすれば、健ちゃんはブレたり、迷走しているように見えるかもしれない。
だけど健ちゃん本人は、その一本気な性格ゆえに、全て筋が通っている、ブレも揺れもなく、迷走もしていない言動をしている、と思われるのです。

陳腐な言葉で表現すれば、20世紀末から21世紀初めにかけて流行した「自分さがし」という言葉が、当てはまるのかもしれません。(この言葉のいい加減さと曖昧さといったら、もう! 何という不安定なことよ)

健ちゃんの描かれ方は作品ごとによって違うのは、それ故なのかもしれません。
その際たるものが「ワールドユース編」の有名なあの発言に凝縮されていると思うのですが……有名すぎるので、ここではその場面は取り上げたくありません。

ひと言だけ述べさせてもらうなら……最もそのことを言ってはいけない人物が言ってしまったという、非常に稀有で印象に残る場面になってしまいましたね……。

迷走しているのは、アニメもでした。「キャプテン翼J」と平成版「キャプテン翼」で描かれてましたが、設定が異なっていて仰天しましたよ。

「キャプテン翼J」では(少々うろ覚えなんですが)、「正GKは若林源三」の主旨を電話で話す見上監督を、盗み聞き&盗み見した健ちゃん。その翌日、見上監督ではなく、なんと! 引き止める片桐さんを振り払い、あの発言を。「第40話 全日本ユース大苦戦!」より。


言うことをきかない弟を引き止める兄のように見える、片桐さん。




怒りに燃える顔も、


苦悩する横顔も素敵。 ……なのに、背景が銭湯の壁画とそれを映す鏡のように見える……。シリアスな場面、台無し。

これが「キャプテン翼J」の最終回、観戦客の一人として終わる健ちゃんに繋がるんですけどね……。

かたや平成版「キャプテン翼」では直接的な発言はなかったと記憶してますが、まずは●ルシエ監督をモデルにしたようなアニメオリジナルキャラクター、ルヴォア監督(声:井上和彦さん)に礼儀正しく伺いを立てます。「第39話 葵新伍登場!」より。


健ちゃんの資料を見るルヴォア監督。 この資料が欲しい~! と叫んだ人はゴマンといるはず。


監督の考えの中に おれが正ゴールキーパーの座につく構想はあるんでしょうか


おれは 若林のような海外での経験はない
でも 実力的には 若林に負けないと思っています
もし 監督の中ではっきりとした構想が決まっているんでしたら 言ってほしいんです


あああ、この潔さといったら! そこに待ち受けたのは監督からの非情の宣告……。


正ゴールキーパーは 若林源三だ

ここまでもオリジナル展開ですが、この後の展開も凄かった! 平成版特有の色指定の不手際と併せてご覧ください。


グラウンドに来た健ちゃん。その視線の先は……


準備運動している源さんへ。


健ちゃんの眼差しに気づく若林くん。


どうした 若島津

どうした源さん! 素手になっている上に袖口が赤色に変わってるぞ!?


最初から負けが決まっている闘いには 挑んでもしょうがねえ
何のことだよ


監督は 正ゴールキーパーは若林だと おれに言った


どうした源さん! いつの間にグローブつけて着替えた!?

ホンマに平成版は細かい部分の手抜きがヒドすぎる!


もうこれ以上 おれがこのチームに残る意味もない

と去ろうとする健ちゃんを引き止めたのは……


待てよ サッカーが好きなら 諦めるなよ

葵新伍!


これにキレたか健ちゃん、本音ぶちまける。


ぽっとでのおまえに 何がわかる!
おれは おれはずっとナンバーワンを 日本代表の 正ゴールキーパーの座を めざしてやってきたんだ


再び去ろうとする健ちゃんを、今度こそ引き止めようとするのは


若島津!

日向小次郎!


何も必殺のタイガーショットを打たんでも、と思わないではないが、漫画もそうなってますからね。




素手で止める健ちゃん。  掌! 皮めくれる! 肉が抉れる! 出血しちゃうよ~!

この後は片桐さんから葵新伍の苦労話を聞かされて、復帰する健ちゃん、というストーリー展開でした。


「GOLDEN-23」で吉良監督が就任したことが、健ちゃんの転機になったことは否めません。
私たちの知らないところで、二人でとことん話し合ったと思われます。健ちゃんの話や苦悩を聞いて、今一つ殻を破れない健ちゃんに「GKとFWの二刀流」という選択肢を提案したのは、吉良監督以外に有り得ない。
(直接的には某有名人の発言がキッカケなのは知ってますが、ここでは無関係なので、無視します)

健ちゃんも、ここでやっと「自分の呼吸」が出来るようになったのではないかなあ。
息詰まるような、張り詰めたような空気をまとうのではなく、「小次郎さんや若林くんの二の次」の呪縛から解き放たれて、ごくごく自然な雰囲気でサッカーが出来るようになったのでは。

願わくば「ライジングサン」で、出来る限り小次郎さんとのFWコンビ、あるいは新田くんと三人で「最強の3トップ」を見たいです。
高橋先生、お願いします!

