辛酸なめ子「ヨコモレ通信」


 こんなに暑いと軽い読み物が読みたくなります。
 「ヨコモレ通信」は、週刊文春に連載されていた辛酸なめ子による東京の話題スポットのルポ・エッセイです。「セレブの現場、いただきます。」と帯にあります。辛酸なめ子は、「爆笑問題のバク天」でコメンテイターをやっていたのを見たことがありましたが、本業は漫画家、エッセイストなんだそうです。

 「東京都庁展望台のバー」、「自由が丘スイーツフォレスト」、「人体の不思議展」、「タワーマンションのモデルルーム」、「芥川賞・直木賞授賞式」、「よしもとおもしろ水族館」、「ホテルニューオータニでのヨガ体験」など話題のプレイスポット、普通の人は行かないマイナーな催し物、金持ち向けのショップ、老人に大人気のヒット商品などを斜に構えた視点から面白おかしく紹介します。

 我々が普段テレビや雑誌で目にする話題のスポットは、だいたいお金が絡んでいるので何だかんだで悪くは紹介されません。一方的なステレオタイプの情報しか伝わってこないのですが、このエッセイでは華やかなスポットの裏側や哀しい実態が暴かれます。百聞は一見に如かずです。

 それにしても最近はこういう話題のスポットには行かなくなりました。どうせつまらないんだろうと決めてかかるからですが、時間がかからない、お金もそんなにかからないという手頃な施設が少ないのも事実です。そこで、結局、テレビで見たりこういう本で読んで行った気分になっておしまいということが多くなってしまいます。

 いずれにしても辛酸なめ子のエッセイは初めて読みましたが面白かったです。いくつか著書を読んでみたくなりました。


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