指輪物語★4

事件は、数日前の夜、起こった。
…結婚指輪、紛失！！

旦那ちゃんとの結婚が決まったとき、作ってもらった結婚指輪。
それが、こつ然と消えたのである。
秋田市内の『こしゃる店 篠田宝飾』の職人さんにお願いした、特注品。
（こしゃる＝こさえる＝作る…という意味でしょう。）
デザインの打合わせのとき、旦那ちゃんと職人さんは
『金属の話』で盛り上がってたっけ。
それは、素人のアタシには、非常に難解なお話だった。
その話の内容を把握してれば、
今回の査定でがっかりすることもなかったかも…。

お風呂に入ったり水仕事をしたりする時でも
決してはずさずつけていた、大切な大切な指輪。
結婚してから指が太ってしまい、１度サイズ直しをしたが、
その後、今度は指が痩せてきて、たま～にクルリと廻るようになっていた。

…うっかりしていたのだ！
お風呂あがりに、乾燥肌対策でボディクリーム塗ったまでは覚えている。
その時、指輪は、まだ薬指に収まっていた。
クリームで手がスベスベし過ぎて、
滑りやすくなってるなあ～とぼんやり思った。
なにか、テレビドラマを見、ウトウトしていた。
さて、寝ようか…と、なにげなく手元をみると…

な、無い！無いよ！！
ど～しよおお～！！指輪が無いいい～。（号泣）

アタシは、めちゃくちゃ焦った。
お風呂の排水溝、洗面所、布団の中、キッチンのゴム手袋の中、
思いつく場所は全部探した。
浴槽の中に落ちてるかも…と、思ったら、
その日に限って白濁タイプの入浴剤入れちゃってるし。
（指輪が流れないように）ゆっくりとお湯を落として見たが、
やはり、見当たらない。

「旦那ちゃんに叱られる！」「旦那ちゃんに叱られる！」
「旦那ちゃんに叱られる！」「旦那ちゃんに叱られる！」

…その言葉だけがグルグルグルグル頭を駆け巡っていた。
叱られるのがコワイのではない。叱られるのが嫌なのだ。
大の大人が、大人のオンナであるこのアタクシが、
全知全能の若く賢く美しいこのアタクシが、
旦那ちゃんごときに叱られるなど、なんたる屈辱！
…イヤ、言い過ぎ…
（隊長～！話の焦点が違ってきてます！）
彼は、きっと、こう言うだろう。
「気を使ってないからだ。」

むきいいいい！くやちいいいい！想像しただけでくやちい！！
うるせ～やい！気ぐらい抜いたっていいだろが！
アタシだってね、毎日『のんべんだらり』と生きてるわけでもないんだよ。
気を使ってるって思われないように気を使うのって、
結構気を使うんだよう～！！
…もうここまで来ると、自分でも何をわめいているのか
理解不能なのである。＜馬鹿？

（明日へつづく。…まだ引っ張るか～？）
追記／スープヌードルって、あっさりめで美味い。