ところで健ちゃんの背番号、「1」ではなくて「17」のイメージのほうが強い。「17」のほうが似合ってるとどうしても思う理由、それは日向小次郎の誕生日・8月17日のせいですね。
現在連載(休止)中の「ライジングサン」も、健ちゃんの背番号は「17」です。


小学生編も残すところあと二人というところまできて、どうしてこんなに更新が遅くなってしまったのかというと、うかつにも記事作成中に 「若島津中心主義」さま を読み直してしまったからです。(以前から惚れこんでいるサイトさまなのです~。健ちゃん好きな方は、必見・必読サイトさまですよ)

アカン。引きずられる。ここまでほぼパーペキ(パーフェクト+完璧)な健ちゃんの考察をなされていては、私なんぞの出る幕はない。どうしよう。

……と、悶々と悩むうちに月日は流れ……。やっと開き直って、私は私なりにやってしまえ! と腹を括りました。

お待たせして本当に申し訳ない。

次回の片桐さんで「小学生編」のキャラ紹介は終わります。……多分、きっとね。


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6 コメント

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Unknown (ならなっぱ)
2015-10-16 20:51:16
すごい読み応え!!
りあんさん、おつかれさまでした。

アニメは昭和版しか知らないので、あの資料は初めて見ましたが、結構ちゃんと書かれていることにビックリしました。
小学生大会の決勝戦から参加、2失点とか中学の時は2年連続準優勝とかとか・・・。
でも、アニメスタッフに言いたい。
そこじゃなくてもう少し力を入れてほしいところもあるんですけど・・・と。笑

あと、若島津くんで気になるのは岬くんとの関係ですね。
小学生編のとき岬くんは若島津くんのことを知らなかった雰囲気がありましたが、まさかの若島津くんの事故中にピンポイントで引っ越してきた?と、ずっと不思議です。
さすがの先生も、元明和の設定はさすがに忘れることはないと信じたい・・・。

他の人はみんな知っているのに自分だけ会ったことがない元明和FCの敵。
若島津くんはそんな岬くんをどんなふうに見ていたのか?ひとりで気になっています。

あと、若島津くんって、人気はあるけど、先生があんまりしっかり性格付けをする前に出てきちゃったみたいなところがあって、クールなのか、熱い男なのか、良くわからなくなるところがあります。
そんなところがつかみどころがなくて、人気が出たのかもしれませんが、不思議なキャラですよねぇ・・・
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お久しゅうございます。 (つるぎ)
2015-10-16 21:00:27
りあん様、最愛の若島津君を取り上げていただいて、感謝!!です。
複雑なキャラですよねえ。結果的に。
高◯先生の愛情が不足してもみえるせいか、若島津君は、なんか、痛々しい感じがします。それも魅力なんですが。
私は古いファンで、中学生編の原作しか知らない人間です。その後の展開は、りあん様の文ではじめて知りました。
やっぱ、痛々しいなあ。
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健ちゃんと岬くん。 (りあん)
2015-10-16 22:43:04
ならなっぱさん、こんばんは。労いのお言葉ありがとうございます。 ここだけの話、7回は入力し直しました……。

>あの資料は初めて見ましたが、結構ちゃんと書かれていることにビックリしました。

デジタルのなせる業ですよね(←身も蓋もねえ)
割愛しましたが、この健ちゃんの資料の前に、若林くんの資料もありました。

別の回では、片桐さんが作成した、翼くん・若林くん・岬くんの資料もあるんですよ。いつかまた、記事にして載せますね。

>若島津くんで気になるのは岬くんとの関係ですね。

アニメ「キャプテン翼J」では、健ちゃんがふらの戦で登場したときに、岬くんの 「明和の正ゴールキーパーだ」 という台詞がありました。

今年中に発売予定の「ライジングサン」3巻には、明和FCのユニフォームを着た小次郎・健ちゃん・タケシ・岬くんの絵が1コマだけ出ます。
……ということで、察してください。

