ムーティ/シカゴ交響楽団「ヴェルディ オテロ」

           


 ムーティ指揮シカゴ交響楽団によるヴェルディのオペラ「オテロ」です。2011年にシカゴのオーケストラ・ホールとニューヨークのカーネギーホールで演奏会形式で上演した演奏のライブ録音です。


 冒頭の合唱にあるようにVITTORIA! 新コンビによる大勝利、輝かしい演奏、録音です。とてもライブ録音とは思えない、オケの厚くダイナミックな響きがきっちりと捉えられています。SACDであることがどのくらい影響しているのか分からないのですが、ゾクゾクするようなハーモニーの細部までクリアに聴こえます。


 若手の抜擢とベテランのバランスよい起用に定評のあるムーティなので歌い手たちも万全です。個々の歌手名は最近はよく分からないのですが、テノール、バリトン、ソプラノの甘く伸びやかな声の饗宴に酔いしれます。シカゴ・シンフォニー・コーラスも素晴らしいです。


 ヴェルディ最晩年の傑作、有名ないくつかのアリアや合唱もあるが全編が聴きどころとよく言われますが、それがよく理解できる充実した演奏です。


 オテロの録音は難しいのか、意外とディスクは少なく、カラヤン盤、レヴァイン盤、チョン・ミュンフン盤を思い出します。聴き比べる気力はないのですが、録音も含めるとナンバー1ディスクの登場といえると思います。


 やっぱりムーティはやってくれます。スカラ座辞任後、どうなったんだろうと心配していましたが、まだまだ現代最高のマエストロです。





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