Doll of Deserting

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加護の中。(日乱。ギャグにもなりきれない…泣)

2005-07-08 20:32:56 | 過去作品(BLEACH)
加護の中。
 いつもと何ら変化の見られない執務室に入り、いつもと何ら変化の見られない副官を見やる…はずだったが、その日は少々勝手が違った。彼女の腕の中には、何というかその、小さな出生して間もないであろう赤ん坊が抱かれていた。
「あら、お帰りなさい。今日は早かったんですねえ、パパ。」
「………!?」
 日番谷は考えを巡らせた。
(落ち着け、俺の見た目は子供だ。松本とそういう関係になったことは一切ないしなったところでどうなるものとも思えねえ…。じゃああれは何だ?妥当な線でいけば俺はからかわれて…いや、しかし…。)
 一時思案した結果、日番谷はおもむろに彼女の手に柔らかく肩を乗せて言った。彼の表情は、何というか人生を投げ打ったような悲痛な色をしていた。
「…松本、辛かっただろ。よく頑張ってくれたな。それにしても何も一人で産むこともなかったんじゃねえか?何で俺に何の相談もしなかったんだ…。まあそいつも、父親がこんなガキじゃ可哀想っちゃ可哀想だが、いないよりはマシだろ。」
 俺、頑張っていい父親に、つうかでかくなるから…!!と思いを新たに、彼は本気で夫婦になるつもりでいた。乱菊はそんな彼を見ながら、(うちの隊長、素直にハマってくれるから面白いのよねえ…。)などと思っていた。
「…隊長、あの、実はこの子、あなたの子供じゃないんです…。」
 素直に彼女は白状したが、日番谷は違う意味へ取ったようだ。
「何!?…まあ、心配するな松本。いや、乱菊。(照)俺、大事にするから…例えソイツが、あの市丸の子供だったとしても…!!(とか何とか言ってたら本気で赤ん坊が市丸に似てるような気がしてきやがったぜチクショウ!!)」
「そうじゃなくて!軽い冗談のつもりだったんですってば!大体この子黒髪ですよ?私達のどっちとも違うじゃありませんか!」
「そんなもん俺達は日本人なんだからあり得なくもねえだろ!!(錯乱)」
「隊長!キスだけで子供が出来るとか思ってるんじゃないでしょうね!?ていうかもしかしてコウノトリが運んでくるとか思ってるんじゃありませんよね!?」
「馬鹿にすんじゃねえお前ほどじゃなくとも長く生きてんだよそんなことくらい知ってんに決まってんだろ!!だからもしその赤ん坊が俺の子だったらきっと頑張ってる俺に現世のサンタ(とか何とか)が生命の贈り物を…!!(錯乱)」
「そんなことあるわけないでしょうが!」
 一息で言ってから、日番谷はため息をつく。因みに台詞から分かるように彼はサンタクロースが実際はどういうものなのか理解していない。
「お前俺が子供だからって馬鹿にしてんだろ!?俺だってなあ隊長なんだぞ?養育費くらいあるに決まってんだろ!いいから黙ってその子供ごと俺について来い乱菊!(慣れた模様)」
「た…隊長。」
 よくは分からないが男前(のような気がする)台詞にほだされ、乱菊は一瞬赤ん坊が人の子だということを忘れそうになった。しかしかろうじて理性を取り戻した。
「いいえいけません!なぜならこの子は…。」
「そうか…乱菊。結局お前にとって俺はただの遊びだったんだな…。」
 悲劇のヒロインを気取ったような台詞を吐き出しながら、日番谷は肩を落とす。彼は始め自分がからかわれているだけだという最もな見解を考えていたことを完全に忘れている。というか、ほぼ人格というかキャラが崩壊している。
「いえそうじゃなくてですね、この子は人の子なのであなたは父親にはなれないんですってば。」
「そうか、やっぱり俺の子じゃないのか。俺の子じゃないから俺は父親になれないのか…。」
 乱菊は、ついに日番谷の頭を思い切りはたいた。こんなことをしたのは初めてだが、目を覚まさせるためなのだから仕方ない。日番谷は予想していなかった行動に目を丸くした。
「…松本。俺今何してた…?」
「やっぱり記憶がないとかそういうオチですか隊長。いえ、いいんですよ。あなたじゃなくて管理人の可哀想な頭のせいなんですから…。」
「で、ソイツは結局どこの子だ?」
「あたしの同期の子です。といっても席位は下ですけどね。彼女今日旦那と一緒に現世任務だったんで預かったんですよ。」
「そうか。…驚かせるなよ。」
「普通冗談だって分かりますよ。ひっかかった隊長が無垢なんですよ。」
 何となく馬鹿にされたような気がして、日番谷は頭を掻いた。そして何ともなしに彼女の方を向き、髪を梳いてみる。濃い金色だ。吉良イヅルほど薄い色ではなく茶に近いが、それは紛れもなく金糸だった。
「なあ、松本。お前は子供欲しいと思うか?」
「まだいりません。中身ばっかり大きくなった子供がいますから。」
「…もしかしなくても俺のことか?」
 肯定するように曖昧に笑い、乱菊が日番谷の背を抱く。まだ発展途上の身体は、僅かながらもこれからまだ成長していくだろう。そして本当に彼が父親になれる歳になった時、彼の子供を抱いているのが自分であればと、密かに願う。
「まだまだ籠から出すのは心配ですもの。」
 成長途中の子供は、外に出すとどこで何を覚えてくるか分からない。時が来るそれまでは、自分が閉じ込めておこう。そして誰もが認める男になれば、そっと外に出してやろう。自分は親ではない。もっと不純な生き物ではあるが、彼を加護する親鳥よりも、更に高みに立つ存在になりたい。そう、時が来れば離れていくものではなく、時が来れば更に強く抱かれる存在に。


 すいませんマジすいません。可哀想な頭で申し訳ございません。でも何ていうか日乱で、こういうネタは見たことないかもなあ、と。ありがちではありますが。あまつさえ昨日は七緒ちゃんのお誕生日で、何かお祝いをUPしたいなあと思いつつ追いつかずその翌日にこんなモノを…!(死)ていうか早くパラレルを更新しやがれ。七緒ちゃんと京楽さんは誕生日4日違いなんですよね。だからちょっとどっちかにしようかなとか思ってたら七夕で。11日にUPしたいと思います…。(哀)
 というか日番谷君はこういう時きっちり責任を取ったりしてくれそうだていうか絶対するようん。(黙れ)ああ、でも彼は婚前交渉なんてしないよね…!!(彼を何だと)何ていうか、出来ても問題ないっていうんじゃなかったら絶対しなさそう。(笑)つうか日番谷君で不純なのは思いつきませんです。(こんなん書いておきながら)

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