連載当初、この二人がお互いを知っているのかどうか、先生は考えておられなかったんだろうと思います。

「健ちゃんが、いつ明和FC入りしたのか。岬くんの転校前か、明和小に在籍中か、転校後か」

これは「キャプテン翼」の謎の一つですねえ。


>クールなのか、熱い男なのか

両方の素質、備わっていると思いますよ。
特に小次郎さんが失踪し、その後試合に出られない間は、チームを引っ張ってまとめていかなきゃならないし、熱さの中にも冷静さが必要ですから。

端から見れば矛盾してそうで、矛盾していないところが、健ちゃんの魅力なんでしょうと、今回記事を作成して気づきました。

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健ちゃんの複雑さ (りあん)
2015-10-16 23:20:28
つるぎさん、こんばんは。

そうでしたね、つるぎさん、健ちゃんが最もお好きでしたね。 ご満足していただけたでしょうか……? (ドキドキ)

>複雑なキャラですよねえ。結果的に。

まったく仰るとおりで。 「一番」になれる実力があるのに、なれなかったキャラでもありますし。

空手の世界では天下を獲っていたかもしれないけれど、サッカーは団体競技ゆえ、自分一人の実力ではどうしようもないところが多々ありますから。

>高◯先生の愛情が不足してもみえるせいか

先生は格闘技がお好きだから、健ちゃんのキャラを作ったそうですよ。

>中学生編の原作しか知らない

漫画の内容を、かなり端折って簡単に述べますと、「ワールドユース編」では全日本ユースを離脱し、Jリーグ入り。
その後、小次郎さんの母が倒れて、その入院費をJリーグ入りした契約金で立て替えるという「内助の功」を見せ、「そのかわりにおまえを(以下省略)」と小次郎さんに説得され、全日本ユースに復帰。
(なぜかアニメでは採用されず、オリジナルストーリーに)

「GOLDEN-23」で、GKとFWの二刀流でやっていくことを決意し、現在の「ライジングサン」もその路線でいってます。

>やっぱ、痛々しいなあ。

痛々しいですか。
「若島津健が一番好き!」 な方々には、「GKでない若島津健は、若島津健ではない」のかもしれませんね。

私は「落ち着くべきところに落ち着いたなあ」と思っているんですが、「若島津健が一番好き!」 な皆さんには、私には計り知れない複雑な感情が渦巻いているんだろうなあ、と察するのみです。

申し訳ないです~。

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コメント有難うございます! (つるぎ)
2015-10-21 13:42:49
東邦のキャプテン代理の頃と思いますが、翼君の台詞で、
「ドイツの若林君が実力は上だが、若島津君は現在の国内でNo,1のGKだ」といわんばかりのセリフがあった覚えがあります。
デビュー作からの出演の若林君への、これが原作者様のご意見のような気がして、「痛々しいなあ」と思うようになりましたさ。
FWとの掛け持ちは、私は「ありかも」とも思っておりますが、やっぱ複雑です。

あるHPで、若林君や岬君、日向君、若島津君のコスプレ写真を掲載しているところがありました。みんなさすがに(?)うら若き女性ばかりでしたが、可愛かったですヨ。
よみうりランドで、写真撮影してたりして。
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複雑…… (りあん)
2015-10-21 23:17:33
つるぎさん、こんばんは。

>「ドイツの若林君が実力は上だが、若島津君は現在の国内でNo,1のGKだ」

正しくは

「若林くんはドイツにいって どれだけ成長したのかわからないけど まちがいなく今 日本ではナンバーワンのGKだよ」

です。 (単行本19巻)
翼くんと若林くんが対決したのって、小学生以来、ありませんし、翼くんも若林くんの実力は伝聞だけでしか知りませんから~。

だけど健ちゃん好きな皆さんには、聞き捨てならない台詞なのですね。

>FWとの掛け持ちは、私は「ありかも」とも思っておりますが、やっぱ複雑です。

「GK若島津健」を否定されたような感覚なんでしょうか。
小次郎とコンビを組んでいるのは、個人的に好きなのですが、お嫌な方もいらっしゃるという……。
評価が真っ二つに割れて、難しいところですね。

健ちゃんは実験台じゃないんだそー! って思うときも、稀にありますが……。
どちらの主張も分かるので、私も辛いです。

>コスプレ写真

コスプレも私が学生の頃から比べても、確実に市民権を得ましたよね。
せいぜい体育祭の仮装リレー、文化祭・学園祭でコスプレしてハメを外すレベルだったのになあ。

私は女子高でしたが、ハチマキしてれば松山くん、黒いTシャツを着てたら東邦学園の面々、でした。 単純で分かりやすーい。
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