アオクジラ-Bluepain-

日々徒然に思ったことを書き記します。ワッショイ!

サマーウォーズ

2009年08月23日 02時36分27秒 | 映画
「時をかける少女」に続いて
細田監督がしかけた期待作「サマーウォーズ」は
清清しい程、その期待の上をいく作品でした。

前作同様に夏を背景にした
少年と少女の物語。
そこへ家族という要素が加わって
ぐっとバラエティと複雑さが増し
一人っ子と大家族、田舎とハイテクという対比の中で
対極であるはずのそれらが否定し拒絶しあうのではなく
肯定し繋がっていく様は感動的でした。

素晴らしい脚本と脱帽の演出で
全く飽きることなくクライマックスを迎えられました。

沢山のキャラクターそれぞれに
しっかりと人格が宿っていたこともその要因のひとつで
主役にばかりフォーカスがあたるのではなく
登場人物それぞれに丁寧にそれが向けられている点は
見ている側に温かさを与えてくれたように感じました。

冒頭で、少年と少女の物語としてますが
実は少年と少女とおばあちゃんの物語であることが
この作品の最大の成功点だったことは
見られた人には言うまでもないと思います。

どんな状況でもブレないおばあちゃんの存在は
作品そのもののブレのなさの象徴でした。
果たして、この作品のクライマックスはどこなのか
色んな部分にそれぞれの感じるところがあると思いますが
個人的にはおばあちゃんが黒電話を前にして
沢山の手紙に囲まれている場面で
とりわけ感動してしまいました。

あそこにエンターテインメントの真髄を見た。
師匠が自慢の船をアレするシーンも痛快だった。

物語が素晴らしい決着を見てエンドロールと共に流れる
山下達郎の曲も素晴らしくマッチしていて
爽快感を残して劇場をあとに出来ました。