紫微の乱読部屋 at blog

活字中毒患者の乱読っぷりを披露。主にミステリーを中心に紹介します。

『FINE DAYS』本多孝好

2007年04月11日 | は行の作家
オンライン書店ビーケーワン:FINE DAYSFINE DAYS』本多孝好(祥伝社文庫)

ミステリではなく、どちらかというと、
ファンタジーの部類に入るのかな。
“恋愛小説”って冠がついてますね。

表題作含め4編を収録した短編集。
本多さんならではの、爽やかなのに切ない、
泣きたくなるような物語ばかりです。

中でも好きなのは「眠りのための暖かな場所」。
体が外側からだんだん冷たくなって、
そして、全身が冷え切った頃に眠りが訪れる…。
そんな経験はないですが、気持ちは分かる。
そうやって、罰を受けようとしている気がします。
小さな1つのわだかまり。
それが心の中でどんどん成長していくことに
気づきならが、目をつぶっているんだけれども、
どうしようもなくなる。
なんとなく、昔の自分を思い出しました。