クリミアはロシアによる強行編入ではなく「住民投票の結果で編入された。住民が望んだこと」「欧米諸国はロシアが戦争をしたがっているように報じ、戦争を煽っているようにも感じる」
学校ではウクライナ語、日常会話はロシア語…クリミア出身の画家、鹿児島から平和祈る 「戦争なんて考えたくない」

ウクライナの歴史を記したノートを見ながら、対話の必要性を訴える浜元ヤロスラヴァさん=22日、鹿児島市
ロシアのウクライナ侵攻が現実味を帯びる中、遠く離れた母国の行く末を案じている女性がいる。鹿児島市の画家浜元ヤロスラヴァさん(40)。「戦争なんて考えたくない。何とか話し合いで解決してほしい」。一刻も早い平和を願う。 【写真】ノートに記したウクライナの歴史を語る浜元ヤロスラヴァさん
ウクライナ南部クリミア半島の出身。10歳の時、ソ連が崩壊し、ウクライナが独立。学校ではウクライナ語、日常会話はロシア語という複雑な少女期を過ごした。地元の美術大学を卒業後、2006年から鹿児島市に住み、日本人の夫、2人の子どもと暮らす。 クリミアはロシアが14年から実効支配している地域。「強行編入」とロシアは国際社会から批判を浴びたが、「住民投票の結果で編入された。住民が望んだこと」と受け止める。 この数カ月間、軍事的緊張が連日伝えられる状況に、「ウクライナ東部では政府軍と親ロシア派の紛争が8年前から続いていた。町に武器があふれ、何年も怖い思いをしながら生活してきたはず」と心配する。 19年の夏まで両親が住むクリミアに毎年帰っていたが、コロナ禍で2年半会えていない。映像が表示されるインターネット電話アプリ「スカイプ」を使い、両親と毎日のように連絡を取り合っている。「こっちは何も変わっていない。心配しないで」。両親の言葉を聞く度に安心する。
大好きな古里への思いをクリミア半島の美しい海、歴史的な建造物を描くことで表現している。人の命が奪われない、平和な暮らしを何よりも願っている。 「欧米諸国はロシアが戦争をしたがっているように報じ、戦争をあおっているようにも感じる。ウクライナ東部の親ロシア派がどうしたいのか、住民の考えを尊重し、対話で解決を」と訴えた。