年末日比谷公園で実施された年越し派遣村は、1月5日から中央区十思スクエア体育館、京華スクエア体育館、東京都石神井学園用体育館、山谷地域越年越冬対策宿泊援護事業なぎさ寮の4つに分かれて継続された。約300人の登録者のうち練馬には140人弱がやってきた。ここは最大の拠点となった。
石神井学園用体育館。手前の人はボランティア
石神井学園は練馬区内にあるので、11日の日曜午後、訪問した。
食事と清掃は都が委託した社会福祉法人が行っていた。敷地内や近隣公園は火気使用禁止になので仕出し弁当が配布される。ボランティアの炊き出しは行えない。体育館の出口を出たところに簡易トイレが5-6基、建てられていた。風呂は入浴券を配布し近隣の銭湯を利用する。生活保護申請は千代田区で申請した人もおり、石神井福祉事務所に申請した人は約40人だった。体育館には、「東京チャレンジネット」のオレンジのジャンパーを着た都の職員が数人、実行委員会の緑の腕章を付けた年越し派遣村実行委員会の人が数人、そしてボランティアが多数いた。体育館入り口では厳重に入退室をチェックしていたので、少し入りにくい雰囲気があった。
室内をのぞいて見ると、アパート探しや職探しで外出している方も多く、在館している人は40人くらいだった。体育館なので床はフローリングでブルーのカーペットを敷き、そのうえにフトンを敷いていた。屋外はすっかり冷え込んでいるが、室内は心地よく暖房が効いていた。
壁には「千代田区で生活保護申請をした人は、家具什器費用が24800円支給されたが、その後39700円（14900円の増額）になったので差額の支給申請を、館内の受付でしてください」という貼り紙が大きく掲示してあった。
わたしは見ていないが、生活相談、就労相談、住宅相談、緊急小口資金の相談ブースが設置され、ハローワーク、労働基準監督署、アパートを紹介するNPOが出張してきていたそうだ。また室内では、「励ます会」の区民ボランティアの社会福祉士が聞き取り調査をしていたとのことだ。
区民による衣料品無料バザー
11日（日）午後、練馬「派遣村」を励ます会の支援企画が実行された。励ます会は池尻成二区議（市民の声ねりま）とかとうぎ桜子区議（市民ふくしフォーラム）が中心となり立ち上げた会である。
わたくしが到着したのは15時過ぎだった。体育館外で池尻事務所で区民ボランティアがつくったお汁粉サービスとつくりっこの家が主力の衣料品無料バザー、労働組合主力の労働相談、そしてカンパ受付をやっていた。衣料品はセーター、ズボン、スーツ、下着・靴下、ネクタイなど種類別に並べられていた。下着類は練馬「派遣村」を励ます会が呼びかけたカンパで購入したものである。また室内では、区内のボランティア理容師による散髪屋をやっていた。区民も切った毛の掃除などを手伝っていた。この日一日で約20人の方が散髪をすまし、こざっぱりとしていた。手伝った人の話では「次はいつ散髪できるかわからないので、できるだけ短めに」という注文もあったそうだ。
とにかくボランティアが多く、50人前後いたのではないだろうか。夜、チェロとピアノのコンサートがあったそうだ。
12日は東都観光のバス3台に60－70人が乗りこみ、11時半ころ日本青年館に向けて出発したのを見送った。昼食は車中で弁当を食べることになっており、弁当の運び入れを手伝った。
登録した人は、手に手に荷物を持ち「どうもお世話になりました」と声をかけてバスに乗り込んていった。なかには自転車持参の人もいて、バスのトランクルームに4台積み込んだ。
日比谷で2日間ボランティアをやった大学生が来ていた。日比谷で親しくなった人が石神井に来ているはずなので来てみたが、すでに退所されたあとだったそうだ。たしかにバスに乗り込んだ人のなかにも「小手指のアパートが決まった」といっていた人もいた。
仕事さえあれば、普通に生活できる人が多いようにみえた。まさに、明日は我が身を実感する。また、登録者よりも多いくらいの市民ボランティアがすぐにでも集まることは、まだまだ世の中捨てたものではない気がした。もちろん2人の区議の大車輪の活躍が背景にあった結果だとは思うが。
これから3月の年度末に向かうので、派遣切りで住むところまで失う人がますます増えるのではないかと懸念される。世界大恐慌のころの日本映画に「大学は出たけれど」（小津安二郎 1929）がある。職が見つからなくても宿なしになるということはなかった。ちゃんと郷里の母や許婚（田中絹代）を下宿に泊めていた。テントや体育館に来る人をゼロにすべく、早急に対応策を考えてほしいものである
