三助

「あなた、今度は無理しちゃ駄目よ。
気持ちは元気かも知れないけど、身体はまだ本調子じゃないんだからね。
重いもの持っちゃ駄目。お風呂掃除や水仕事も駄目。
家事は、旦那ちゃんか姑様に手伝って貰って、
ゆっくり休みなさいね。わかった？」
退院する時、牢名主Sさんに言われた。

…ごもっとも！
再々入院（笑）なんかしたくないので、
今回は、退院後最低一週間は、おとなしくしてますよ！あたし。
ところが。ところが～、である。

浴槽が汚れてたので、旦那ちゃんにお風呂掃除を頼むと…
「お湯おとしたあと、シャワーで軽く流してあるから。
洗剤でこすり洗い？ああ～いらんいらん。
汚くないよ。うん。大丈夫だって。」

…あんだってえ～？（怒）

あたしゃ、入院中ずうっとシャワーで我慢してきたんだよっっっ。
退院したら自宅の湯船に薔薇を浮かべて、
ユッタリ浸かって温まりたいと思ってたのにさ。
あんた！三助のくせに、職務怠慢なんじゃないっ？
（※三助＝下の注釈をお読みください。笑）
否、結婚した時点で、旦那ちゃんは三助をお役御免になったわけだが。

だがね。だが。
安静が必要な妻を、もうちょっと労ってくれても良いんじゃないか？
アンタ、そんなつれないこと言うんなら、
無人島に連れてかないよ？いいんだねっ？

※三助（さんすけ）とは…
銭湯で、利用客に対し直接的・間接的なサービスを提供する従業員のことである。
三助の語源は、銭湯で「釜焚き」「湯加減の調整」「番台業務」の「三」つの役を
「助」けた(兼務した)ことからこう呼ばれた…
旦那ちゃんは、小学生のころからずっと、
家の三助＝風呂掃除係だった。