如月珠莉愛(きさらぎ じゅりあ)
18歳の誕生日に茨城から家出して東京に来ます。生まれてから、その日まで母親から激しい虐待を受け続け生き延びたサバイバー。主人公です。IQ200の天才。人生の全部を親から搾取されるなら、ソープ嬢になってでも逃げる決意で夜明け前の道を走って駅に向かうところから、このストーリーは始まります。
下の坂道。この先の人生は転落の道に向かって行きます。
生きるために親のような年齢の健吾と結婚して養ってもらいます。
男と付き合った事もないもないのに、自ら服を脱ぎ健吾と初体験。しかし、健吾の方が不能になってしまい「おっぱい見たらその気になるよ」と気丈に振る舞います。
高IQ。損得の理屈で動きます。ソープ嬢より楽だと極めてクールな考えです。健吾と珠莉愛の結婚は、お互いの利害が絡んだ契約でもあり、細かい条件をお互いに出し合ってのもの。離婚は無しです。
健吾にとっては、既婚者の身分と子供、珠莉愛はお金が、どうしても必要だったのです。
珠莉愛32才。一度は東大の理科三類に入りますが、教養課程2年目に退学。東京を離れて京都へ。京大の医学部に入り直し、小児科医になります。
健吾とは一生夫婦のままでいる約束で、もらうものは貰ったので約束は破りません。ただ、実態は自由になりました。
子供の頃から、服もろくに買ってもらったことがなく、女として身を飾る事はほとんどありません。オシャレが、分からない。
医者になって良かったと思うことの一つに服は適当でも白衣を着れば何とかなる❗️
珠莉愛の下着がボロボロで、健吾がドン引きするシーンがあるのですが、下着すら買ってくれない母親の鬼っぷり。
作者の私もそうです。私が初めてブラジャーをしたのは14才。それも中学の移動教室があったから、母親がチッと舌打ちして2枚くれたのをよく覚えています。私は、発育が早く14才の頃Cカップはありました。
胸の大きな女の子が夏にペラペラのワンピースを着て、立ち飲みできる酒屋に父親が飲むお酒をほぼ毎日買いに行かされました。酔っ払いにジロジロ見られる苦痛。
洋服も買ってもらえませんでした。いつも同じ格好して学校に行く私は、同級生からバカにされました。特に女子。
私の出た高校は、そこそこ進学校の端くれで私服高。身なりで馬鹿にされる事も高校の頃には何も感じなくなりました。
貧しい事、親に教養がなくて、かかなくていい恥をかく事も慣れてしまいました。
この主人公は私です。私のIQは200ではありませんが。この作品を描くにあたって児童虐待についてかなり調べました。私と同じだと思いました。
珠莉愛が取った逃げ道の結婚。それも同じです。とんでもなく歳上の男。貧しく、学歴もなく、若さしかない女が売るものは限られています。
32才の珠莉愛は、その後自立に向けて必死に努力して来た私の夢ですね。