ネズミにひかれて★１

姑様と２人、月９ドラマを観ていた。
CM中、トイレに立った姑様。
ほどなく…彼女の叫び声が？
「ライチさん～っ！
トイレにvhcんうhxんfっ～！！！」

「は～い？」
「トイレにvhcんうhxんfっ～！！！」
「はあ？」
「トイレに『ネズミ』がいる～！！！」
…何故に？トイレに？ネズミが？

「戸を開けたら、小さなネズミが、便器の裏の隙間に入っていった。」だと。
…うっそ～ん！？噓だベ？
この家に嫁いできて、ゴキブリもネズミも１回も見たことない。
ほんと～に？ねずみ見たの？幻覚見たんじゃないの？
便器の裏の隙間は、ほんの１～２センチ。
ここにネズミが隠れるかあ？

「おめがた（おまえたち＝夫と私）が、戸開けておくから…
ネズミ入ってきたんでねえが？」
と、ま～たまた、わけの分からん言いがかり。
いやいやいや…
それは違うんでないの姑様？
あなたがいつも、車庫の戸を開けっ放しで出かけるから、
そっちのほうから入ってきたんでしょうよ？

一応、隙間に割り箸を突っ込んで確認する。
「いや～、なんもいないみたいだよ？」
（やっぱり幻覚だったんじゃない？）
「おかしいなあ～、ちっちゃいの居たんだよなあ～。」
…やれやれ。月９ドラマ、ゆっくり観れないじゃん。

数分後、また姑様の叫び声。
「ライチさ～ん！vhcんうhxんfっ～！！！」
「は～い？」
「こっちにもネズミがいる～！！！」
…はいはいはいはい。今度はどこですかあ？
姑様が指差した先は、勝手口に通じる通路。
ここには20キロ米袋が４つ置いてある。
見ると、米袋の隙間に…
居た～～～っっっ！居たよ！！
ちっさな「ねずみ」！！
大きさは…そうだな、10円まんじゅうくらいの、
ほんとに小さなヤツ！のんきに米を齧ってやがる！

「おかあさん！居たっ！」
「…だベ？（そうでしょう？）」
さあ～て、どうしたらよかんべ？
ほうきで追い出す作戦に出たが、
ちょっと目を離した隙に、どこかにいなくなってしまった。
多分、米袋の脇においた段ボールに入ったかも。
この段ボールには、汚い縫いぐるみが何体か入っている。
姑様が近所の叔母宅からもらってきたもので、
「捨てる」と言いながら、
ずうっとそのまんま、放置状態だった。
あたしは常日頃、「これ、いつ捨てるんだべ？」と
苦々しく思っていたのである。
で、縫いぐるみを取り出してみると…
でるわでるわ…ネズミのフンの山。
巣を作ったらしい綿の固まり。
米袋の裏にも～フン♪フン♪フン♪

けれど、ネズミはどこに隠れたのか？
あまりに小さすぎて、薄暗がりの勝手口に姿は無く。
奴らはどこへ？