「すし善」(銀座)

          

 北の迎賓館と呼ばれている札幌の名店「すし善」の銀座店(7-8-10)です。いつか札幌で食べてみたいと思っていました。東京の支店は汐留の電通本社ビルに入っていたのですが、昨年銀座に移転しています。

 資生堂パーラーの隣りにある資生堂の新しいビル(フクハラギンザ)の地下一階にあります。重々しい雰囲気のフロアです。
 11時20分頃に入店すると私が一番初めの客でした。店内は奥のカウンター(9席)と手前のカウンター(15席くらい)に分かれていて、高級感あふれる造りになっています。
 奥のカウンターの握る方の真ん前の席に通されました。おっと、ちょっと緊張します。次のお客さんが手前のカウンターの握る方の真ん前の席、その次が奥のカウンターの別の席と、奥と手前と順番に通されるようです。

 昼のコースは、3600円、5250円、7300円とあり、10貫の「禄」(5250円)を注文しました。コースに巻物はないので、すし善で考案されたという「トロたく」を追加してもらいました。飲み物はお茶のつもりだったのですが、一番いい席に通されたので、熱燗をお願いしました。

 まず、ガリなのですが、生姜の固まりが華麗な包丁さばきで輪切りにして出されます。これまで食べてきたナヨっとしたガリではなくて、長方形のシャキシャキした歯ごたえのものです。凄く美味しい。これは何かと訊くと竹生姜というものを使っているそうで、生姜ですと言って出されますが、これもガリなんだそうです。口直しにパクパク美味しくイケるので、結局、4個切ってもらうことになりました。

 そして、もの凄く太くて大きい生わさびを擦っていて、これまた本格的な鮨店の感じがします。

 始めにサラダが出され、鯛の昆布締めから握りが始まります。食べたのは(順番はよく覚えていませんが)、赤貝、コハダ、トリ貝、毛ガニ、しめ鯖、つぶ貝、まぐろ、うに、穴子です。
 ここの鮨は北海道らしいというんでしょうかストレートなネタの鮨です。シャリはオーソドックスなもので、昨日行った太一とは違います。訊いてみると札幌の店のものを基本に東京も意識した鮨ということです。

 旬のネタで勝負する店なのでしょうか。どれも美味しいですが、感激するネタと普通に美味しいネタとがあります(これはランチの限界です)。その中でもトリ貝とうにが特によかったです。うには、シャリを薄く広げてその上にうにをたっぷりと盛り付けます。甘くて美味い。この時期は道東のものを使っているそうです。うにの旬は夏で、6月第2週頃から7月一杯までは利尻と礼文の味の濃い最高のうにを提供できると話していました。是非食べてみたいです。

 追加でお願いしたトロたくは、握りでは使われなかったピンクと白のいいマグロを使って巻いてくれました。トロたくは回転寿司でも最近は最後に必ず食べる大好物なので最高です。トロたくはすし善で始めたんですよねと訊くと「そういうことになっています。その頃は札幌ではどこもやっていなかったので・・・言ったもんがちみたいなところもありますけど、ははは。」ということでした。

 最後のお椀もしっかりした味噌汁で美味しかったです。この味噌汁で思い出したのですが、20年以上前の新潟の鮨屋でのエビが沢山入った味噌汁美味かったなあ、10年以上前の築地の喜楽鮨の最後の味噌汁もよかったなあ・・・これまでカウンターで鮨を食べたことはないと思っていましたが、そういえば独身の頃はたまには行っていました。あまりにも久しぶりなので完全に忘れていました。

 どうして銀座に移転したのか訊くと、汐留の店は広すぎたということでした。昨年は震災の影響もあって大変だったようです。

 今日も気持ちよく銀座の鮨を堪能できました。太一、すし善、やっぱりいいですね。世界が違います。これからも少しずつ体験を積めればと思います。

          


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