多面体F

集会報告、読書記録、観劇記録などの「ときどき日記」

いまだかつてない悲惨な選挙

2014年02月21日 | 日記
都知事選が終わった。この選挙は、わたくしにとって「いまだかつてない悲惨」な選挙だった。
悲惨だったのは、ひとつは年末の12月21日から「澤藤統一郎の憲法日記」で「宇都宮健児君、立候補はおやめなさい」の連載が始まったことだ。わたくしは大分のHさんのメールで22日(日)に知った。それまでは「自民が年内に候補を決める」と言っていたので、反自民側も27日くらいまでに決まればいいな、と思っていた。志葉玲さんのウェブ上の発表(12月22日)があり、その直後に立候補表明があった。「安倍政権の暴走にストップをかけ、東京から国政を変える」というキャッチフレーズには、まったくそのとおりと共感した。

しかし日をおってブログを読むごとに、あの事務所に非民主的な体質はたしかにあったのではないかと思えるようになっていった。1月4日以降の「醍醐聰のブログ」も、「たしかに」と思わせる内容だった。1月11日事務所開きがあったので、ボランティアも兼ねてのぞきにいった。するとK事務局長をはじめHさん、Mさん、Iさんなど2年前と変わらない顔ぶれだった。司会は驚くべきことにHさん本人、Uさんもあとから顔を出した。まったく何も反省していないようだった。
前回は、事務所を訪問するごとに、少額だが1000円ずつカンパをした。しかし、結局幹部の方の選挙報酬や宴会代になると思うとイヤな気になるので、今回は一切寄付しなかった。
一方、年末年始にかけて細川護煕氏が立候補するかもというウワサが広がった。そして1月15日には、細川・小泉会談後の写真が新聞を飾った。脱原発に焦点を絞れば細川候補のほうが現実の社会へのインパクトが強く、影響力がある。しかし候補者として政策などの魅力は宇都宮候補が高い。細川候補が都教委についてどう考えているかまったくわからない。
ところが待てど暮らせど脱原発以外の細川氏の政策が発表されない。発表は告示前日の夕方だった。しかし東京都の教育については「規制緩和」というだけで、具体的にはどんなことかまるでわからない。それで告示翌日の24日夕方直接平河町の事務所に行ってみた。教育政策についてスタッフの方に聞いてみたが、「まだ何もわからない」という。確認団体チラシもつくるかどうかまだ決まっていないとのことだった。
選挙が始まってから四谷三丁目の細川勝手連の事務所を訪ねた。宇都宮事務所から徒歩5分くらいの場所だった。ところが行ってみると、驚くことにそこは「海江田万里を支える会」の事務所だった。  

そしてもうひとつ悲惨だったのは、市民選挙でなく政党選挙だったことだ。宇都宮選挙は共産党が中心のようだった。1月に近所で街宣があったので行ってみた。中心になっていたのは共産党の都議と区議、その他新日本婦人の会の方がビラ配りをやっていた。また投票2日前の7日の夜、都内各駅一斉街宣というイベントがあり、新宿駅西口に行ってみた。20人くらいの人がいたが、「東京都知事は宇都宮、宇都宮」とまるで「地方区は吉良よし子、吉良よし子 」と同じ調子のコールをしていた。通行人としてならともかく、普通の市民がビラまきに参加できる雰囲気ではなかった。
最終日は雪の中でのフィナーレだった。新宿駅西口は風があって吹雪いていた。いつものロータリーでは鈴木たつお候補が街宣しており、宇都宮候補はハルク前だった。意外に若い人、それも女性が多かった。知り合いの共産党の女性が交通整理をしていた。やはり共産党の大量動員があったのではないかと思った。
事務所でも、選挙でよく出会う市民派ボランティアの人にはまったく出会わなかった。正確にいうと杉並区議の1人にのみ出会った。みんな細川候補の支援をしていたのだろうか。
近所の街宣では宇都宮候補の1時間前に同じ場所で舛添候補が街宣をしていた。そこでは自民党の地元選出衆議院議員と都議会議員が中心になっていた。公明党の議員は一人も見かけなかった。まさに自共直接対決である。

選挙終盤にはchange.orgで「何とかしてよ都知事選!」署名が始まり、わたくしも署名を送信した。さらに「市民の希望は、一刻も早い宇都宮候補の立候補辞退」と願うまでになっていた。宇都宮さんは、教育担当の副知事なり教育長でもよいのではないかと思ったのだが・・・。本当に悲惨な選挙だった。

選挙の結果は、9日(日)21時からのテレビ番組でわずか5秒で「舛添当選確実」と発表された。宇都宮98万2594票+細川95万6063票でも193万8657票で、舛添の211万2979票に及ばない(差は17万4322票)という完敗ぶりだった。宇都宮候補が細川候補を上回ったのは、やはり天候が悪く投票率が史上2番目に低かったことと、共産党の組織票だったと思う。
なお振り返ると、わたしは、集会への参加、事務所開きへの参加、会場設営の手伝い、カンパの領収証発送の住所書き、近所の家へのポスティング、電話入れ、雪の中のフィナーレへの参加など、やることはやっている。

☆国会では安倍首相が、9条の解釈改憲を最高責任者の首相の独断でできるようなことを言っているし、戦後教育をマインドコントロールだと断罪し根底から「改悪」しようとしている。安倍の「暴走」にほかならない。都知事選では、田母神俊雄候補は61万票も得票した。とくに20代の若者の支持が高かったという。日本の図書館から「はだしのゲン」や「アンネの日記」が廃棄される日も遠くないかもしれない。そして1年後には核武装をして、中国との戦争が始まりそうな社会の雰囲気である。未来の子どもたちのことを考えれば、やはり、あきらめずやるべきことをやり続けたほうがよいかもしれない。
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