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安部公房「砂の女」新潮文庫

2024-09-10 19:59:37 | 
 古書店のクーポンを使って30円で手に入れた文庫「砂の女」を「箱男」の流れで読んでみた。60年以上前の作品。砂の女というタイトルを見て、心が砂を噛むようなジャリジャリした女の話かと思ったら、ジャリジャリしているのは心じゃなくて体のほうだった。

 主人公が迷い込んだ謎の場所で出会ったのは、毎日砂搔きをしないと埋もれてしまう家に住む女。設定からして常軌を逸している。映画「SAW」とか「Cube」とかを見ている気分になる。この閉塞感がやるせない。

 この作品は安部公房を世界的有名作家に押し上げた重要な作品らしい。結末がどうなったのかは第1章を読めば察しが付く。でも読み進めるうちに、結末がどうなるのかを知りたくて止まらなくなる蟻地獄みたいな小説。映画「砂の女」も見てみたいんだけどなぁ~




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