Doll of Deserting

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この朝に断罪を。(ギンイヅ+乱菊)ネタバレ注意!

2005-07-10 14:33:19 | 過去作品(BLEACH)
注意:この話にはここ2ヶ月間ほどのジャンプ本誌の展開が盛り込まれております。

この朝に断罪を。
「さいなら、乱菊。ご免な。」
 乱菊は、その昔家族のように恋い慕っていた男の姿を思い出す。そうして、三番隊へ書類を届けるべく腰を上げた。
 三番隊の隊舎は、いつも通りに静まり返っていた。ここのところいつもそうだ。副隊長が隊長を仕事へと引き摺っていく騒がしさがなくなったからかもしれない。それとも、もしかしたら副隊長がかもし出していた温かさが、全く感じられなくなったからかもしれない。
「失礼します。」
 乱菊が戸を開けると、三席が事務的な声で「どうぞ」と答えた。この隊にはもう、張り付いたような笑顔以外の温かみのある表情が見られなくなった。そう思っていると、奥から現在の隊主代理が出てきた。
「こんにちは、乱菊さん。日番谷隊長にお願いしていた書類の件ですね?」
 本人は愛想よくしているつもりなのだろう。しかしその表情はどこまでも喪失を孕んだ無だった。彼の顔から笑顔が消えた時、どれほど隊員達が嘆いたことだろう。ここの隊員は副隊長に心酔していたものばかりだったから。
「ええ、これでいいかしら?」
 言いながら、乱菊は隊員達の顔を見やる。皆もくもくと書類を整理している。しかし乱菊は、ついこの間三番隊の隊舎の前で、三番隊の上位席官が話していたことを聴いてしまった。
『三席、吉良副隊長は何で笑わなくなったんですか?』
『俺も思います。あんな副隊長、俺嫌です。笑っていたからこそ普段の何倍も美しい人だったのに。あれじゃあただの人形みたいだ。生きていないみたいで、怖いんです。』
『…お前達が言うように、あの方は一度亡くなったのだよ。』
『…どういうことですか?』
『あの方は、市丸隊長のためだけに存在しておられた。隊長のためだけに生き、笑い、隊長だけが傷付けることを許された存在だったのだ、副隊長は。だから吉良副隊長は、『三番隊副隊長』として今生きておられる。『吉良イヅル』様は、もう殺してしまわれたのだ。』
 隊員達が息を呑む。乱菊はそれを見ながら、あの男が、ギンが自分に別れを告げる前にいつか言っていた言葉を思い出していた。
『イヅルは連れていかれへん。』
『あの子のところに帰って来られるように、あの子にさよなら言わんで行くんや。』
(大事なものは、最後まで明かさない男だった。そうしてあたしには、吉良を託して別れを告げた。本当、勝手な男ね。)
 ギンはなぜ乱菊には別れの言葉を残したのか、乱菊には分かっていた。イヅルと乱菊では、大事の種類が違う。別れを告げるべき相手と告げるべきではない相手は、区別されているのだ。
「…あんたが中途半端に吉良を大事にしたお陰で、あの子は笑わなくなったわよ。」
 自隊の隊舎へ戻る道のり、毒づきながら乱菊は思う。恋人でもなく、友人でもなく、家族でもない永遠の絆で、自分とギンは結ばれていた。互いのイヅルや日番谷との繋がりよりも深く、そして浅い絆で。
「…本当、馬鹿な男ね。」
 あの子は大事にされていることに気付かず、自分は棄てられたと思っている。そしてその証を、顔に貼り付けた。
 乱菊は、朝が来てイヅルが隊舎へ訪れる度に「今日も笑っていない」と隊員達が落胆しているのを思い、ふと朝に裁きを与えたくなった。


 人は永遠に夢を見る生き物だと思うこんにちは桐谷です。ギンがイヅルを残していった理由っていうのがイヅルがその方が幸せになれるからだといい。ていうかわたくし今でも市丸さんはいい人だと信じております。だってそんな悪人が乱菊さんにあんな表情見せられるはずがない。そしてイヅルはさよならを言いに行ったりとかしたら離せなくなるから何も言わずに行ったんだよね!!ていうかイヅル永遠に付いて行けるはずないって知ってたもんね!!!(ドリーマー駿)
 …フー。(落ち着け自分)ていうかパ*ラ*レ*ル!!今日中には書きますマジで。

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