市丸が藍染達と去って現世へ行くまでの間の出来事だった。
しばらく気丈に振舞っていた松本もある日それが元で少し体調を崩した。
あいつは弱い自分をさらけ出すのを最も嫌う。だから強がる。
特に今回は過去から繋がりのある市丸が関わっているとあれば内心かなり滅茶苦茶だと思う。
俺はそんな松本を正直見ている事が出来なかった・・・
「すまねぇが俺もまだ本調子じゃねぇし、今日は松本も体調崩して休んでる。後は任せる。」
体調の状態から俺は今日も執務を早目に切り上げ、後の事を第三席に任せることにした。
その足で松本に何か持って行ってやろうと思って果物屋で林檎を2つ買って行った。
そして・・・
「松本居るか?」
と松本の部屋へ辿り着き松本を呼んでみる。とにかくこの林檎だけ渡したら帰ろうと思っていた。
「隊長・・・わざわざどうしたんですか?」
「ただの見舞いだ。滅多に倒れねぇお前が倒れたんだ、少しは心配してやんねぇとな」
「それはどう言う意味ですか?あたしの事人間と思っていませんね?」
元気そうに受け答えはしているもののやはりいつもの表情とは少し違っていた。
「せっかく来てくれたんですから上がってくださいvv」
「あっ・・ああ。」
そんな表情の松本をほっておくことが出来ず部屋へ上がった。
「松本、お前体調良くねぇんだろ?林檎剥いてやるから大人しく横になってろ。」
「でも・・・」
「隊長命令だ!」
「・・・大人しく聞きます。」
あまり良いとは思わなかったが、そうでもしねぇと松本は無理するだろうし・・・。
しばらくして何とか林檎を剥き終わり松本の元へ持って行く。
「隊長・・・あまり上手な剥き方とは・・・」
「うるせぇ・・・とっとと食え。」
俺が言うと渋々松本が林檎を食べ始めた。
「隊長、この林檎の形何だかガラスの破片みたいな形していません?」
「言われてみればそうかもな。」
「あたし・・・今回の事で心が砕け散った感じがしたんです。そして、その散った心の破片はまだ全部元には戻ってくれないんです。戻って来ない一部の破片はきっと何処かへ行ってしまったのね・・・」
松本は林檎を見つめ話し始める。
「隊長・・・あたし本当は怖いんです。このまま破片が全部見つからなくってあたしがあたしじゃなくなったら・・・」
「しっかりしろ松本!!何があろうとお前はお前何者でもねぇ、十番隊副隊長松本乱菊だろう?破片はどれだけ時間が掛かっても一緒に探してやる。」
「隊長・・・・」
松本はうつむいて静かに涙を流し始めていた。
「ほら、今日は思い切り泣け。俺が付いてる。」
俺は松本を抱き締めてやった。そして泣きやむまでその頭を撫で続けた。
「だから、強がるな。辛くなったら俺に寄りかかっていいんだぞ。」
俺は松本が元気になるならそれでいい。
松本が笑ってくれるならそれでいい。
今は大泣きしてもいい。
例え破片が全部見付かって俺を見てくれなくても
松本が居てくれれば俺はそれでいいんだ・・・
終
いつもお世話になっております「stripped-diva-girl」の奈々嘉様より、相互記念リクで素敵な日乱小説を頂きましたv「男らしい日番谷君と少し弱い乱菊さん」ということでリクエストをさせて頂いたのですが、正にリクエスト通りに仕上げて下さいまして感激です…!
傷心の乱菊さんを慰める日番谷君と、可愛らしい乱菊さんに心奪われました。(笑)
奈々嘉さん、お忙しい中このように素敵な小説を下さいまして、本当にありがとうございました!私も頑張りますね…!!
しばらく気丈に振舞っていた松本もある日それが元で少し体調を崩した。
あいつは弱い自分をさらけ出すのを最も嫌う。だから強がる。
特に今回は過去から繋がりのある市丸が関わっているとあれば内心かなり滅茶苦茶だと思う。
俺はそんな松本を正直見ている事が出来なかった・・・
「すまねぇが俺もまだ本調子じゃねぇし、今日は松本も体調崩して休んでる。後は任せる。」
体調の状態から俺は今日も執務を早目に切り上げ、後の事を第三席に任せることにした。
その足で松本に何か持って行ってやろうと思って果物屋で林檎を2つ買って行った。
そして・・・
「松本居るか?」
と松本の部屋へ辿り着き松本を呼んでみる。とにかくこの林檎だけ渡したら帰ろうと思っていた。
「隊長・・・わざわざどうしたんですか?」
「ただの見舞いだ。滅多に倒れねぇお前が倒れたんだ、少しは心配してやんねぇとな」
「それはどう言う意味ですか?あたしの事人間と思っていませんね?」
元気そうに受け答えはしているもののやはりいつもの表情とは少し違っていた。
「せっかく来てくれたんですから上がってくださいvv」
「あっ・・ああ。」
そんな表情の松本をほっておくことが出来ず部屋へ上がった。
「松本、お前体調良くねぇんだろ?林檎剥いてやるから大人しく横になってろ。」
「でも・・・」
「隊長命令だ!」
「・・・大人しく聞きます。」
あまり良いとは思わなかったが、そうでもしねぇと松本は無理するだろうし・・・。
しばらくして何とか林檎を剥き終わり松本の元へ持って行く。
「隊長・・・あまり上手な剥き方とは・・・」
「うるせぇ・・・とっとと食え。」
俺が言うと渋々松本が林檎を食べ始めた。
「隊長、この林檎の形何だかガラスの破片みたいな形していません?」
「言われてみればそうかもな。」
「あたし・・・今回の事で心が砕け散った感じがしたんです。そして、その散った心の破片はまだ全部元には戻ってくれないんです。戻って来ない一部の破片はきっと何処かへ行ってしまったのね・・・」
松本は林檎を見つめ話し始める。
「隊長・・・あたし本当は怖いんです。このまま破片が全部見つからなくってあたしがあたしじゃなくなったら・・・」
「しっかりしろ松本!!何があろうとお前はお前何者でもねぇ、十番隊副隊長松本乱菊だろう?破片はどれだけ時間が掛かっても一緒に探してやる。」
「隊長・・・・」
松本はうつむいて静かに涙を流し始めていた。
「ほら、今日は思い切り泣け。俺が付いてる。」
俺は松本を抱き締めてやった。そして泣きやむまでその頭を撫で続けた。
「だから、強がるな。辛くなったら俺に寄りかかっていいんだぞ。」
俺は松本が元気になるならそれでいい。
松本が笑ってくれるならそれでいい。
今は大泣きしてもいい。
例え破片が全部見付かって俺を見てくれなくても
松本が居てくれれば俺はそれでいいんだ・・・
終
いつもお世話になっております「stripped-diva-girl」の奈々嘉様より、相互記念リクで素敵な日乱小説を頂きましたv「男らしい日番谷君と少し弱い乱菊さん」ということでリクエストをさせて頂いたのですが、正にリクエスト通りに仕上げて下さいまして感激です…!
傷心の乱菊さんを慰める日番谷君と、可愛らしい乱菊さんに心奪われました。(笑)
奈々嘉さん、お忙しい中このように素敵な小説を下さいまして、本当にありがとうございました!私も頑張りますね…!!