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畠山記念館 大名茶人 松平不昧の数寄


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畠山記念館
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開館50周年記念特別展 大名茶人 松平不昧の数寄-「雲州蔵帳」の名茶器-
期間:10月4日(土)~12月14日(日)
「出雲国松江7代藩主としての務めを果たしながら茶の湯を極めた大名茶人松平不昧(1751~1818)。多数の名物茶器を所有したことで知られる不昧の蒐集品は、「雲州蔵帳の茶道具」として今日でも高い評価を受けています。若くして茶道の奥儀に達した不昧は、藩の財政の好転によって本格的に茶道具蒐集を始めました。そして歴史的な背景や美的な配慮のもと、蒐集した茶器の品位や品格を検討して、宝物、大名物、中興名物、名物並、上、さらに中、下と七つの部に格付けして整理分類をしました。
本展では、質・量ともに群を抜く当館の「雲州蔵帳」記載茶道具コレクションを10年ぶりに一挙大公開いたします。」(公式より)

2度拝見しました
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-宝物之部-
唐物肩衝茶入 銘 油屋
大名物。形は初花肩衝に似るが口径はそれより小さい。柿金気色の下釉に黒飴釉がかかり、多彩な景色を見せる。
堺の茶人で珠光の弟子であった竹蔵屋紹滴が所持。以降油屋(伊達)常言・常祐・常悦から豊臣秀吉へ献上され、毛利輝元、福島正則、徳川家光、土井利勝、商人の河村瑞賢(軒)、冬木家へと伝わった。
天明の大飢饉のとき冬木家から1500両で松平不昧が購入。
不昧はこの油屋肩衝を非常に大切にし茶会に使う事はなく「天下の名物」「日本国の宝」としている。
笈櫃
油屋肩衝を非常に大切にした不昧は、油屋肩衝と圜悟克勤墨跡(流れ圜悟)を参勤交代にも同行させ、この笈櫃に二品を納め道中の休憩の時には笈櫃が床に安置されてから自ら休んだといわれている。
唐物肩衝茶入 銘 日野
大名物。やや細身の茶入で、総体飴色の地に瑠璃と柿金気の上釉が景色をなす。
大納言・日野輝資が所持し、古田織部の仲介により大文字屋(疋田)宗観が譲り受け、途中前田利長等の手を経た後に不昧が所持した。
-大名物之部-
古瀬戸肩衝茶入 銘 円乗坊
大名物。胴に廻る轆轤目の筋が特徴的な茶入。
珠光の弟子・古市播磨(澄胤)が所持。後に織田信長が所持していたが本能寺の変で罹災したとき、円乗坊宗円が拾い上げた後肌身離さず携帯したとされます。その後桑山重晴が所持、幾人の手を経て不昧が所持した。
井戸茶碗 銘 細川
大名物。「喜左衛門」「加賀」と共に天下三井戸と称された。端正な形で赤みのある枇杷色が美しい。
細川三斎が所持。その後仙台藩伊達家、冬木家、不昧と渡った。
-中興名物之部-
東陽坊釜 辻与次郎作
筒形の穏やかな釜。
真如堂東陽坊の住職であった東陽坊長盛が所持し以降千宗旦、冬木家、不昧と伝わった。
-上之部-
竹一重切花入 千道安作
さび竹で造られた一重切の花入。どしりとした重心の低い形で非常に姿勢がよい。
背面には表千家の江岑宗左が「道安作 左(花押)」と漆で記している。
不昧は利休の「園城寺」にこの道安、そして少庵と千家父子の一重切花入を所持していた。

元不昧の蔵品は各所にありますが、ここまでの質と量を誇っているのは中々ないのではないでしょうか。
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