「わらしべ長者」の民話は、誰でも一度は聞いたことがあると思う。
一応、あらすじを書いておくと・・・
むかし、まずしい男が神様に願をかけると、
「朝、一番に掴んだものを大切にせよ」
という夢を見る。
朝、目が覚めた男は、起きた途端に転んでわらを掴む。
そのわらに、虻を結んで遊んでいると、それを子供が欲しがったのでそれをあげると、お礼にみかんをもらう。
のどが渇いて苦しんでいる人にみかんをあげると、お礼に反物をもらう。
次に馬が行き倒れになって困っている馬喰に、その反物と馬を交換してもらう。
すると、死んでいたと思った馬が生き返ったので、旅に出ようとしている人にあげると、お礼に屋敷田畑をもらい、めでたく長者となる
本によっては、交換するものが違ったり、最後にお嫁さんも手に入れたりと多少筋が異なる事はあるが、「わら一本」から財を成す、と言う点は共通である。
似たような話は、インドや中国、韓国あるいは欧州にもあるようなのだが、他の国の話が機転を利かせて財をなすのに比べて、日本のわらしべ長者は、どこか「運よく」というか、のほほんとしているうちに財を成した、という所が面白い。
この話を聞いて、自分もわら一本から何か交換してみようか?と思った人もいるのではないだろうか?
だが、現実にはそう、うまくは行かないものである。
ところが、「のほほん」ではないのだが、実際にこの「わらしべ長者」を地で行っている人がアリゾナ州フェニックスにいるのだそうだ。
その人の名前は、Kyle MacDonald氏。
彼の事を紹介した記事がこれである。
「ネット版わらしべ長者への道--ペーパークリップは家一軒に化けるか」
日本の御話と違うのは、彼はブラブラとしながら幸運を待ったのではなく、自分のブログ「one red paperclip」を使って、積極的に交換の申し入れを受け付けたり、交換に際しての意見を集めたりした事である。
やっぱり、海外では「機転を利かせて、成功する」という話になるのが面白い。
しかし、こういう話を聞くと、ちょいと子供のころの様に、「自分もやってみるかな?」と思ってしまう。
だからと言って、同じような「赤いクリップ」だったり、或いは民話を地で行って「わらしべ」では面白くない。
高価ではないけれど、自分ではそれなりに思い入れや価値があるもの。
それを、赤の他人の思い入れの有る品物と交換して、だんだんと育っていけば面白いなぁ、と思いません?
もちろん、あまり「長者」になる事を前面にだして、欲の皮つっぱても面白くないので、そこはあくまで自分の価値基準を優先して、
「金銭価値ではなく、自分が一番交換して欲しいと思った物と交換する」
という条件にして。
つー訳で、だめもとで私も「交換宣言」してみる事にする。
品物は、これ。
「宇宙戦艦ヤマト」消しゴムである。
要は、一世を風靡した「スーパーカー消しゴム」と同じなので、本当に消せるかどうかは怪しいのだが。
一応、「劇場版 宇宙戦艦ヤマト」公開当時の品物である。
つー訳で、「ああっ!これと交換してっ!」という奇特な方、いらっしゃったら是非ご連絡の程。
さて、「ヤマト」から家は建つのか?!
・・・ま、初手からこけそうだけどね。
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