「博士の愛した数式」以来、気にしていろいろ読んでます。
帯に“フランスで映画化”とあったのですが、作品に登場する
“標本室”は、日本よりもフランスでの方がイメージしやすいですね。
しかも、作品に流れる雰囲気はとてもフランスにぴったり。
フランス映画として見てみたい、と思いました。
工場での仕事中、事故に遭って辞めてしまったわたしが出会ったのは、
人々が思い出の品を持ち込む「標本室」。すぐさまそこの事務員に収まり、
日々、さまざまな人が持ち込む品々と思い出に触れる生活を送るようになる。
そんな不思議な「標本室」での、不思議で、やはり異質な「愛」の
物語なのでしょうね、これは。女として、彼女の気持ちは分からなくも
ないけれど、でも私なら、彼女と同じことはしない。彼女のような
立場に満足できる私ではない(笑)。…私には“ひそやかな愛”は
向いてないのです(^^;)。だから逆に、フランスが似合うのです。
どちらかというと同時収録の「六角形の小部屋」の方が好きです、
リアリティがあって。主人公である彼女に素直にリンクできるし。
これもある種「愛」の物語かもしれませんが、私的には、ホラーの
ようにも読めますね。不思議な小部屋の物語です。まあでも、
小川さんの作品って、少なからずホラーの要素を含んでますもんね。
表題作だって、充分ホラーだと思いますよ。そこにうまく「愛」を
からめて、美しく仕上げるのが、小川作品の魅力です。
「薬指の標本」小川洋子(新潮文庫)
帯に“フランスで映画化”とあったのですが、作品に登場する
“標本室”は、日本よりもフランスでの方がイメージしやすいですね。
しかも、作品に流れる雰囲気はとてもフランスにぴったり。
フランス映画として見てみたい、と思いました。
工場での仕事中、事故に遭って辞めてしまったわたしが出会ったのは、
人々が思い出の品を持ち込む「標本室」。すぐさまそこの事務員に収まり、
日々、さまざまな人が持ち込む品々と思い出に触れる生活を送るようになる。
そんな不思議な「標本室」での、不思議で、やはり異質な「愛」の
物語なのでしょうね、これは。女として、彼女の気持ちは分からなくも
ないけれど、でも私なら、彼女と同じことはしない。彼女のような
立場に満足できる私ではない(笑)。…私には“ひそやかな愛”は
向いてないのです(^^;)。だから逆に、フランスが似合うのです。
どちらかというと同時収録の「六角形の小部屋」の方が好きです、
リアリティがあって。主人公である彼女に素直にリンクできるし。
これもある種「愛」の物語かもしれませんが、私的には、ホラーの
ようにも読めますね。不思議な小部屋の物語です。まあでも、
小川さんの作品って、少なからずホラーの要素を含んでますもんね。
表題作だって、充分ホラーだと思いますよ。そこにうまく「愛」を
からめて、美しく仕上げるのが、小川作品の魅力です。
「薬指の標本」小川洋子(新潮文庫)