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<原発避難訴訟>原裁判長 避難者寄り添う
原道子裁判長
東京電力福島第1原発事故の避難者らによる前橋地裁の集団訴訟を指揮した原道子裁判長(59)は、審理を先送りせず結審することに強い意欲を示し、各地の同種訴訟で最も早く判決を言い渡した。原告側からは避難者に寄り添う姿勢があるとの声が上がっていた。
神奈川県出身で、名古屋地裁判事、東京地裁判事などを経て2013年4月、前橋地裁に着任。
14年、群馬県桐生市で10年に自殺した小学6年女児の両親が、いじめと校長らの不適切な対応が原因として市と県に損害賠償を求めた訴訟の判決で賠償を命令。いじめと自殺の因果関係を認めて校長らの責任を指摘し、自殺後の市の調査にも問題があったと批判した。
今回の訴訟では現地の検証も実施し、他の裁判官2人と福島県内の原告宅を訪れた。
昨年6月24日の口頭弁論で、主張が足りないとして国側がさらなる審理を訴えたのに対し「天変地異がない限り10月31日に結審する」と断言していた。