石神井学園用体育館。手前の人はボランティア
石神井学園は練馬区内にあるので、11日の日曜午後、訪問した。
食事と清掃は都が委託した社会福祉法人が行っていた。敷地内や近隣公園は火気使用禁止になので仕出し弁当が配布される。ボランティアの炊き出しは行えない。体育館の出口を出たところに簡易トイレが5-6基、建てられていた。風呂は入浴券を配布し近隣の銭湯を利用する。生活保護申請は千代田区で申請した人もおり、石神井福祉事務所に申請した人は約40人だった。体育館には、「東京チャレンジネット」のオレンジのジャンパーを着た都の職員が数人、実行委員会の緑の腕章を付けた年越し派遣村実行委員会の人が数人、そしてボランティアが多数いた。体育館入り口では厳重に入退室をチェックしていたので、少し入りにくい雰囲気があった。
室内をのぞいて見ると、アパート探しや職探しで外出している方も多く、在館している人は40人くらいだった。体育館なので床はフローリングでブルーのカーペットを敷き、そのうえにフトンを敷いていた。屋外はすっかり冷え込んでいるが、室内は心地よく暖房が効いていた。
壁には「千代田区で生活保護申請をした人は、家具什器費用が24800円支給されたが、その後39700円（14900円の増額）になったので差額の支給申請を、館内の受付でしてください」という貼り紙が大きく掲示してあった。
わたしは見ていないが、生活相談、就労相談、住宅相談、緊急小口資金の相談ブースが設置され、ハローワーク、労働基準監督署、アパートを紹介するNPOが出張してきていたそうだ。また室内では、「励ます会」の区民ボランティアの社会福祉士が聞き取り調査をしていたとのことだ。
区民による衣料品無料バザー
11日（日）午後、練馬「派遣村」を励ます会の支援企画が実行された。励ます会は池尻成二区議（市民の声ねりま）とかとうぎ桜子区議（市民ふくしフォーラム）が中心となり立ち上げた会である。
わたくしが到着したのは15時過ぎだった。体育館外で池尻事務所で区民ボランティアがつくったお汁粉サービスとつくりっこの家が主力の衣料品無料バザー、労働組合主力の労働相談、そしてカンパ受付をやっていた。衣料品はセーター、ズボン、スーツ、下着・靴下、ネクタイなど種類別に並べられていた。下着類は練馬「派遣村」を励ます会が呼びかけたカンパで購入したものである。また室内では、区内のボランティア理容師による散髪屋をやっていた。区民も切った毛の掃除などを手伝っていた。この日一日で約20人の方が散髪をすまし、こざっぱりとしていた。手伝った人の話では「次はいつ散髪できるかわからないので、できるだけ短めに」という注文もあったそうだ。
とにかくボランティアが多く、50人前後いたのではないだろうか。夜、チェロとピアノのコンサートがあったそうだ。
12日は東都観光のバス3台に60－70人が乗りこみ、11時半ころ日本青年館に向けて出発したのを見送った。昼食は車中で弁当を食べることになっており、弁当の運び入れを手伝った。
登録した人は、手に手に荷物を持ち「どうもお世話になりました」と声をかけてバスに乗り込んていった。なかには自転車持参の人もいて、バスのトランクルームに4台積み込んだ。
日比谷で2日間ボランティアをやった大学生が来ていた。日比谷で親しくなった人が石神井に来ているはずなので来てみたが、すでに退所されたあとだったそうだ。たしかにバスに乗り込んだ人のなかにも「小手指のアパートが決まった」といっていた人もいた。
仕事さえあれば、普通に生活できる人が多いようにみえた。まさに、明日は我が身を実感する。また、登録者よりも多いくらいの市民ボランティアがすぐにでも集まることは、まだまだ世の中捨てたものではない気がした。もちろん2人の区議の大車輪の活躍が背景にあった結果だとは思うが。
これから3月の年度末に向かうので、派遣切りで住むところまで失う人がますます増えるのではないかと懸念される。世界大恐慌のころの日本映画に「大学は出たけれど」（小津安二郎 1929）がある。職が見つからなくても宿なしになるということはなかった。ちゃんと郷里の母や許婚（田中絹代）を下宿に泊めていた。テントや体育館に来る人をゼロにすべく、早急に対応策を考えてほしいものである
