所謂、「シリーズ物」の中で、同一の背景や設定を使ったモノで大切なのが「世界観」である。
例えば、「STAR WARS」は、銀河の星々が「帝国」と「共和国」に別れているという「世界観」があるし、同じアメリカかの宇宙ものである「STAR Trek」の場合は、「連邦」と「クリンゴン帝国」と、更にそれ以外、という風になっている。
もちろん、時代背景による「世界観」の変化はあるが、それが守られているからこそ、シリーズ物としての面白みもあるのであって、いきなり「STAR WARS」に「クリンゴン帝国」が乱入したり、「USSエンタープライズ」が介入したら、話がぶち壊しになってしまう。
まあ、時には「スーパーマン対スパイダーマン」とか「デビルマン対マジンガーZ」の様に、意図的に二つの物語を合体させようとしたモノもあるが、どれも陳腐な仕上がりであると思っている。
さて、「シリーズ物」の展開には、「世界観」は異なっているのだが、「コンセプト」を同じにして作られるモノもある。
「スパーヒーロータイム」の「戦隊物」が、正にそれにあたって、「何人かの戦隊チーム」というコンセプトだけ共通にして、あとは組織も背景も全く違う物語である。
希に悪役が共通だったりするが、そのやり方は前番組で作ったモノを、一切御破算にするという方法なので、前作を気にしなくて済む、という点が特徴である反面、前番組が得た評価も、一旦御破算になると言うデメリットもある。
いや、前置きが長くなったが。
ところで、「特撮」と言えば「円谷」の看板シリーズである「ウルトラシリーズ」も、元は、「怪獣対正義の巨大宇宙人」というコンセプトのみ継承したシリーズであった。
「ウルトラマン」と「ウルトラセブン」のデザインが、あんなに違うのは、「違うシリーズだぞ」と言うことを印象づけたいという意図もあったのだろう。
ところが、第二期ウルトラブームの始まりである「帰ってきたウルトラマン」放映時に、小学館の学習雑誌あたりから「ウルトラ兄弟」という設定が登場してくる。
その設定に「円谷」も積極的に乗っかり、「ウルトラマンエース」には「父」が、「ウルトラマンタロウ」では「母」が登場して、ついには「ウルトラファミリー」を形成する。
だが、元々「ウルトラシリーズ」には、「戦隊物」と同じように、特定の組織が何かを解決するというコンセプトがあり、その特定の組織をオモチャなどの関係もあって、次々と変えていかなければいけない関係上、どちらかというと「御破算」にした方がやりやすいのである。
地球側が常にあたらしい脅威にさらされ、あたらしい組織が対抗しているのに、「ヒーロー」側にだけ、妙な血縁(?)があるというのはちょっと理不尽なのである。
それ故、第三期のシリーズである「ウルトラマン80」では、一旦、その設定をリセットし、しかも主人公が地球防衛組織に属するという設定まで捨てたのだが、結局、もろもろの理由で「ファミリー」を匂わせる結果になってしまった。
「円谷」が真面目に「ファミリー」を切り捨てたのは、「ウルトラマンティガ」以降の平成シリーズである。
その結果、作品毎に完全に前作に引きずられない自由な設定が可能となり、本来、目指していたはずの「ウルトラシリーズ」に立ち返った感じがしていた。
まあ、それぞれの作品を見ると「成否」が結構はっきりしているのだが、それでも、突然「父」が「秘密兵器」を手渡して助けると言うような、「理不尽さ」は、無くなったように感じていた。
と、思っていたところに、このニュースである。
ウルトラマン新作で一族復活 (スポーツニッポン) - goo ニュース
も、どゆ事?
である。
しかも、「M78星雲 光の国」の「宇宙警備隊」である。
別なニュースに依れば、
「宇宙警備隊大隊長、ウルトラの父から地球防衛を命じられたルーキー隊員のメビウスが、地球の若者たちと一緒に怪獣や異星人と戦い、歴代ウルトラマンに見守られながら成長していく姿を描く。」
んだそうである。
いや、懐かしい設定ではある。
だが、わざわざ40周年だから、と持ち出すほどの企画だろうか?
それどころか、平成シリーズで頑張って作り上げてきた雰囲気、ぶち壊しになっちゃうんでは無かろうか?
いやいやいや、いつも言うとおり、あまり見ないうちに騒ぐのはよろしくない。
見てみれば、昔の設定を活かして、
「ああ、そう持ってきたか!」
と、唸らしてくれる可能性だってあるのである。
ここは一つ、一特撮ファンとして4月からの「ウルトラマンメビウス」をじっくりと見守ることとしよう。
はぁ、久しぶりに書くと、長いぞっと。
あの兄弟の設定って、結構、早い時期に破綻を見せていて、子供同士でもつっこみの対象になっていましたからね。
どこかで、兄弟という呼び名もなくなって、「ファミリー」になった気もしました。
・・・マフィアみたいですよね
というか、ウルトラ兄弟は、血がつながっている者の方が少ないらしいです。
エースは捨て子ですし。
セブンは、ウルトラの母の姉の息子ですし。
なんか、ウルトラの母は、セブン族とマン族のハーフで、隔世遺伝でタロウにセブン族の顔が出てきたそうですし。